テレビ寺子屋で講演を行う中山祐次郎さん
健やか

「成功」を追い求めた外科医 子供が生まれて気づいた「自分を幸せにする」生き方【テレビ寺子屋】

外科医として年間約200件の手術を執刀し、小説家としてもベストセラーを生み出してきた中山祐次郎さん。「成功」を追い求めた結果、心と体がボロボロになった経験から、「自分を幸せにする生き方」を選択したといいます。

左)北村花絵アナウンサー 右)外科医で作家の中山祐次郎さん

テレビ静岡で10月26日に放送されたテレビ寺子屋では、外科医・作家の中山祐次郎さんが、人生の失敗から学んだ「しあわせな人生」について語りました。

「外科医」を選び人の3倍努力すると

外科医 作家・中山祐次郎さん:
人生にはたくさんの壁があり、その壁には扉があります。私自身が人生の失敗から学んだことが、その扉を開く「鍵」になればという気持ちでお話しします。

「『選択』とは、選んだほうを正解に捻じ曲げること」

テレビ寺子屋で講演を行う中山祐次郎さん

医学部の学生だった頃、どの科の医者になるか非常に悩みました。病院の実習で現場を見たり、いろんな先生の話を聞いたりして、小児科・救急科・外科の3つに絞りました。でも、どうしても自分では決められず、それぞれの科がある病院を1つずつ受験しました。最終的に外科の病院に受かり、外科医になる人生を選択したのです。

あとは外科医になった事が正解だったと思えるように、人の3倍努力をしました。2倍ではなく、3倍ということにこだわりました。

イメージ画像 医師

2倍の努力をしている人はいますが、3倍の努力をしている人はまずいないからです。

その努力を18年続けて、今では外科の専門医向けの手術の教科書を出版するくらいの技術と力量を持つに至りましたので、「外科になって正解だった」と、現実世界を捻じ曲げられたと思っています。

仕事に家事に子育て 心がボロボロになったとき

「『成功』は人を幸せにしない」

私は45歳になるまでずっと、自分の選んだ道が正解になるように、厳しい努力を続けてきました。「成功」というのは「勝利」と言ってもいいかもしれません。

イメージ画像 成功

人生にはいろんな勝負があり、受験や就職、昇進など、結果が明確に分かることばかりです。私はその全てに勝つ、しかも最高に勝つ、ということを目指していました。

子供が生まれてから仕事に育児や家事が加わり、その結果、私の心と体はボロボロになり、心が壊れる寸前までいってしまったのです。

テレビ寺子屋で公園を行う中山祐次郎さん

私はその時から人生の遠くのほうに掲げていた「成功」という看板を外し「自分で自分を幸せにする」ことにこだわり始めました。

「人の幸せ」や「成功・勝利」を目指している人は多くいますが、「自分の幸せ」を追い求めている人は案外少ないように思います。「自分の幸せ」に集中すると、いろんなことに幸せを感じられて、自分の人生が豊かになると思います。

イメージ画像 自分を幸せにする

どうしても相性の合わない人とは距離を置く

「苦手な人からは逃げていい」

人間は学校生活に家庭、仕事。いろんな人とずっと関わり続けます。一人で生きている人はいません。でもどうしても相性の合わない人は存在すると思います。そういう人から逃げていいですよ、ということを強くお伝えしたいです。

まずは物理的に距離を置く。どうしても距離を置けない時は、心の中で壁を作りましょう。

イメージ画像 距離を置く

それから、その人とうまくいく自分を演じてみてください。欠点が増えるわけではなく、むしろ自分の中にその人とうまく接することができるカード(武器)が増えるものと考えてみるといいと思います。

人生というのは、いつ締め切りがくるか、いつ終わりがくるかわからないものです。いつ死ぬかわからないからこそ、いまを大事に本当にやりたいことをする。

自分が本当にやりたいことを達成するためには、「成功」の看板をつけておく必要があるとは思います。最初のうちはそうして頑張って、ある程度達成できたと思ったら、「成功」という看板を「幸せ」にかけ替えることは、人生に必要なことではないかと思います。

テレビ寺子屋で公園をする中山祐次郎さん

中山 祐次郎:1980年神奈川県生まれ。鹿児島大学医学部卒業。2021年より湘南東部総合病院外科に勤務する。年間約200件の手術を執刀する傍ら執筆した小説「泣くな研修医」シリーズはベストセラーに。

※この記事は10月26日にテレビ静岡で放送された「テレビ寺子屋」をもとにしています。

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