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あなたがまだ知らない「蓮華寺池公園」花だけじゃない! 古墳群と絶景の隠れスポット【藤枝】

四季折々の花が楽しめる蓮華寺池公園。サクラやフジの花が有名ですが、実は珍しい花木や古墳群など、知られざる魅力がたくさん。花だけでない、歴史ロマンまで感じられる散策コースを紹介します。

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珍しい花木との出会い

蓮華寺池と満開のサクラ
蓮華寺池公園(藤枝市若王子)

JR藤枝駅から車で十数分の場所にあり、住宅もそばにありながら自然がいっぱいの蓮華寺池公園。大きな池の周りには遊具や庭園があります。

蓮華寺池公園といえば、やはり四季折々の花々が魅力。サクラにハス、フジと、花々は蓮華寺池公園の代名詞です。

公園内を歩いていると、なじみのない「ジャカランダ」という木を見つけました。

ジャカランダの説明看板を読むにむらリポーター
にむらあつとリポーター

説明看板によると、南米原産のこの木は世界三大花木の一つとされているそうです。

6月頃になると青紫色の美しい花を咲かせるそうですが、面白いことに花が咲かない年もあるそうです。

毎年会えるとは限らない「ジャカランダ」の花

日本の気候にまだ十分に順化しきれていないのかもしれない、という説明でした。

「今年は咲くのか、咲かないのか」と、開花を楽しみに訪れるというのも一興です。

「ナンジャモンジャ」の名前の由来は?

さらに園内を進むと今度は「ナンジャモンジャ」という変わった名前の木に出会いました。

ナンジャモンジャの看板を見るにむらリポーター
また変わった名前の木が

こちらにも説明看板があり、名前の面白いエピソードが紹介されていました。

時の将軍がこの木の名前を尋ねた際、水戸光圀(水戸黄門)がとっさに「ナンジャモンジャの木です」と答えたところ、そのまま名前になったという説があるそうです。

にむらリポーター

にむらあつとリポーター:
へー! 思いつきで「ナンジャモンジャ」と答えたと。 水戸黄門も適当ですね

名前の由来は、諸説あります!

この木の本当の名前はヒトツバタゴといい、5月に白い小花を咲かせる落葉高木だそうです。

名前は変わっていますがかわいい花が咲きます

公園の奥の丘には、さらなる隠れた人気スポットがありました。

鮮やかに大輪の花を咲かせるその姿から「花木の女王」と呼ばれる「西洋シャクナゲ」です。

見事な花を咲かせる西洋シャクナゲ

西洋シャクナゲは山道沿いに約200本が植えられています。

古墳群へ 標高110mの歴史ロマン

丘から下ってきた人に、上には何があるのかと尋ねると、「頂上に古墳がある」と教えてくれました。

坂道を約15分ほど登ると、標高110mの丘陵地に広がる「若王子(にゃくおうじ)古墳群」に到着しました。

尾根沿いに28基もの円墳が密集して並んでいるのが特徴です。

若王子古墳群

1982年に発掘調査が行われ、その後広場として整備されました。

詳しい説明を聞くため、藤枝市文化財課の学芸員・岩木智絵さんに案内してもらいました。

藤枝市文化財課 学芸員・岩木智絵さん

緑が美しい散策路を歩いていると、岩木さんが「横に見えているのが古墳なんです」と教えてくれました。

思わず「え、これが?」と聞き返してしまうほど、見た目には何の変哲もない小さな丘です。

一見古墳に見えない古墳群
この小さな丘が古墳

こんもりとした盛り上がりの一つ一つが古墳なのだそうです。岩木さんがいなければ、きっと素通りしていたでしょう。

古墳の中を再現 変化した埋葬方法も見られる

古墳の中はどうなっているのでしょうか。

岩木さんは、古墳内部を再現した展示を示しながら説明してくれました。

再現された木棺
縦に長い木棺

4世紀末に造られた古墳には、木で作られた棺が使われていたそうです。

縦に長い棺の足元や頭の方には、副葬品を一緒に埋めていたと考えられています。また、木棺には排水溝の役割を果たす穴が開けられていました。

4世紀の木棺の再現
4世紀末の埋葬方法 排水溝の穴も見えます

その後、時代が進むにつれて、横穴式石室という石積みの部屋を設けて埋葬する古墳も、この「若王子古墳群」に見られるようになります。

では、この古墳に埋葬されていたのは誰なのでしょうか。

6世紀の埋葬方法

岩木さんによると、この時代は個人の名前まで特定できる資料はないものの、有力者だと推定されているそうです。

藤枝市文化財課・岩木智絵さん:
ここで出土しているものを見ると、銅鏡など有力者が持つようなものが出ています。古墳は小さいけれど、持ち物は良いものを持っているので、地域の有力な人だったと考えられています

藤枝市郷土博物館には古墳群から出土した勾玉などの玉類、武器などが所蔵されています。帰りに寄ってみてもいいかもしれません。

丘の上から駿河湾と伊豆半島を一望

古墳群を巡った後は頂上へ向かいました。

頂上に着いたにむらリポーター

志太平野と駿河湾、伊豆半島まで見渡せる絶景が広がっています。

天気が良ければ富士山も見えるビュースポットとして人気なんです。

頂上からの絶景
頂上からの絶景

この眺望の良さも、有力者の埋葬地として選んだ理由の一つかもしれません。

山頂まで登るのは少し大変ですが、歴史のロマンを感じながらこの絶景を楽しむ価値は十分にあります。訪れる際は、動きやすい服装をおすすめします。

四季折々の花々 ハスの花

四季折々の花だけでなく、古代のロマンを感じる古墳群や、丘の上からの絶景など、隠れた見どころがいっぱいの蓮華寺池公園。

ぜひ、あなたの目で見て、体験してみてください。

■施設名 蓮華寺池公園
■住所 静岡県藤枝市若王子474-1
■問合せ 054-643-3487(藤枝市 花と緑の課)

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