でかける

【清水区・和カフェsenkado.僊菓堂】美しすぎる“おはぎ” 明治創業の和洋菓子店が復活

静岡・清水区蒲原の裏路地を抜けると、旧東海道沿いに美しい蔵造りの建物があります。国の登録有形文化財でもある吉田家住宅で、明治から昭和まで続いた和洋菓子店が新しい感性で生まれ変わりました。

【画像】記事中に掲載していない画像も! この記事のギャラリーページへ
旧東海道

いつも見慣れた街並みも裏道を巡れば、そこはまるで別世界。静岡県民も必見の裏スポットをお散歩します。今回は清水区。古くは東海道の宿場町として栄えた蒲原周辺を散策しています。

明治から昭和まで続いた和菓子店

旧東海道沿いで美しい蔵造りの建物を発見しました。

静岡市清水区蒲原2丁目にある「吉田家住宅」は、国の有形文化財にもなっている商家です。

ここは明治20年頃から昭和55年にかけて「僊菓堂(せんかどう)」という和洋菓子店でした。

国登録有形文化財・吉田家住宅(静岡市清水区蒲原)

継いでいれば吉田家の6代目となる、吉田和正さんが迎えてくれました。

僊菓堂・吉田和正さん:
明治20年ぐらいから昭和55年までお菓子屋さんだったんです。そこから40年ぐらいやってなかったんですが、せっかくの昔からあるお店なので、やってみようかなと思い細々と和菓子店を営んでいます

僊菓堂・吉田和正さん

店内には当時使っていたという古いショーケースが残されていました。

よく見ると「いちごもち」と書かれています。

当時使っていた古いショーケース

中にはサンプルの「いちごもち」が置かれていました。

僊菓堂・吉田和正さん:
当時のレシピや絵は残っていなくて、実際どういうモノか分からないんです。当時を知る方の話によると、求肥(ぎゅうひ)の上にイチゴがポンとのっていたようです

「いちごもち」のサンプルが置かれている

週末だけ和カフェを営業

吉田さんは定年をきっかけに2025年4月から、週末だけ「和カフェsenkado.僊菓堂」というお店を開いているそうです。

和カフェsenkado.僊菓堂の置き看板

店の主役は、美しすぎる見た目の創作おはぎです。

僊菓堂・吉田和正さん:
もち米か黒米がベースになっていて、その周りにあんこを使用しています。それぞれ味付けも変えています

見た目でも楽しめる美しい創作おはぎ

種類も豊富でどれにしようか迷いましたが、スタンダードな「もちごめ×つぶあん(250円)」と、変わり種の「黒米×ブルーベリー(250円)」を選びました。

ショーケースを開けた瞬間、風に乗っておはぎの甘い香りが漂います。

左)黒米×ブルーベリー(250円) 右)もちごめ×つぶあん(250円)

歴史を感じる建物の魅力

吉田家の裏庭で食べることができるということで、案内してもらいました。

裏庭へは店内を奥へと進むのですが、まず当時を感じることができる“中の間”が現れました。

急角度と曲がり方が特徴的な、2階の部屋へと続く階段もあります。

吉田家住宅・中の間

さらに奥へ進むと、次に現れたのは“居間”です。

当時使っていたという昔のラジオ付き蓄音機も置かれていました。

僊菓堂・吉田和正さん:
僕が子供の頃に、ラジオとして使っていました

当時のものがそのまま残っているのも、吉田家住宅の魅力です。

ラジオ付き蓄音機

カフェスペースの広い庭園

ようやく裏庭が見えてきました。

目の前には広い庭園が広がっていて、個人宅の庭とは思えないほど立派です。

吉田家住宅の裏庭

石灯籠や小さな赤いお社、さらには大きな桜の木も植えられていました。

春には桜が咲く庭を眺めながら、ゆったりとおはぎを楽しめるぜいたくな空間です。

抹茶ラテとおはぎの至福のひととき

すてきなお庭で、待ちに待ったおはぎを味わいます。

カフェでは好きな和スイーツ2種と、好きな日本茶、それに日替わりデザートがついた「和プレート(1200円)」が人気です。今回はそのうち和スイーツ2種と、抹茶ラテを特別に試食。

抹茶ラテはミルクと抹茶が別々に来ますが、ある仕掛けがありました。

日替わりおはぎ

僊菓堂・吉田和正さん:
抹茶をこの中に入れてください。袋井市のお茶屋さんから仕入れた抹茶をたてて提供しています

抹茶ラテは、ミルクに抹茶を入れることでテーブルの上で抹茶ラテが完成します。注文をうけてから抹茶をたてるこだわりでした。

日替わり日本茶・抹茶ラテ

では、メインのおはぎを味わってみます。まずは、スタンダードな「もちごめ×つぶあん(単品250円)」のおはぎから。

上にのったお花モチーフのあんこが絶品です。甘すぎず、とても上品な味わいです。

もちごめ×つぶあん(250円)

僊菓堂・吉田和正さん:
基本は白あんで、天然素材で色付けや香り付けをして花を作っています

食べるのがもったいないくらい美しいおはぎです。

続いて、「黒米×ブルーベリー(単品250円)」。

黒米×ブルーベリー(250円)

食べてみると、あんこの奥の方にブルーベリーを感じる絶妙な味わい。黒米とブルーベリーのハーモニーが最高です。

明治から昭和まで続いた和洋菓子店の歴史を受け継ぎながら、新しい感性で生まれ変わった「和カフェsenkado.僊菓堂」。

国の登録有形文化財という特別な空間で、創意工夫が詰まった美しすぎる創作おはぎを味わえる魅力的なお店でした。

■店名 和カフェsenkado.僊菓堂(国登録有形文化財・吉田家住宅)
■住所 静岡市清水区蒲原2-6-21
■営業時間 土日 11:00~16:00
■定休 月~金※臨時休業あ 詳しくはインスタグラムへ
■問合せ 070-6533-3588
■駐車場 10台

 

【詳しく見る】和カフェsenkado.僊菓堂のインスタグラム

【もっと見る! 静岡県にあるインパクトのあるおはぎ】

アバター画像
静岡のみなさん、おかえりなさい。月~金、夕方4時50分から放送中!静岡県内のニュースや話題のスポット、気になる明日の天気まで、余すところなくお伝えしています。
  • BLOG