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教育

感謝こそが前に進む力の源 困難をプラスの方向に 山中伸弥×田中ウルヴェ京が語る“原動力”【テレビ寺子屋】

1977年の放送開始から約半世紀にわたって、子育てや生き方のヒントを届けてきた「テレビ寺子屋」が放送2500回を迎えました。記念すべき特別編の講師は、ノーベル賞の受賞者と五輪のメダリストです。

テレビ静岡で9月20日に放送されたテレビ寺子屋では、京都大学iPS細胞研究所名誉所長の山中伸弥 教授とスポーツ心理学者の田中ウルヴェ京さんが、それぞれ50年の軌跡をたどりながら、人生を動かす力について語りました。

「問い続けること」と「VW」―2人を動かした原動力

田中ウルヴェ京さん:
私にとって長年のテーマは「問い続けること」です。9歳でシンクロナイズドスイミングを始めた頃は、オリンピックでメダルを取ることが目標でした。でも21歳で引退すると、その目標がなくなったように感じました。その後、アメリカ留学中に「あなたは誰ですか?」という問いを投げかけられ、自分自身を探し続けることが人生の原動力だったと気づいたんです。

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スポーツ心理学者・田中ウルヴェ京さん

山中伸弥 教授
私のモットーは「VW=Vision & Work Hard」です。30代でアメリカに留学した際、指導者から教わった言葉です。しっかりしたビジョンを持ち、それに向かって努力する。これが人生の基本になっています。

私たち医学研究者には共通の大きなビジョンがあります。それは「研究で病気をやっつけること」です。今は治らない病気を、5年後、10年後、あるいは30年後に治せる病気にしたい。その思いが私たち研究者全員の原動力です

「R」と「P」―困難をプラスの方向に

山中伸弥 教授:
困難は避けられないものです。ただ、出来事そのものは変えられなくても、それをどう受け止めるかは変えられます。

私はよく「RとP」という考え方をします。Rは「Result」、起きた事実です。Pは「Perception」、つまりその捉え方です。同じ結果でも、ピンチと考えるかチャンスと考えるかで、その後の人生は大きく変わります。

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京都大学iPS細胞研究所名誉所長・山中伸弥 教授

田中ウルヴェ京さん:
私の選手時代もまさにそうでした。負けたという事実は変えられません。でも、明日の練習は変えられる。だから「次に何をするか」に意識を向けていました。

選手時代、「試合は試し合いだ」と教えられました。勝敗だけにこだわるのではなく、それまでの努力を試す場だと考える。そうすると失敗からも学べますし、次への挑戦につながります。

感謝こそが前に進む力の源

山中伸弥 教授:
中学時代の柔道部の恩師が末期がんと診断された後も、いつも穏やかで笑顔だったんです。その先生は、「レジリエンスは柔道と一緒で鍛えれば強くなる。そして、秘訣は感謝だ」とおっしゃいました。教え子や医師たちへの感謝で心が満たされているから前向きでいられる、と。

田中ウルヴェ京さん:
レジリエンスの研究でも同じことが言われています。逆境を経験した人ほど、その出来事や支えてくれた人への感謝を持てる傾向があります。谷底まで下りたからこそ見える景色があり、そこから立ち上がる力を育てる。その過程で感謝は大きな支えになります。

山中伸弥 教授:
困難を笑い飛ばし、前向きに進めるかどうか。その根底には感謝の気持ちがあるのだと思います。

田中ウルヴェ京さん:
本当にそうですね。感謝できる人ほど、しなやかに立ち上がれるのだと私も感じています。

≪講師プロフィール≫
山中伸弥:人工多能性幹細胞(iPS細胞)の作製成功を発表。2012年、50歳でノーベル生理学・医学賞を受賞。
田中ウルヴェ京:1988年、ソウル五輪シンクロ・デュエットで銅メダルを獲得。アメリカの大学で心理学を学び、スポーツ心理学者として活躍。

※この記事は9月20日にテレビ静岡で放送された「テレビ寺子屋」をもとにしています。

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