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焼津市民に愛されるご当地パンがあるという情報をキャッチしました。その名は「ウメパン」。焼津市民が熱愛している「ウメパン」の正体と、その理由を調査しました。
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「給食でお世話に」ウメパンの正体
まずはJR焼津駅前を行き交う人に、「ウメパン」と書いたフリップを見せて認知度を調査。
見せただけで即座にみなさん「あー、はいはい」と反応します。これは、驚くべき認知度でした。

ある高校生は「給食でお世話になりました」と懐かしそうに語ります。
また別の女性は「めっちゃおいしいです! おとといも食べました」とうれしそうです。

ウメパンとは、いったいどんなパンなのでしょうか?
聞き込みを続けていると、バスの運転手から重要な情報が得られました。実は「ウメパン」とは、市内にあるパン製造の老舗「梅原製パン」の愛称だったのです。

76年間変わらぬパッケージが醸し出す懐かしさ
さっそく調査のために、焼津市小川新町にある梅原製パンの工場を訪れました。
工場前には直売所「ちいさなぱんやさん」があります。

どこか懐かしさを感じさせるパンが、種類も豊富に並んでいました。
これらのパンのパッケージデザインは、創業以来76年間守り続けているもの。
昭和レトロブームに便乗したのではありません。そんじょそこらの「レトロ」じゃないんです。

この変わらぬデザインが、地元の人々の記憶に深く刻まれ、世代を超えて愛され続ける理由の一つかもしれません。
給食を通じて育まれる「ウメパン」愛
梅原製パンの仕事の9割は学校給食だといいます。
焼津市内外30校以上の小学校、中学校、保育園、幼稚園、そして3つの高校の売店にも納品しています。

パン箱には略して「ウメパン」と書かれているため、多くの市民にとって「ウメパン」は青春の味として記憶に残っているのでしょう。
もう卒業した人も、あの味をもう一度食べたければ、直売所に来ればいつでも味わえるわけです。
看板商品「チーズフレンチ」の魅力
お店の一番人気は「チーズフレンチ(1個 180円)」。
表面はサクッとしていて、中はもっちりとした食感が楽しめます。

食パンでクリームチーズをサンドし、上にはクリスピーな上掛け生地をのせて焼き上げていて、さまざまな食感を一度に味わえるんです。
伝統のレシピを守り続けるのは梅原製パン3代目の梅原達仁社長です。
梅原製パン 3代目・梅原達仁 社長:
受け継がれてきてるレシピがあって、それを変えないようにしています

ただし、チーズフレンチに使っている食パンは、実は先代に内緒で変えたそう。
梅原社長はおいしいパンへの探求心が旺盛で、ひそかに研究しているんです。

老舗3代目社長の新たな挑戦
最近は新たな挑戦を始めています。
月に1回「社長のきまぐれパン」として新作を販売しているのです。
お芋のクリームをデニッシュで挟んだパンや、季節のあんこを練り込んだマーブル食パンを、梅原社長の「趣味全開」で作り、販売したそうです。

最近は、創業当初から人気のメロンパンにグラニュー糖のじゃりじゃり食感が特徴のミルククリームを挟んだ「うめ~ロンパン」を作りました。
今後も焼津市民のみならず、パン好きは要チェックですね。

焼津市民の心と胃袋をしっかりとつかんで離さない「ウメパン」こと梅原製パン。76年の歴史を誇る老舗が、これからも地元の人々に愛され続けることは間違いなさそうです。
■店名 ちいさなぱんやさん(梅原製パンの工場直売所)
■住所 静岡県焼津市小川新町3-2-31
■営業時間 10:00~18:00
■定休 土・日・祝
■問合せ 054-628-5337
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