目次
フリーアナウンサーのむかいさとこさんが実践している、緊張とうまく付き合い、それを「伝える力」に変えるための心と体のコントロール法があります。あがり症の人必見の実践的アドバイスです。

テレビ静岡で2025年5月25日に放送されたテレビ寺子屋では、フリーアナウンサーのむかいさとこさんが、緊張を前向きに捉え生かす方法について語りました。
「実はいま緊張しています」
フリーアナウンサー・むかいさとこさん:
実は私、今ものすごく緊張しています。でも、周りの人からは緊張しているように見えないとよく言われます。それは緊張を隠すことができる技を持っているからなんです。

緊張はどこに現れるかというと、心臓がドキドキしたりと“心”に現れます。そして体が震えたりと“体”に現れます。心をほぐしてあげると体は楽になるし、体をほぐしてあげると心が楽になる。
これをよく理解すると、自分の緊張をコントロールすることができるようになるんです。

緊張は責任感の証
お芝居を志して文学座に入った時に言われたんですが、「緊張は伝えるための責任を持っている証だよ、緊張したほうがいいんだよ」と。
緊張していいんだ、これが責任を持っているという事なんだと、自分で自分を褒めることができるようになった。緊張が嫌なものだと思わなくなりました。

物事は捉え方次第で変わるし、人によって違う。だからコミュニケーションは“競争”ではなくて、協力しながら奏でる“協奏”なんです。
相手の言ったことに共感することがとても大事です。そして、話をするときに自分が何を伝えたいのかという“意図”を明確にしておくこと。
意図がないと、誰かが見ていることに意識がいって、どんどん悪い方向に緊張が使われていくんですよね。「このことを伝えるんだ」という“意図”が定まっていると、緊張はどんどん緩和されていくんです。
緊張で固まった体をほぐす「こんにゃく体操」

意図が定まっていても、人から見られるとどんどん緊張してくる。心が緊張してしまったら、今度は体をほぐしていきます。
緊張するとどうしても肩が上がったり、眉間が閉じてきます。力を抜いて肩をグッと下げるだけで全然違う。そして眉間に窓があると思って、その窓をパッと開いてライトを当てるような、そんなイメージをして話すだけでも全然違います。

文学座で必ず習う「こんにゃく体操」という、本当に緊張がほぐれる体操があります。使うものは2つ、素直な心と重力を感じること。
どうやるのか。こんにゃくになったような気持ちで手をだらんと下げて、力を抜いてジャンプします。重力に自分の身を素直に委ねるというのがポイントです。体にかかる力がいっぺんに抜けるんですね。
私はアナウンサー試験の前でもトイレに駆け込んで、この体操をこっそりしていました。心のお守りなんです。10秒でも20秒でもしてみると、本当に体がほぐれて声も変わります。

緊張をパワーに変える習慣
緊張はしてもいい。一番大切なのは「伝える力」。物事を伝えたいわけです。なので、緊張を伝える力に変える方法を身につけておけばいい。
心と体をほぐすトレーニングを続けると、だんだん体が覚えて力の抜き具合がわかってきますよ。あらゆる場面で皆さんにも実践していただきたいなと思います。

むかいさとこ:大阪府出身。元福島テレビアナウンサー。俳優、ナレーター業のほか、講演や研修も行う。2013年、元小学校教諭の鹿島和夫氏と「あのね文庫 詩 コンクール」を立ち上げる。
※この記事は2025年5月25日にテレビ静岡で放送された「テレビ寺子屋」をもとにしています。
【もっと見る! テレビ寺子屋の記事】