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外国人の名前が聞き取れないなら「なんと呼んで欲しい?」と聞こう 世界の“名前”は深い!【テレビ寺子屋】

人の名前にはそれぞれの文化が反映されます。名前を知ることは異文化を理解する第一歩。50年以上京都に住む米国出身の大学教授が、世界の人の名前を理解する極意を教えてくれました。

テレビ静岡で2月16日に放送されたテレビ寺子屋では、京都外国語大学教授のジェフ・バーグランドさんが日本と世界の「名前」文化について語りました。

世代や地域が違えば“異文化”

京都外国語大学教授・ジェフ・バーグランドさん:
「異文化コミュニケーション」と聞くと、日本人とアメリカ人がコミュニケーションを取る場合などが思い浮かぶのではないでしょうか。

文化が違えば常識が違います。でも、それは国と国との間だけではありません。世代や地域の違いなどでもさまざまな隔たりがあります。その2つの間に摩擦が起こると、「異文化コミュニケーション」の登場となります。

日本と米国で異なる名づけ

世界を見ると、「名前」に関する常識も異なります。

「名前」も文化のひとつです。多くの場合、日本人は名前に漢字を使います。漢字に意味があり、その漢字通りの生き方、人間になってほしいという気持ちを込めるからです。

英語の文字には意味がなく、私の名前「ジェフ・バーグランド」のジェフはどこから来たかと言うと、母が大好きだった「ジェフ・チャンドラー」という俳優の名前をとったんです。

僕は名前を聞かれたときにほぼ「ジェフ」と答えますが、実は親がつけたフルネームは「Jeffrey Lee Berglund」と長いのです。

「Lee」はミドルネームで、僕のおじさんの名前です。9割のアメリカ人はミドルネームを持っていて、親戚の名前を付けることが多いです。

「Berglund」はスウェーデン由来で、意味は「岡」「林」、日本人と同じように地形から取った名前ですね。やっぱり共通点もある。共通点を探していくのも違いを認めるのも、両方とも異文化コミュニケーションです。

呼んでほしい名前は2回言う

名前に関する文化はさまざまですが、大事なことは、国際社会の中で自分の名前が相手にどう伝わるかということです。おすすめするのは、呼んでほしい名前を2回言うことです。

例えば、「ジェフ、ジェフ・バーグランド」のように2回言うことで、「これが、私が呼んでほしい名前ですよ」と伝えるということです。

逆に、相手が名乗った際によく聞き取れない場合、どう呼んでほしいのか聞いてみてはどうでしょうか。

「What do you want me to call you?」と聞けば、相手は「○○と呼んでください」と分かりやすく教えてくれるはずです。

名前からわかる人の歴史

僕が一番好きなのが、アメリカ先住民の昔の名前の文化です。赤ちゃんが生まれ、みんなが「この子の名前はこれだな」と思ったとき、名前をつける。

例えば、生まれたときに満月が綺麗だ、すると「満月」という名前になるんです。

そして、何か出来事がある度に名前が長くなる。亡くなったときに名前を語ったら、その人の生き方が全部わかる。素敵な文化だなと思います。

自分の名前がどこから来たのか意識したことはありますか。京都の小学校では、小学生が自分の名前の由来について調べるという宿題があります。自分が家族の歴史の流れの中にいることを再確認できるということがすごくいいなと思います。

名前はその人のアイデンティティの一部です。自分の名前を大切にしてください。

ジェフ・バーグランド:1949年米国生まれ。高校教師歴22年と、大学の指導では30年以上のキャリアを誇る。50年以上京都に住み、京都国際観光大使も務める。専門は観光と異文化コミュニケーション。

※この記事は2月16日にテレビ静岡で放送された「テレビ寺子屋」をもとにしています。

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