雅心苑のサイダーかん
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【富士・雅心苑】学校給食の思い出「サイダーかん」を完全再現 試作に1年「単純だけど奥が深い」

静岡・富士市には、世代を超えて市民に愛されている「サイダーかん」という名物スイーツがあります。炭酸飲料を寒天で固めたシュワシュワ食感が特徴で、学校給食で50年も親しまれてきました。なかなか再現が難しいこのご当地グルメを完全再現し、販売しているお店があります。

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富士市民なら誰もが知る「サイダーかん」とは?

まず「サイダーかん」とはなんなのか?

富士市内の公園で、富士市民に聞き込み調査を実施。すると、老若男女問わず富士市民なら誰もが「知っていると答えます。

富士市民へのインタビュー
右)にむらあつとリポーター

「給食で出てました」「子供の頃食べました」「富士市民なら全員給食で食べたんじゃないかな」と口々に答える富士市民。小学生の男の子も「給食で出たことがある」と話し、現役の給食メニューだとわかりました。

さらに「サイダーかんが出る日は取り合いになる」という声もあり、その人気の高さがわかります。

サイダーかんとは?「富士市の学校給食で提供 世代を問わず知られている」

「富士市イコールサイダーかん」と言っても過言ではないほどだそうで、世代を問わず市民に定着した郷土の味だということがわかりました。

学校給食の“定番デザート”50年の歴史

富士市内の小学校にも電話取材を行いました。

答えてくれたのは富士市立東小学校の畔柳加奈子校長です。

富士市立東小学校・畔柳加奈子校長
サイダーかんは、富士市の学校給食のオリジナルのデザートになっています。年に2〜3回給食で出てきます

見た目は鮮やかな緑色。サイダーの色です。形は四角く切られた寒天ゼリーのよう。

給食で提供されているサイダーかん

サイダーかんは富士市内の小中学校で提供されているそうです。富士市独自のメニューがなぜ生まれたのか尋ねると、その始まりがわかりました。

東小学校・畔柳校長
昭和40年代から富士市内の学校給食の栄養士さんが給食で出されたということを聞いております

給食で提供されているサイダーかん

当時、栄養士を務めていた人が、子供の頃に実家で食べていたおやつを給食として提供したのが始まりだったのです。

それから約50年、子供たちの熱い支持に支えられ、富士市独自のメニューとして定着しました。

東小学校・畔柳校長
サイダーかんが出る日は「今日の給食サイダーかん出るよね」という話が聞かれたり、もう朝からそわそわワクワクしている子がいたり、大人気のデザートです

大鍋で作られる給食のサイダーかん

そこまで子供たちを魅了するサイダーかん、食べてみたいと思いませんか。

「雅心苑」で味わう懐かしの味

そんな富士市の名物「サイダーかん」が学校給食だけでなく、県東部に6店舗を構える和菓子・洋菓子専門店「雅心苑」でも味わうことができるというのです。

雅心苑 イオンタウン富士南店(富士市鮫島)

訪れたのはイオンタウン富士南店の中にある雅心苑です。ショーケースには鮮やかなエメラルドグリーンの「サイダーかん(200円)」が並んでいました。

イオンタウン富士南店の限定スイーツで、金曜・土曜・日曜のみ販売しています。

サイダーかん(200円)

にむらあつとリポーター:
こんなに派手な色をしているんですね。スプーンですくうと、思ったよりしっかり固めです

一口食べると、寒天なのにシュワシュワとした不思議な食感。メロンシロップが入っていて、爽やかな甘さが広がります。

まさに炭酸飲料を寒天で固めたスイーツという名前通りの味わいです。

再現まで1年! こだわりのレシピ

商品化に携わった雅心苑の太田実希さんは、自身も富士市出身で学校給食の「サイダーかん」が大好物だったといいます。

思い出の味を再現するため、会社に働きかけて商品化にこぎつけましたが、その道のりは簡単ではありませんでした。

雅心苑・太田実希さん
再現するのに1年かかりました

雅心苑・太田実希さん

サイダーかんはそんなに作るのが難しいスイーツなのでしょうか。

「難しくはないですけど、単純なんですけど、結構奥が深い」と太田さん。

サイダーかんの作り方は富士市のホームページで公開されています。そのレシピ動画を参考に試作を始めましたが、炭酸のシュワシュワ感の再現に大苦戦。サイダーを入れる温度やタイミングを何度も調整し、ようやく「サイダーかん」の味と食感を完成させたのです。

富士市が公開しているレシピ

雅心苑・太田実希さん
水と砂糖と粉寒天を沸騰させて、52℃まで下がったら炭酸を入れます。ヘラで混ぜてから冷蔵庫で冷やして固まれば完成です

シンプルな材料で作られる「サイダーかん」ですが、その味わいを再現するには緻密な技術が必要だったのです。

雅心苑のサイダーかん

家庭的な味わいが魅力の富士市名物

シンプルな材料で作られながらも、独特の食感と味わいで世代を超えて愛される「サイダーかん」。50年もの間、富士市民の記憶に残り続けてきました。

にむらリポーター:
初めてのサイダーかんでしたが、家庭的な味でシンプルで、子供は喜ぶだろうし、小学生が取り合いになったのがよくわかります

シュワシュワ食感に感動するにむらリポーター

その爽やかな味わいと不思議な食感は、一度食べたら忘れられない印象を残してくれるはずです。富士市を訪れた際には、ぜひ「サイダーかん」を味わってみてください。

■店名 雅心苑 イオンタウン富士南店
■住所 静岡県富士市鮫島118-10 本館1階
■営業時間 10:00~20:00

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