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【菊川・和茶】茶畑に囲まれた大判焼き店 イチオシは白玉プニッと深蒸し茶あん

静岡・菊川市の茶畑が広がる一角にある「和茶(わちゃ)」。2022年のオープン以降、子供からお年寄りまで地域の人が気軽に立ち寄れる店として親しまれています。人気の大判焼きや、お茶処ならではの知らなきゃ損するサービスを取材しました。

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菊川の河城地区に“ワチャワチャ”した場所を

店の前は茶畑や田んぼ のどかな菊川市吉沢(河城地区)

JR菊川駅から車で東に5分ほど、静岡空港からは広大な茶畑を通り抜け車で20分ほど西に進んだ菊川市吉沢。

のどかな田園風景の中、お店の存在を伝える看板が見えてきます。

田園風景の中に突如現れる看板とのぼり 店の目印です

2022年11月にオープンした大判焼きの店「和茶」。

民家の一角に建てられたコンテナ造りのかわいらしい店舗です。

民家の敷地内に建てられた大判焼きの店「和茶」

店を営むのは、渡邊弘介さんと亜美さん夫妻。

夫の弘介さんはこの地区の出身です。この場所に大判焼き店を開業したのには、夫婦の地元への思いがありました。

店を営む渡邊弘介さん・亜美さんご夫妻

和茶・渡邊弘介さん:
前から夫婦2人で何かを始めたいと話していましたが、この地域(河城地区)にはお店が少ないので小さな子供から年配の人まで、手軽な値段で気軽に食べられるものは何かと考えて大判焼きの店を始めました

地域の人に憩いの場を提供したいという思いから始まった大判焼き店。

「和茶」という店名には「地元の人が集まりワチャワチャとした、和める場所になって欲しい」という願いや、この地域に広がる美しい茶畑のイメージが込められています。

目の前で焼きあげる 出来立ての大判焼き

大判焼きのメニュー 期間限定商品も味わえる

現在提供している、大判焼きは6種類。

・つぶあん 160円
・こしあん 160円
・クリーム 160円
・カレー 200円
・つぶチー 200円(期間限定)
・和茶 200円

大判焼きを焼いている様子

開業前、渡邊さん夫妻は近所の人たちに試作した大判焼きを配り、アドバイスを受けながら味を完成させていきました。

その時に地域の人たちからもらった、「おいしい」という言葉が自信につながったそうです。

大判焼きは毎日店舗で焼き上げていきます。

焼き上がっていく様子を見ているのも楽しい

お客さんが多い時には1日中焼きっぱなしになることもあるそうです。出来立てを味わえるのは嬉しいですね。

型に生地を流したらあんやクリームを置いてしばらく焼き、お店のロゴをかたどった焼印を打って完成です。

お店の焼印を打って完成

イチオシ 菊川茶の魅力引き出す大判焼き

イチオシは地元の菊川茶を使ったオリジナルメニュー「和茶(200円)」。数量限定です。

白玉が入っているため手に持つとなかなかの重量感があります。

オリジナルメニュー「和茶」(200円)

他の味の大判焼きとは違い、和茶には特別に菊川市のマスコットキャラクター「きくのん」の焼印が施されていて、地元愛が伝わってきます。

オープンから半年ほど経った頃、地元の人たちから「菊川茶を使った大判焼きがあっても良いのでは」と提案を受けたのをきっかけに誕生したメニューです。

菊川市マスコットキャラクター「きくのん」の焼印 重量感があります

店舗の脇には、買った大判焼きを食べられるスペースが設けられています。のどかな風景の中で食べる大判焼きはおいしそうだと思い、私も早速食べてみました。

一口で、お茶本来の心地良い渋みと、さわやかさが感じられました。白玉のほのかな甘さともっちり感が菊川茶のすっきりとした苦みと良く合います。

菊川産深蒸し茶のあんと白玉の相性が抜群

見た目の重量感に反して口当たりは軽やかで、食べだすと止まりません。

使用しているのは、菊川市の山本製茶が製造する粉茶。無糖の白あん・水・砂糖と一緒に煮詰め、菊川茶が持つ色の美しさや鮮やかさ、濃い香りが生きるよう、数グラム単位で配合を試し、ようやくあんが完成しました。

他のメニューも紹介します。1番人気の「クリーム(160円)」です。

一番人気「クリーム」(160円)

全体の売り上げの半分ぐらいを占めるほどの人気があるクリーム。他の味とセットで買っていく人が多いそうです。

食べてびっくり! ほおばった瞬間、たっぷりのクリームがあふれ、口の中で広がります。

どの味も軽い口当たり たくさん食べられます

クリームはすっきりとした甘さで、さわやかさすら感じます。これだけたくさんのクリームが入っていても最後までおいしく食べられるのは、さっぱりとした控えめな甘さのおかげ。舌触りもなめらかで、人気ナンバー1であることも頷けます。

そして、定番の「つぶあん(160円)」は小豆そのものの風味と甘さを味わうことが出来ました。

北海道十勝産の小豆を使った「つぶあん」(160円)

ほくほくとした食感で、最後まで小豆のおいしさを味わえます。

どの大判焼きにも共通しているのが、皮は薄く、どこから食べてもあんやクリームが口に入るほど中身はたっぷりだということ。

東京・板橋の「キノアン」(木下製餡)のあんこを使用

しかし、甘さは控えめでくどさが感じられず、どれもあっという間に食べきってしまうおいしさでした。ひとつだけ買っていく人もいれば、10~30個、お祭りの時には100個など、大量注文が入ることもあるそうです。

知らないと損する裏情報

菊川茶の無料サービス

店では、嬉しい菊川茶の無料サービスも。菊川茶のさわやかな渋みは大判焼きとよく合います。

お茶処ならではの、ありがたいもてなしです。

菊川茶の無料サービス

隠れ人気のロングポテト 

また、隠れた人気メニューの「ポテト(300円)」も販売中。とっても長いロングポテトです。大判焼きではなく、ポテトを目当てに来る人もいるそうです。

味は塩味とコンソメ味の2種類があります。

「ポテト」(塩味 300円) ※写真は塩味

冷凍保存ではなく店で生地を練り成型しているため、揚げ時間は90秒と短め。脂っこさがなく、時間が経ってもあっさりサクサクとした食感が楽しめます。

期待の新星「白い大判焼き」

さらに夏に期間限定で販売し好評だった「白い大判焼き(200円)」の販売を、平日に限って数量限定で再開しました。中は秋らしいモンブランクリームです。

販売を再開した「白い大判焼き」 画像提供:和茶
販売を再開した「白い大判焼き」 画像提供:和茶

大判焼きで地域に笑顔を

手軽に楽しめるメニューに良心的な値段、地元菊川茶のサービス。子供から大人まで、幅広い年齢層に親しまれる理由がよくわかります。

手軽に楽しめる大判焼きにポテト 菊川茶のサービスも嬉しい

2022年のオープンから2年。手軽に味わえる和茶の大判焼きは地元の愛されグルメに。

お年寄りがシニアカーに乗ってドライブスルーのように大判焼きを買っていったり、学校を終えた地元の子供たちが自転車や徒歩でお店に集まったりすることも。

同じ地域に住む母親から「子供たちの新たな居場所が出来て助かった」という声も届いているそうです。

店では妻・亜美さんが温かく迎えてくれる

和茶・渡邊亜美さん:
常連の方や初めて来てくれる方など、大勢の人がお店に来てくれるのがとても嬉しいです。これからはもっと多くの人に喜んでもらうため、積極的にイベントに参加したりキッチンカーを所有したりして、お店に来たいけど来ることが出来ない人のもとへも大判焼きを届けたいと思っています

オープンから2年 夫婦二人三脚

取材をしている間もひっきりなしにお客さんが訪れ、地域の人たちが渡邊さん夫妻との会話そのものを楽しんでいる様子がうかがえました。

辺りは茶畑に田んぼ。静岡ならではの光景が広がる菊川市吉沢にある「和茶」は、まさに”ワチャワチャ”と人が集う、地域の新たな憩いの場として愛されていることが伝わってきました。今後も和茶を拠点に、より多くの笑顔が広がることを期待します。

■店名 和茶
■住所 静岡県菊川市吉沢50-52
■営業時間 10:30~18:00 (土・祝 ~17:00)
■定休 日・月 臨時休業あり
■駐車場 あり
■問合せ 090-5105-2892

【もっと詳しくみる】
大判焼 和茶 公式ホームページ
大判焼 和茶 インスタグラム

取材/鈴木美花

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フリーアナウンサー 10年間長野県で局アナとして働いたのち、2024年夏、静岡県に戻ってきました。 久しぶりに過ごす静岡県は新鮮で魅力的です。再発見した地域の魅力を発信します。 静岡県掛川市出身。フリーアナウンサー事務所「舎鐘」提携アナウンサー。
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