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静岡市清水区に、一風変わった名前の橋が存在します。看板に書かれている文字は「崇徳橋」ですが、アルファベット表記では「ストックトン ブリッジ」と全く違います。橋の名称の謎を調査しました。
【画像】記事中に掲載していない画像も! この記事のギャラリーページへ「崇徳橋」は「すうとく」ではない!
清水港沿いにある「しみずマリンロード」の、エスパルスドリームプラザと河岸の市の間に、なんと読むか分からない難読橋があります。
川をまたいでいるわけではなく、他の道路と立体交差している高架橋です。

現地へ向かい、まずは車で通過してみます。入船町の交差点を越えて、南側から北側へ。橋名が書かれた標識が道の上にありました。
にむらあつとリポーター:
崇徳橋と書いてありましたね。「すうとくばし」と読むのでしょうか

標識には「崇徳橋」と書かれていました。その下にはアルファベット表記が。それを読めば正しい読み方が分かるはずです。
車で走りながらでは、なんと書かれているか読めなかったため、降りてよく確認してみると「Stockton Bridge(ストックトン ブリッジ)」と記されていました。

漢字を読むと「すうとくばし」となりそうですが、「崇徳」は本当に「ストックトン」と読むのか。日本の橋の名前なのに、海外のような呼び方をするなんて、どういうことなのでしょうか。
地元の方に聞き込み 呼び名は「ストックトン橋」
橋の名前といえば、よく地名が使われます。この地域が「ストックトン」という地名なのか、念のため近くの電柱を確認してみました。

電柱に付けられていた看板によると、この場所は「清水区松原町(まつばらちょう)」です。
にむらあつとリポーター:
「ストックトン」の「ス」の字もない!
そこで、橋の近くを歩く地元の方々に声をかけてみました。しかし、なかなか橋の名前を知っている人に出会えません。
何人かに声をかけたところ、ついに橋の名前を知っている人に話を聞けました。

地元の人:
ストックトン橋(ばし)と呼んでいます
なんと、地元の方々は「崇徳橋」のことを「ストックトン橋(ばし)」と呼んでいるとのこと。ちなみにストックトン橋という呼び名は、ちょっと言いづらいと感じているそうです。
「崇徳橋」がなんと呼ばれているのかは分かりましたが、まだ正式名称や「なぜストックトンなのか」などの謎が解けていません。
1975年に開通! 正式名称は「江尻高架橋」
謎の解明に向け、この橋を管理する静岡県清水港管理局を訪問しました。
清水港管理局の荒田訓史さんに話を聞くと、衝撃の事実が明らかになります。

静岡県清水港管理局・荒田訓史さん:
皆さんは多分「ストックトン橋」と呼んでいるのが通称だと思います。管理上は、実は「江尻高架橋(えじりこうかきょう)」という名前が付いています
通称「ストックトン橋」の正式名称は「江尻高架橋」。呼び方が全然違います。
江尻高架橋の資料を見せてもらうと、1975年2月に行われた開通式の写真には、確かに「江尻高架橋」と記されていました。

米・ストックトン市と姉妹都市提携
通称としても、なぜ「ストックトン」なのでしょうか。
静岡県清水港管理局・荒田訓史さん:
旧清水市がカリフォルニア州ストックトン市と姉妹都市提携していると聞いています
「清水市」は、静岡市との合併によって「静岡市清水区」になりました。その旧清水市が、カリフォルニア州ストックトン市と姉妹都市提携をしたのが1959年でした。

さらに驚くべき事実も判明。
静岡県清水港管理局・荒田訓史さん:
1976年にストックトン市のほうで「シミズ・ドライブ」という名前の通りを建設したと記録が残っているようです
実際にマップアプリで確認してみると、「Shimizu Dr」と書かれた看板がある通りが、ストックトン市内に確かにありました。アメリカに静岡の地名である「シミズ」と呼ばれる通りがあるなんて、驚きです。
時系列でまとめると、1959年に旧清水市とストックトン市が姉妹都市提携、1975年に江尻高架橋が完成、翌1976年にストックトン市に「シミズ・ドライブ」が完成。
そして1977年に、江尻高架橋が「崇徳橋」「ストックトン橋」と命名されたそうです。

漢字で書かれていた崇徳橋は「そうとくばし」と読むそうで、こちらも通称です。
呼び方がいろいろあって、少しややこしいですね。
長きにわたるアメリカとの友好の証
さらに詳しく知るため、静岡市役所の国際交流課にも足を運びました。
静岡市国際交流課・武内麻里子さん:
1976年に「シミズ・ドライブ」という通りができました、そこに静岡市の方々からの寄付でサクラの木がきれいに植えられています

アメリカは、姉妹都市や交流のある都市の名前を通りの名前に付けることがあり、旧清水市との縁から「シミズ・ドライブ」という名前が通りに付けられたと考えられるそうです。
静岡市にはストックトン市から贈られた「友好の鍵」も保管されていました。
鍵には、「CITY & PORT OF STOCKTON. CALIF.」と刻まれています。

一見不思議な橋の名前の裏には、旧清水市とアメリカ・カリフォルニア州ストックトン市との半世紀以上にわたる深い絆がありました。
清水区を訪れた際には、ぜひ「ストックトン橋」を渡って、遠く海を越えた友情に思いをはせてみてください。
■スポット名 崇徳橋(ストックトン橋)
■住所 静岡市清水区松原町6-14付近
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