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市立病院で職員の4割が退職意向 指定管理者制度への移行めぐり波紋 職員「行政から見放された」 市「決定から発表まで時間をかけた」 市長は前市政を暗に批判

静岡市立清水病院

静岡市が4月に表明した市立病院における指定管理者制度の導入。ただ、多くの職員は所得の減少が見込まれるため、反発が強まっている。これを受け、難波喬司 市長は「説明が不十分だった」と会見で謝罪したものの、方針を曲げる考えがないことを明らかにした。

経営状態が危機的状況に瀕している静岡市清水区の市立清水病院。

赤字は過去20年にわたって続いていて、2024年度は市が18億円もの運営費負担金を支出しながら22億5000万円の赤字を計上した。

2025年度に至っては運営費負担金が19億円の中、最終赤字は29.5億円と見込まれていて、実質的な損失額は50億円近くに上る。

こうした中、静岡市の難波喬司 市長は4月24日、清水病院において2027年度から指定管理者制度を導入すると発表した。

具体的には同じ清水区で清水厚生病院を運営するJA静岡厚生連が指定管理となることを前提に、2040年を目標に入院機能を清水病院に集約させ、厚生病院には総合的な診療機能を提供する外来機能のみを残す計画で、難波市長は「当該の2つの病院が、両方とも存続しようと頑張ると“共倒れ”になる」と、その意義を強調する。

これに対し、静岡市職員の労組が4月28日に会見し、清水病院の医師や看護師など職員731人を対象に実施したアンケートの結果を公表した。

回答数は640で、回答を複数回した人が一定数含まれている可能性があるとしているものの、清水病院に指定管理が導入された場合の対応について「退職したい」が41.4%に上り、「継続して働きたい」は12.0%に留まっている。

また、「悩んでいる」が44.1%だった。

「退職したい」と回答した人の大半は待遇面の悪化を懸念していて、会見に出席した職員のひとりは「あまりに突然。行政から見放されたような思い」と憤る。

この状況に、難波市長は5月11日、「一番大事なのは結果としてどう受け止められたのか」と述べ、「我々の説明が不十分だったと考えている。もっと具体的な説明を早い段階からしておくべきだった。申し訳なく思っている」と陳謝した。

ただ、同時に「決定から発表まで、かなりの時間をかけた。その間、現場ではしっかり説明するようにと(指示していた)」との認識も示している。

難波市長によれば、指定管理者制度を導入することで清水病院の職員の多くは所得が下がる見通しとなっていて、このため退職金の割り増しや他市の事例を参考に数年間にわたる給与補償を検討しているほか、一部の職種については定数の制限があるものの市職員としての配置転換を考えていくという。

市は5月18日と19日に清水病院の職員を対象とした説明会を開催する予定で、この場で今後の待遇や給与体系についてモデルケースを示すことを明らかにしていて、6月1日からは個別の相談窓口を設置する。

一方、難波市長は11日の定例会見で、あくまでも指定管理者制度への移行方針は曲げない考えを明らかにしている。

赤字率が21%(2024年度)に及ぶ清水病院について「経営効率を少し上げるくらいでは解消できないレベル」と指摘し、「もはや直営で何とか出来る状況にない。今までの延長線上の直営という形でやるのはもう無理。その計画で黒字化するのは無茶なレベルであり、根本的な改善をしないといけない」と言い切った。

さらに、「いま振り返れば…」と前置きした上で、赤字額が数億円程度だった十数年前に独立行政法人化していれば「まだ何とかなったかもしれない」と暗に前市政を批判している。

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