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静岡・湖西市は「かしわ餅の発祥の地」。湖西市民さえほとんど知らないこの情報。真偽を明らかにするために歴史を探ると、豊臣秀吉が関わっていることがわかってきました。
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湖西市のJR新所原駅にやってきました。まずは駅前で聞き込みを開始します。
湖西市がかしわ餅の発祥地として知られているかどうかを地元の人々に尋ねてみると、反応は予想外のものでした。

70年近く湖西市に住んでいるというタクシー運転手の男性。にもかかわらず聞いたことがないそうです。
駅前のタクシーの運転手:
知らないです。聞いたことない
さらに聞き込みを続けますが「全く分からないです」と知らない人ばかりで、地元の人々の認知度はかなり低い様子。

逆に「へ~、初めて聞きました」と感心されてしまう状況です。
しかし取材を進めるうちに、地元ではかしわ餅で有名なお店がいくつか存在することが分かってきました。
駅前の店の女性:
「ロワール(中原屋)」さんのかしわ餅や、鷲津方面にある「ひので軒」さんは有名ですね

かしわ餅が湖西市発祥ということを知る人は現れなかったものの、湖西市にあるかしわ餅の有名店の情報を得ました。
「かちわもち」が「かしわ餅」に?
そこで向かったのが、名前が挙がった「ひので軒」。JR鷲津駅から車で南へ約5分の住宅地にあります。

店主の河合博敏さん聞くと、ショーケースの上、一番目立つ位置にあるかしわ餅を示して「こちらあります」と教えてくれました。
しかし、よく見ると名前が違います。

普通かしわ餅には「柏」という漢字が用いられますが、ここでは「勝和餅」と書かれていました。
ひので軒 店主・河合博敏さん:
普通はきへんに白で柏餅ですが、勝和餅の読み方は「かちわもち」と言います
見た目は半月型のお餅にあんこが挟まれていて、カシワの葉が巻かれている一般的なかしわ餅。しかし、漢字も読み方も違いました。

ひので軒・河合さん:
元々は地元の「和田屋」という和菓子店が「勝和餅」をだいぶ昔から売っていましたが、そちらのご夫婦が高齢になり、商売をやめるから名前を受け継いでくれないかね、と頼まれました
元々ひので軒では、「かしわ餅」を販売していましたが、名前を譲り受けて勝和餅として販売しています。
実はこの名前にこそ、湖西市が「かしわ餅発祥の地」と言われるゆえんが隠されていました。
ひので軒・河合さん:
豊臣秀吉が茶屋で「勝和餅」と名付けたと聞いています

湖西とかしわ餅、そして急に登場したビッグネーム「秀吉」。
豊臣秀吉のエピソードをさらに調査して、「かしわ餅発祥の地」であることの裏付けをとることにしました。
豊臣秀吉と勝和餅の伝説
より詳しい歴史を知るため、向かったのは湖西市役所の文化観光課。郷土史に詳しい大須賀広夢さんに話を聞きました。
ズバリ、湖西市は「かしわ餅発祥の地」ですか?
湖西市役所 文化観光課・大須賀広夢さん:
そうですね、かしわ餅発祥の地が湖西市であると言われています

大須賀さんによると、少なくとも江戸時代前期には、白須賀の名物としてさまざまな書籍にかしわ餅が登場します。
葛飾北斎の浮世絵にも白須賀のかしわ餅が描かれています。

伝承によると1590年(天正18年)、豊臣秀吉が小田原征伐に向かう道中、「猿ヶ番場(さるがばんば)」と呼ばれる湖西市白須賀と豊橋市のちょうど間あたりのエリアに立ち寄りました。白須賀宿の北側にあたります。
そこにあったお茶屋でソテツの実をくるんだお餅を食べました。

秀吉はそれをとても気に入り、その後の戦にも大勝したことから非常に縁起がいいと感じたそうです。
帰り道に再び同じ場所に立ち寄った際、「これを勝和餅と呼びなさい」と命名したと伝わっています。

茶屋で秀吉に振る舞われたお餅。それは元々は「戦苦開餅(せんくかいもち)」と呼ばれていたそうです。
しかし、ここでまた疑問が。「勝和餅」と名付けられたはずの餅が、どうして「かしわ餅」になったのでしょうか。
大須賀さんは少し言いにくそうに話します。
湖西市役所 文化観光課・大須賀さん:
まあ正直に言うと、勝和餅の話は後付けの部分が大きいのではないかと個人的には考えています。この伝承が確認できるのは江戸時代の終わり頃に書かれた古文書だけで、豊臣秀吉の時代から数百年後に書かれた書物のため、裏付けが十分とは言えないですね

つまり、豊臣秀吉との関係はあくまで「伝説」の域を出ず、明らかになっていない部分も多くあるそうです。
一方で、江戸時代初期にはかしわ餅が白須賀の名物として有名だったことは事実であり、湖西市とかしわ餅の深い結びつきは確かなものです。
猿ヶ番場にて秀吉気分でパクリ
取材の最後に訪れたのは、秀吉が立ち寄ったとされる「猿ヶ番場」という地名が、かろうじて現代に残る「番場池(ばんばいけ)」。

その場所に立つと、歴史ロマンを感じずにはいられません。
ここで、ひので軒で買ってきたかしわ餅を食べて、秀吉の気分になってみてください。
にむらリポーター:
諸説ありますが、間違いなく言えることは湖西の勝和餅はおいしいということです!

かしわ餅が湖西市発祥かどうかは諸説あります。
しかし、江戸時代から名物の地として知られた湖西では、地元に根付いた味を今も守り続けるお店が複数存在することは間違いない事実でした。
■店名 ひので軒
■住所 静岡県湖西市鷲津3387番地アルカミーノ1E-1
■営業時間 9:30~18:30※第1、3火曜は~15:00
■定休 水
■問合せ 053-576-0377
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