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静岡・島田市の住宅街に魔女の店があると聞いて調査へ向かいました。魔女専門の人形館「マジュエリ」。一歩足を踏み入れると、そこにはさまざまな魔女人形と、「魔女になりたい」という店主が。不思議な魔法空間に潜入してきました。
【画像】記事中に掲載していない画像も! この記事のギャラリーページへ魔女が大好き! 魔女人形の店
JR六合駅から車で約4分。その住所を訪ねてみると、住宅が立ち並ぶエリアです。
すぐに魔女のイラストが描かれた建物を発見しました。
魔女人形の店と書かれたその店の名前は「Majueri(マジュエリ)」。

恐る恐る扉をノックする、にむらあつとリポーターを「いらっしゃいませ」と優しそうな女性が迎えてくれました。魔女でしょうか?
そこは、自宅のガレージを改装して作られた小さな店でした。

店内にはさまざまな魔女人形が飾られていて、天井からつり下げられたホウキに乗った魔女たちが空を飛んでいます。
紫の髪の魔女や三つ編みの魔女、真っ赤な服を着た魔女や真っ黒ないでたちの魔女らしい魔女まで、服の色もデザインも一つ一つ違います。

魔女のような格好をして出迎えてくれた細田純子さんに、「なぜ魔女なのか」を聞いてみました。
マジュエリ・細田純子さん:
好きなんです。大好きなんです。魔女になりたいと思っております
力強いその返答には、言葉以上の思いが込められているように感じました。

(2026年3月現在より)4年ほど前にオープンしたマジュエリには、全国から魔女好きが訪ねてくるそうです。
60体ほどの魔女人形が展示されており、大きいものは約1万5000円、小さいものは約3000円です。

魔女人形はすべて夫婦の手作り
驚くことに店内に並ぶ魔女人形は、なんとすべてを純子さんと夫の常久さんが2人で手作りしています。
制作現場を見せてもらうため、店の横にある住居へ移動しました。
そこでまず驚いたのは、家が完全に魔女の屋敷化しているということ!

にむらあつとリポーター:
家の中にカラスがいるのは、あまり見たことがありません
リビングの天井近くに付けられた止まり木から、真っ黒な1羽のカラスの置物がこちらを見つめています。
奥の部屋に向かうと、そこは夫婦の制作工房でした。

夫の常久さんが魔女用のメガネを作っています。
もともと板金職人だった常久さんは、モノづくりが得意で、メガネ、イヤリングなどの細かな装飾品を担当しています。

一方、純子さんは洋服や人形の顔を担当。ミシンで洋服を作り、樹脂粘土で顔を制作します。
こだわりが詰まった魔女人形の制作工程
なにから何まで手作りの、魔女人形の制作工程を見せてもらいました。
まず、木に綿を巻いて胴体を作ります。

次に靴をはかせますが、魔女のブーツは革でできています。
マジュエリ・細田純子さん:
基本本革で仕上げたいので、ブーツは本革と革のひもです。こだわりなんです

そのあと、手作りの服を着せて、樹脂粘土で作った顔を取り付けます。
丁寧に作られた服や顔から、魔女人形への愛情が感じられます。

髪の毛は、毛糸などいろいろなものを使用して制作。
さまざまな色や形の髪の毛を付け替えてみると、面白いほど人形の雰囲気が変わります。

純子さんのこだわりは、素材以外にも。
マジュエリ・細田純子さん:
この子たちすべて名前が付いてるんです。私のこだわりです
「私の名前はアリアドネ。年齢は341歳。迷宮の案内役です」。魔女たちが手にしている小さな本を開くと、魔女の名前やその由来が記されていました。

こうして魂を吹き込んだ手作り魔女人形は、600体以上になりました。
営業担当から魔女人形作家へ
こんなに器用に人形作りをする純子さんですが、前職は手仕事とは全く別の世界にいました。
マジュエリ・細田純子さん:
私はもともと30数年、営業マンで走り回っていました

純子さんは、英語教材の販売員としてかなりの営業成績を上げていました。仕事をしているころは魔女人形を作れず、いろいろなところで購入して飾っていたそうです。
しかし、5年前に純子さんの母親が亡くなり、手が空きました。そこで、ついに自分で魔女を作り始めたのです。

魔女人形作りを始めて5年。いまでは島田市のふるさと納税の返礼品にもなっており、静岡市にある日本平ホテルのセレクトショップでも販売されるほど注目を集めています。
運命を変えた1ドルの魔女
制作部屋から出て、今度は魔女人形作りのきっかけになった魔女がいるという、「魔女部屋」へ。

その魔女人形は、約30年前のイタリア・フィレンツェへの旅で出会ったもの。小さな土産店で偶然この魔女人形を見かけ、魅了されたそうです。
手にホウキを持ち、黒っぽい服を着た魔女は、純子さんのその後の人生を変えるほどの魔力を持っていました。
マジュエリ・細田純子さん:
ちょうど帰国する日だったので、日本円とたった1ドルしかなかったんです。だからもう無理だと思いました

純子さんが諦めかけたその時、店主が「そんなに気に入ったのなら、この魔女を日本へ連れて行ってください」と、なんとたった1ドルで売ってくれたといいます。
それまで魔女にまったく興味がなかった純子さんはですが、1体の魔女人形との運命的な出会いによって、人生が大きく変わりました。

魔女にどんどん取り込まれていく純子さんと、純子さんを温かく見守る常久さん。
夫・常久さん:
楽しくやっていて、いいと思いましたよ
いつしか常久さんも魔法にかかり、夫婦2人でコツコツと魔女人形作りを続けています。
あなたも魔法にかかりに「マジュエリ」を訪れてみては? あなたの人生に大きな影響を与えてくれる、一体に会えるかもしれませんよ。
■店名 Majueri
■住所 静岡県島田市道悦島222-2
■営業時間 13:00~17:00
■定休 日月火水
■問合せ 0547-35-1100
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