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春のお彼岸シーズンに欠かせない和菓子といえば「ぼた餅」。ですが、ぼた餅の「ぼた」とはなんのことでしょう? 静岡・菊川市に工場がある和洋菓子店「たこまん」で、その秘密に迫りました。
【画像】記事中に掲載していない画像も! この記事のギャラリーページへ街の人に聞いてみた “ぼた”の意味
お彼岸といえば「ぼた餅」ですが、その「ぼた」が何を指しているのか知っていますか。
街ゆく人たちに聞いてみると、「ぼたっと何かが落ちる音じゃないか」など答えはさまざまでした。

思い思いの推測が飛び出す中で、「牡丹の花のころは『ぼた餅』、萩の花のころは『おはぎ』ではないか」と、納得のコメントをした人も。
“餅は餅屋”ということで、専門店へ向かうことにしました。
ぼた餅づくりは難しい! 製造工場へ

訪れたのは菊川市にある「たこまん 小笠本店」。たこまんでも「ぼた餅」を販売しています。
そこで製造工程を見せてもらうことになりました。工場内に入ると、チョコレートのような甘い香りが漂ってきます。

ちょうどケーキを製造している最中で、この時期はイチゴのスイーツが多く作られているそうです。
そして工場の一角では、ぼた餅が作られていました。まん丸でつやつやとした美しいぼた餅が丁寧に仕上げられていく様子は、まさに職人技です。

たこまんのぼた餅に使われているあんこは、北海道産の粒あんを使用。甘さを控えめに仕上げているため、口当たりが非常になめらかで食べやすくなっているといいます。
また、もち米には静岡県産の「葵美人」を使用。もちもち&ねっとりとした食感が特徴で、素材にとことんこだわった一品です。

ぼた餅づくりで職人技の難しさを実感
室伏真璃アナウンサーは、ぼた餅づくりにも挑戦させてもらいました。
職人の村松諭さんによると、生地(もち米)は1個57g、あんこは1個63gで、あんこのほうが生地より量が多いというのも驚きでした。

あんこを内側へ押し込みながら包んでいく作業は難しく、あんこが薄くなったり割れてしまったりと苦戦します。
たこまん・村松諭さん:
手の温度が伝わってしまうと風味が損なわれてしまうので、なるべく早い時間で仕上げるのがポイント

均一な厚みで割れ目なく仕上げる職人の技の難しさを改めて実感しました。
実際に食べてみると、甘さ控えめのあんこはなめらかで、小豆の香りがしっかりと感じられ、もち米のもっちりとした食感との相性も抜群。

ボリュームがある分、甘さを控えめにすることで食べやすく仕上げているとのことです。
“ぼた”の正体は「牡丹の花」その由来とは
さて、本題の「ぼた餅の由来」について、たこまんのスタッフに聞いてみました。
たこまん・槻木鈴香さん:
ぼた餅のぼたは「牡丹(ボタン)」の花のことです。ぼた餅を漢字で書くと「牡丹餅」となります。牡丹の花が咲くのが春なので、春のお彼岸にはぼた餅を食べることが多いです

秋の代表的な花といえばハギの花。おはぎもこのハギから名付けられたものです。
では春のお彼岸には「ぼた餅」、秋のお彼岸に食べる「おはぎ」、2つに違いはあるのでしょうか。
たこまん・槻木鈴香さん:
諸説あるのですが、季節によって名前が違うだけで基本的には同じものです。ただ、地域によってはぼた餅がこしあん、おはぎが粒あんというところもあります

秋は採れたての小豆を使えるので「粒あん」にすることが多く、春は時間がたって皮が硬くなっているので「こしあん」にすることが多かったそうです。
たこまんでは「ぼた餅」と「おはぎ」で名前は変えているものの、材料も作り方も同じなのだそうです。
なぜお彼岸にぼた餅を食べるの?
そもそも、なぜお彼岸にぼた餅を食べるようになったのでしょうか。
たこまん・槻木鈴香さん:
お彼岸はご先祖様に感謝の気持ちを込めて供養する行事です。昔から赤色には邪気払いの意味があると伝えられていて、小豆も赤色なので邪気払いの意味が込められた縁起のいい食べ物とされています

おいしいだけでなく、縁起物としての深い意味も持つぼた餅。感謝の気持ちを込めながら食べる、大切な食べ物だということがよくわかりました。
■店名 たこまん 小笠本店
■住所 静岡県菊川市上平川565-1
■営業時間 09:00~18:00
■定休 なし
■問合せ 0120-040-862
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