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「制限しないといけないくらい活気づいてる」 近年不漁続きだったシラス漁が突然の“豊漁”に 背景にはやはり「あの現象」の終了が 石油不安はあっても噛み締める豊漁

3月に解禁された静岡県内の2026年のシラス漁は、多くの港で豊漁となっています。近年、不漁が続いたシラス漁に何が起きているのでしょうか?

豊漁のシラス

池田孝 記者:
時刻は9時前です。福田魚港に取れたばかりのシラスが水揚げされていきます

銀色に輝く生シラス。

漁師:
近年になくいい漁。豊漁が続いている

漁師:
漁に出ている時はテンションが上がる

福田魚港では今シーズン、5月末までに489tの水揚げを記録。

これは2025年の同じ時期の約4倍にあたり、昨シーズン全体の水揚げ量538tに迫る勢いです。

遠州漁業協同組合・古澤国裕 課長:
4月の半ば以降になったら急に量が取れ始めて、時間制限しないといけないくらい活気づいている

近年は不漁が続いていたシラス漁。

ただ、豊漁なのは福田魚港だけでなく、県内の他の漁港も同じで、富士市にある田子の浦港の漁協直営の食堂では、新鮮なシラス丼を求めて連日多くの人が列を作っています。

客:
新鮮で、口の中に入れた瞬間にふわっと弾けて本当においしい

客:
他のを食べられなくなるくらいめちゃくちゃおいしい

池田孝 記者:
時刻は5時20分です。船は港を出てシラス漁に向かいます

5月25日。

田子の浦港から駿河湾に向けて出港したシラス漁船。

この道 50年となる日の出丸の芹澤豊 船長も沖に出て、魚群探知機と自らの経験を頼りに網をかけます。

池田孝 記者:
まさにとれたてのシラスです。ピチピチ跳ねています

今シーズンは田子の浦港でもシラス漁が絶好調で、水揚げ量はすでに昨シーズンを上回っています。

日の出丸・芹澤豊 船長:
去年がひどかった。その前もすごくひどかったでしょ。その分(ここまでで)1年分くらいは量的には入ったから、その分、気が楽です。きょう海を見てくれてわかるが、赤潮がちょっとある。赤潮があるようなときにはプランクトンですから、シラスが取れるときが多い

この10年、苦境に陥っていた県内のシラス漁。

2016年には7600tを超えていた主要6港の水揚げ量もその後、右肩下がりとなり、2024年は2095tに。

これは記録が残る過去50年の中で最低の数字でした。

では、なぜ突然、豊漁へと転じたのでしょうか?

黒潮の大蛇行の終了が背景か

県水産・海洋技術研究所
竹本紘基 主任研究員:
黒潮大蛇行(の終息)もシラスの漁況に関係すると考えるが、今年の豊漁はシラスが回遊しやすい流れであった、親のイワシが卵をたくさん産んでいた、シラスに育つまでのエサの環境が良かったなど、さまざまな要因が複合的に作用して、豊漁につながったと考えている

竹本研究員は、近年シラスの記録的な不漁をもたらしたとされる黒潮の大蛇行が終息したことが影響を与えていると指摘します。

そのうえで、海の中の環境が大きく変わり、イワシが卵を産みやすい環境が整ったと分析しています。

一方、シラスが豊漁であるにもかかわらず、頭を悩ませているのが加工業者です。

カネチョウ水産・伊藤長寿さん:
加工するにあたって必要な資材はすべて値上げされている状況で、まだ値上げだけならいいが、頼んでも来ないというのが何点かあって、ダンボールを閉じるガムテープだったりシラスを出荷する時に使うビニール袋が頼んでも入荷しないという状況

とはいえ、アメリカとイランが戦闘終結に向けた合意に至ったこともあり、シラスの不漁が続いた時期を思えば、先行きは明るいと前を向きます。

カネチョウ水産・伊藤長寿さん:
さんざん取れない苦しみ・悩みをずっと経験して、(忙しくて)今は体は大変ですが、本当にたくさん取れる、連日取れることに幸せを感じている

近年感じたことのなかったシラスが取れる幸せ。

関係者は、この先もシラスが安定的に水揚げされることを望んでいます。

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