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乳幼児教育の専門家・大豆生田啓友さんとタレントの平野ノラさんが語るハッピーな子育て。平野さんは娘の卒乳についてプレッシャーを感じたこともあったそうですが、そんな経験から得た子供のペースを尊重する大切さなど、親も子も幸せになれるヒントが満載です。

テレビ静岡で2025年5月11日に放送されたテレビ寺子屋では、玉川大学教授の大豆生田啓友さんとタレントの平野ノラさんが「あなたらしくハッピーに」をテーマに子育ての悩みや喜びについて語りました。
「わがまま」は自分らしさの表現
乳幼児教育の専門家・大豆生田さんと、タレントの平野ノラさんに、みなさんが元気に子育てできるヒントをもらいます。まず最初は、悩む方も多い「しつけ」について聞きました。

タレント・平野ノラさん:
しつけは難しいですね。私はかなり甘やかしていると思います。ご飯を座って食べないといけないけれど、なかなかできない。でも、保育園で一応座って食べているから「まあいいか」と、全部が全部百点にはしていません。
乳幼児教育の専門家・大豆生田啓友さん:
そんなにきれいに子供はコントロールできないので、様子を見ながら「こうかな、ああかな」としているぐらいがいいんだと思います。「わがまま」って「私のまま」、つまり自分らしくあるということです。

本来すごく大事なことで、自分のことをちゃんと受け止めてもらった子は、むしろ自分から切り替える力がつくようになっていくというのが発達の考え方です。好き勝手にさせたら、本当にもうとりとめもなく悪い子になっちゃうと思いがちですが、違うんです。
子供の「なぜ?」に向き合うことの価値
タレント・平野ノラさん:
最近娘が「なんで?」とよく聞くんです。理由を知りたがっていて、例えば「なぜ『早くして』って言われるのか」と聞かれた時に、「お仕事で遅刻しちゃうからちょっと早くしてくれたらすごく助かるんだけど」と答えると、案外やってくれたりするんです。しっかり向き合って説明した方が、結果早く進んだという成功体験でもありました。

乳幼児教育の専門家・大豆生田啓友さん:
保育士さんもそこを大事にするんですね。「先生、○○ちゃんにこれしてるから、いまあなたにはできないけど、このあとするね」って言ったら、わかってくれる子が多いです。大事なところですよね。
でも、親も毎日そんなに丁寧に見ていられない。「もういま無理」ってこともあるので、そういう時は「いま無理です」って言っちゃったっていいんです。親の状況も含めて子供はわかりますから。そんな程度でいいんですよ。

今の幸せこそが未来の幸せにつながる
次に平野ノラさんが、ハッピーな子育てのために大事にしていることを聞きました。
タレント・平野ノラさん:
娘のオリジナルペースをよく見て、それに合わせるということをしています。例えば3歳まで授乳していましたが、「まだあげてるの?」と周りからのプレッシャーがすごくありました。でも娘が欲しがっているうちはいいよね、と。

常に「何歳だから」とか「あの子はこれができる」とか、親は不安だから比べがちですけれど、我が子の成長をしっかり見る。そうすると親もそんなにしんどくないんです。
乳幼児教育の専門家・大豆生田啓友さん:
子育てでは「私だけうまくいってないんじゃないか」などと思いがちですが、多くの親御さんたちは本当によく頑張っていらっしゃると思います。専門家の私でもいっぱい後悔があるんですよ。

でも過去を振り返るよりも、いま目の前の子供と子育てしている私のハッピーを大切にする。ウェルビーイング、幸せであるというのは、いまが満たされているとその先の幸せが生まれてくるということですよね。
けれど先回りして「子育てはこうあるべき」、「ここまでにこうさせなければいけない」が強すぎちゃうとイライラします。子供も辛くなり辛い連鎖が起こってしまう。子育てには正解がないですから、ぜひいまのハッピーを大事にしましょう。

大豆生田啓友:1965年生まれ。青山学院大学大学院修了。専門は乳幼児教育、子育て支援。二男一女の父。
平野ノラ:1978年生まれ。2014年、バブリー芸人として大ブレイク。2021年に娘が誕生。一児の母。
※この記事は2025年5月11日にテレビ静岡で放送された「テレビ寺子屋」をもとにしています。
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