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伊豆半島の南に位置する静岡・下田市。100年以上の歴史を刻む菓子店で、文豪・三島由紀夫が「日本一のマドレーヌ」と絶賛した味を見つけました。
【画像】記事中に掲載していない画像も! この記事のギャラリーページへペリーロードから路地へ老舗を発見
下田市の観光スポットとして知られるペリーロードから北上し、大横町通りに出てすぐのところで目に飛び込んできたのが、黄色いひさしに「日新堂」と大きく書かれた店。日新堂菓子店です。

木の看板には「日新堂菓子店 大正十一年創業の老舗菓子店」などと書かれています。
1922年(大正11年)の創業から数えると、2026年で104年になる、下田を代表する老舗中の老舗です。

「塩せんべい」から始まった100年以上の歴史
店内に入ると、現在3代目となる店主が出迎えてくれました。日新堂は創業当初は、せんべい店だったといいます。
日新堂菓子店 3代目・横山郁代さん:
「平和煎餅」という塩せんべいを下田の塩を使って作っていました

店内にある古い写真で、今とはまた違う趣の店構えを見ることができます。長い年月をかけて改築・リフォームを重ねながら現在の姿になったといいます。
店内には三島由紀夫のポスターや写真が数多く飾られており、まるで「三島由紀夫ゾーン」です。親戚からもらったという写真や、映画の関係者だけに配られたというブロマイドなど、貴重な資料が並んでいます。

「日本一のマドレーヌ」三島由紀夫の遺言
なぜこれほど三島由紀夫との縁が深いのか。その理由を3代目の横山郁代さんが語ってくれました。
日新堂菓子店 3代目・横山郁代さん:
三島さんのごひいきの店だったからです。「どこよりもおいしい日本一のマドレーヌだ」と言ってくださって、「いや僕がおいしいと言うんだから自信を持ってお売りなさい」と。それが遺言になっちゃったんですよ

1970年(昭和45年)、三島由紀夫が「この味を永遠に守って」と言い残したその言葉が、今もなお日新堂菓子店の魂として受け継がれています。
それ以来、マドレーヌはこの店の顔として君臨し続けています。

1958年のレシピそのまま手作りの味
「マドレーヌ(290円)」のレシピは1958年から変わっていません。現在は横山さんの息子が、職人から引き継いだレシピをそのまま守りながら作り続けています。
日新堂菓子店・横山さん:
そんなたくさんの材料は使っていないです。ハチミツ、小麦粉、卵。それを手こねでやっています

機械も使いますが、最後の仕上げは手こねで行うこだわりぶり。さらに試行錯誤の末にたどり着いたのが、発酵バターを加えるという工夫です。
日新堂菓子店・横山さん:
発酵バターというのがございまして、それを少し入れます。その油脂がある程度入らないとパサパサしちゃうということで

この発酵バターが絶妙なしっとり感を生み出しています。実際に口にすると、甘い香りが鼻をくすぐりながらも、上品な甘みとふわふわの生地が広がります。
どこか懐かしさを感じさせる、素朴でありながら奥深い味わいです。
人気ナンバーワンはレモンケーキ
看板商品のマドレーヌに対して、1番人気と太鼓判を押すのが「レモンケーキ(310円)」です。

日新堂菓子店・横山さん:
レモンチョコがかかっているんです。うちはチョコレートも手作りしていて、レモンを絞って入れています。レモンピールも細かく切って入れています。生地の中にも入れてあるので、“レモンレモン”なのよ
生地の中にレモン果汁を絞り込み、レモンピールも細かく刻んで混ぜ込み、さらにレモン風味のチョコレートコーティングまですべて手作り。

食べると通常のレモンケーキよりも圧倒的なレモンの風味が口いっぱいに広がり、飲み込んだあとも長く余韻が続きます。
大量生産ができないため、最近は事前予約をする客が増えているといいます。また保存料を使用していないため、夏の暑い時期は製造していません。

なお、日新堂菓子店のマドレーヌとレモンケーキは、下田市にある須崎御用邸にも進呈されている、知る人ぞ知る皇室御用達のお菓子でもあります。
下田市を訪れた際には、ペリーロードから大横町通りへ足を延ばし、100年以上の歴史と文豪の遺言が宿る味をぜひ体験してみてください。マドレーヌとレモンケーキ、どちらも下田でしか出会えない特別な一品です。
■店名 日新堂菓子店
■住所 静岡県下田市三丁目3-7
■営業時間 9:30~18:00
■定休 水
■問合せ 0558-22-2263
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