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【沼津・茶通亭】お茶の“生あん” 炊き込みご飯やスイーツに 老舗茶商の挑戦

創業100年を越える静岡・沼津市のお茶屋「茶通停」。従来の茶の販売だけでなく、料理に使える抹茶ペースト“生餡(なまあん)”など、独自のブランドを立ち上げています。

全国各地の隠れた魅力的な商品を集めたというAmazonの「日本ストア」で、静岡県のイイモノを検索。実際に現地を訪れじっくり検証してきました。

茶飯にラテに「日本茶ノ生餡」が便利

1909年に創業した茶通停。日本伝統の食文化・お茶をもっと気軽に楽しんでもらうためのブランド「おいしい日本茶研究所」を立ち上げて、お茶の新しいスタイルを提案しています。

テレビ静岡・小松建太 アナウンサー:
きれいな緑色で、香りも良いですね

茶通亭・代表取締役 植松崇宏さん:
当社の日本茶のペースト「日本茶ノ生餡(なまあん)」を使って炊いたお茶ご飯です。ペーストをご飯に混ぜて炊くだけで、きれいなお茶ご飯ができあがります

開発には苦労がありました。普通のお茶や抹茶でご飯を炊くと、熱で変色し、茶色くなってしまいます。

日本茶ノ生餡は特殊な技術を使い、加熱しても緑色のまま仕上がります。

茶通停・植松さん:
茶葉をまるごと使用して作っています。普通に煎茶で飲む際にはお茶には栄養成分が3割ぐらいしか出ず、7割くらいが茶殻に残ってしまうんです。それを余すことなく摂取することができます

小松アナ:
ペースト状だと茶飯以外にも使えそうですね

茶通停・植松さん:
スイーツやパンに使ったり、牛乳に溶かしてラテにしたり、アイスクリームにかけたり、いろいろな使い方ができます

茶文化を伝えるため 老舗店の挑戦

茶通停が「おいしい日本茶研究所」を立ち上げたのは2018年。

日本茶の伝統を守り、伝えていくためには、もっと日常にお茶を取り入れた文化を根付かせることが必要だと考えました。

茶通停・植松さん:
日本茶は産地や品種、育て方やブランドと、わかりづらいイメージを持つ方が多いと常々感じています。もっと若い世代にも気軽に日本茶を楽しんでもらえるように、パッケージのデザインなど商品開発を心がけてきました

小松アナ:
お茶のペーストは最初から作ろうと思っていたものですか

茶通停・植松さん:
お茶を飲むだけではなく、食の視点からも楽しんでほしいと考えました

目指したのは「食べるお茶」。商品開発の根底には長年培ってきた確かな技術がありました。

おしゃれで本格的なティーバッグ

次に取り組んだのは、今のライフスタイルに合った「オシャレで便利。さらに本格的なお茶」でした。

おしゃれな缶入りのお茶は、洋室に置いても合いそうなデザインです。

茶通停・植松さん:
中にティーバッグが入っています。普段、自然に使えるよう設計しています

小物インテリアとしても使えそうなオシャレな見た目に加えて、ティーバッグで入れるお茶も静岡ならではのこだわりの味です。

小松アナ:
おいしい、いい香りですね。ティーバッグは手軽さ優先のイメージが強かったんですが、本格的な味ですね

茶通停・植松さん:
このティーバッグは「かぶせ茶」を使っています。茶葉に覆いをかぶせることで、茶葉の色が出て、渋みが抑えられて甘味や旨味成分が引き立つ製法のお茶で、普段はティーバッグに使わないようなお茶です

手軽かつおいしいお茶。

いま茶通停が進めているのは、海外展開も視野に入れた商品開発です。

茶通停・植松さん:
お茶はすごく栄養が豊富な食材ですので、お菓子をはじめ「食べるお茶」をテーマに商品開発を考えています

小松アナ:
お茶のポテンシャルは現時点でどれくらい引き出せていると思いますか

茶通停・植松さん:
まだまだ我々の知らないポテンシャルを秘めていると思います。引き出せているのは20%程度。80%以上、未知の可能性が秘められていると思うので、見つけて伝えていく仕事をしたいと思っています

新感覚の日本茶。普段の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。

おいしさを損なうことなく、手軽さを実現した製品でした。「お茶を再び日本人にとって身近なものにしたい」という言葉は、長らくお茶と共に歩んできた静岡の企業だからこそ。重みを感じました。

テレビ静岡アナウンサー。スポーツを主に、静岡県内の取材を幅広く担当。TVer配信番組『おかずクラブのただいま日和』ナレーション担当。愛猫は9歳のハチワレ"だいず"と3歳キジトラ"でで"。