テレビ寺子屋で講演を行うオノマトペ研究者の藤野良孝さん
健やか

「のびのび」と言いながら両手を上げる 気持ちがマイナスな時に役立つオノマトペを伝授【テレビ寺子屋】

「のびのび」「スーッ」といったオノマトペには、脳のやる気をつかさどる部位を活性化する力があります。マイナスな心をプラスに変える、オノマトペの効果的な使い方を研究者に教えてもらいましょう。

左)テレビ静岡・北村花絵アナウンサー 右)オノマトペ研究者・藤野良孝さん

テレビ静岡で2025年11月30日に放送されたテレビ寺子屋では、オノマトペ研究者の藤野良孝さんが、オノマトペを使ってマイナスな心をプラスに変える方法について語りました。

オノマトペが脳を活性化する

オノマトペ研究者・藤野良孝さん:
オノマトペとは、「わんわん」「キラキラ」といった擬音語と擬態語を総称した言葉です。

オノマトペを口にしたり、頭の中でイメージしたりすると、脳の線条体というやる気をつかさどる部位が活性化することが最近の研究でわかっています。

小さい頃、ブラックコーヒーを飲んで「苦い! 」と思ったこと、ありますよね。でも今はおいしく飲めていませんか?

イメージ画像 コーヒーとミルク

それはコーヒー自体の味が変わったのではなくて、ミルクや砂糖などを使って苦みを和らげる工夫をすることで、自分の解釈が変わったからなんです。

人生にも同じことが言えます。人生にはたくさんの苦みがありますが、ちょっとした工夫で気持ちを和らげることができます。

その工夫のひとつとして、オノマトペを使ってマイナスな心をプラスに変える方法をお伝えします。

悩みを抱えた時は「のびのび」

テレビ寺子屋で講演を行うオノマトペ研究者・藤野良孝さん

たくさん悩みを抱えている時って、なかなか元気が出ないものです。でも悩みにはすべて意味があって、「自分はこんな時に悩むんだ」と知れただけでも前進していますから、まずは悩んでいる自分を受け入れてあげてください。

そして、そこから立ち直るためには「のびのび」というオノマトペを言いながら両手を上にあげてみましょう。手を上にあげる行為は、心理学的にもすごく前向きになりますし、体がほぐれてリラックスできます。

イメージ画像 伸び

先延ばしには「ガラッ」で切り替え

次に「明日やればいいや、今度にしよう」こんな言葉が出た時は気持ちがマイナスに傾いているかもしれません。こんな時は「ガラッ」というオノマトペを使って、気持ちを切り替えましょう。心の中で「ガラッ」と言うだけです。

私の場合は「あの人だったらこうやって考えるだろうな」と憧れの人の思考を借りて、自分の意識をガラッと変えるようにしています。そうすると、マイナスな気持ちがプラスに変化します。

イメージ画像 気持ちの切り替え

「スーッ」と空を見上げる

それでも時には、いつまでもクヨクヨしてしまうこともありますよね。クヨクヨをできるだけ早くなくすために有効なのが「スーッ」と言って、広い空を見ることです。

「スーッ」と言う時は、お腹の奥から嫌な気持ちをスーッと出すようにしてみてください。広くて大きい空を見ると、自分の悩みが小さく感じられてきて、肯定的な感情が出てきて、前向きになれます。

イメージ画像 広い空

オノマトペは発したり、頭の中でイメージしたりするだけで、気持ちが切り替わって心にエネルギーが満ちあふれてくる言葉です。

マイナスな心をプラスに変える方法として、オノマトペを習慣化して、毎日をほっこりハッピーに過ごしてほしいと思います。

藤野良孝: 1977年東京都生まれ。朝日大学保健医療学部教授。オノマトペの実態とその効能について多角的に研究。日々の暮らしの中でオノマトペを役立ててほしいと、書籍や講演などを通じて利用法の普及につとめる。

※この記事は2025年11月30日にテレビ静岡で放送された「テレビ寺子屋」をもとにしています。

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