生どら(1個172円)
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【清水区・うしほ屋】老舗で出会った1日最大1000個売れる「生どら」 「生クリームが余る」から誕生

静岡市のJR興津駅周辺にある、創業109年の和菓子の老舗「うしほ屋」。店内には1日に1000個も売れる看板商品「生どら」や、季節を感じさせる美しい上生菓子など、和と洋の魅力が詰まった菓子の世界が広がっていました。

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旧東海道から身延道へ(静岡市清水区)

いつも通る表通りから1本裏に入ればそこはまるで別世界。しずおか県民必見の裏スポットを巡ります。今回は静岡市清水区のJR興津駅周辺を散歩します。

旧道で見つけた歴史ある和菓子店

JR興津駅周辺の旧東海道。かつて多くの人が行き交い、歴史的な建造物も多くあります。

道中を進み、「興津中町西」の信号から北に入る身延道を進みます。5分ほど歩くと、窓越しに店の人と目が合いました。

うしほ屋の外観(清水区興津中町)

和菓子店「ふなじ うしほ屋」です。

店内は広く、高級感漂う雰囲気。

4代目の山口勝さんに聞くと、1916年・大正5年に開業したそうです。2025年で109年になる老舗でした。

 4代目・山口勝さん

制服の胸元には「ふなじ」という文字が刺しゅうされていますが、これはどういう意味なのでしょうか。

うしほ屋 4代目・山口勝さん:
初代が歌を詠むのが好きで、そのときの源氏名(筆名)です

なるほど時代を感じるとともに、粋なネーミングだと思いませんか。

旨の刺しゅう「ふなじ」

さて店内を見渡すと、うしほ屋は和菓子店ですが、店内のショーケースのうち入口側にはケーキやシュークリーム、プリンアラモードといった洋菓子も並んでいます。

和洋両方を扱う菓子店だったのです。

洋菓子のショーケース

驚異の売上! 1日1000個売れる「生どら」

店の一番人気メニューを山口さんに聞いてみると、「生どら(172円)」でした。

うしほ屋 4代目・山口勝さん:
土日で一番売れる時で600個、お盆とかだと1000個超えたりします

さっそく「生どら」を食べてみることにしました。

ショーケースに積まれた生どら(172円)

生地も中の生クリームもふわふわ。口に入れると、生クリームがふっと消えてなくなってしまいます。

生地はどら焼きなので、和菓子と洋菓子を一緒に楽しんでいる感覚になりました。

この「生どら」は勝さんの父である3代目が開発したそうです。

うしほ屋 4代目・山口勝さん:
元々はケーキを始めた際に、どうしても余ってしまうクリームを使ったのが始まりです

さらに驚いたのは、3代目は元々は和菓子職人ではなくすし職人だったということ。すし店からうしほ屋に婿入りして菓子職人となったそうです。

3代目いわく、まんじゅうを包むのとすしを握るのは似ているそう。極めた職人にしかわからない感覚があるのでしょう。

季節を彩るメニュー「上生菓子」の世界

表の一番人気「生どら」を堪能した後は、別のおすすめ商品も教えてもらいました。

それがねりきりなど「上生菓子」と呼ばれる季節の和菓子です。ヒマワリやアサガオなど、季節を感じさせるモチーフの、見た目も楽しい和菓子。

上生菓子

夏らしい「すいか(270円)」のねりきりから食べてみました。白あんに色をつけ、少量の求肥を練り込んであるそうです。

こんなに種類豊富なねりきりを扱う和菓子店は珍しいそうです。

スイカのねりきり(270円)

4代目のおすすめは「花火(270円)」。中にはこしあんが入っています。見た目は芸術作品のようで、食べるのに勇気がいります。

こうした和菓子のデザインは、長い和菓子の歴史の中で生まれてきたものだそうです。

4代目のおすすめ「花火」(270円)

スイカは比較的新しいデザインで、4代目は他の店のインスタグラムを見て研究することもあるそうです。

歴史ある旧東海道の裏道で見つけた「うしほ屋」。大人気の「生どら」と、歴史ある芸術作品「上生菓子」、どちらも職人の技と心意気が感じられる逸品でした。

■店名 ふなじ うしほ屋
■住所 静岡市清水区興津中町385-9
■営業時間 9:00〜19:00
■定休 月・ほか月1回火
■問合せ 054-369-0341

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