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避難グッズは本当に役立つのか。子育て防災アドバイザーの筆者が、1泊の避難所体験に避難グッズを持参して参加しました。災害時には徒歩で移動することを考慮して、避難リュック1つと日常使いのカバン1つ。実際に役に立ったグッズはどれか、 検証レポートです。
やっぱり大事だった 基本アイテム
会場となった静岡・伊豆市の旧湯ヶ島小学校の体育館に、大人と子供合わせて30人の参加者が宿泊しました。
年齢は1歳から65歳までと幅広く、昼間はいくつかのワークショップを体験して、夕方には食事をし、夜9時に消灯です。
就寝は、行政の指定避難所で実際に使用されるタイプのパーティションか、もしくは各自で持参したテントか選べました。
筆者は、パーティションに一人で就寝しました。
当日の天候は大雨。最高気温は32℃超えでムシムシとした1日でした。蒸し暑いので窓からの風が入る向きにパーティションを設置しました。
基本アイテム1 スリッパ
体育館に到着して、最初に取り出したのがスリッパ。
体育館は見た目よりもずっと埃っぽくて、スリッパがないと、ほんの数分で靴下の裏は真っ黒に。
避難リュックの中では、すぐに取り出せるポケットなどに入れておくと、便利でしょう。
基本アイテム2 小さめのバッグ・ポーチ
たくさんの避難グッズを、1つの大きなリュックにどんどん詰め込んではいませんか。
トイレなど、ちょっと場所を離れるたびに、大きなリュックを持って移動するのはとても不便です。貴重品や最低限必要なモノだけを入れて移動できる、小さめバッグやポーチなどがあると便利です。
基本アイテム3 汗拭きシート・水なしシャンプー
避難所ではお風呂に入れないことも想定されますので、汗と埃でベタベタの肌を、簡単にさっぽりさせることができる「汗拭きシート」は嬉しいですよね。
夏でなくても、水害時には乾いた泥のパウダーが舞い上がって肌にまとわりつきますので、必須アイテムです。
お湯をわかしてタオルで体を拭くなどの対応も可能ですが、自由に使えるお湯がなかったり、使用後にタオルを干す場所がなかったりと、なかなか大変なのです。
基本アイテム4 アルミシート
体育館は天候によっては、夏でも夜間に意外と冷えます。
今回も寝付くまでは扇風機をまわしていたのに、夜中に寒さで目が覚めて、急いでブランケットタイプのアルミシートを広げました。念のために持っていてよかった1品です。
この日は持参の就寝グッズがなければ、パーティション付属の白い薄いシートのみで寝るところでした。
実際の避難所では、毛布などの配布がある場合ありますが、数が足りない恐れもあるので、自分自身で最低限の用意をしておくのが安心です。
最近は比較的シャカシャカとした音が静かなタイプもあります。
冬はダウンコートなどを着たまま寝るなどになると思いますが、余裕があれば寝袋を持参すれば安心です。
基本アイテム5 耳栓・アイマスク
今回は、子供が多い割にとても静かな環境だったので使いませんでしたが、もっと密度が高くて隣が近かったら、必要なこともあるのが耳栓・アイマスクです。
避難所は消灯後とはいえ、全ての電灯を消すことはありませんし、非常灯などが付いていると真っ暗にはなりません。
避難所でよく使われるパーティションには屋根がないことが多いので、真っ暗でないと眠れない方にはアイマスクは必須です。
基本アイテム5 モバイルバッテリー
スマホの充電のほかにも、ハンディ扇風機やミニランタンなど、小型家電の充電に大活躍です。災害時だけと言わず、いつでもフル充電で持ち歩きたい1品です。
今回のキャンプでは小型扇風機に使用しました。
基本アイテム7 ガソリン満タン
アイテムではありませんが、ガソリンも大事な備えです。
避難所に入れずに、やむを得ず車中泊をする可能性もあります。エアコンを使うにせよ、スマホを充電するにせよ、ラジオを聞くにせよ、ガソリンに余裕がなければ適いません。
気が利いてる便利アイテム
ほかの参加者の持ち物の中に、面白いアイテムがあったのでご紹介します。「コンパクト保冷保温コンテナ」は必需品とまで言えませんが、あったらきっと便利だと思うアイテムです。
容量は500mlのペットボトル4本入り。真空断熱構造の容器なので、保冷も保温も長持ちします。値段もお手頃なので、普段はキャンプ用品として重宝しそうです。
ただし、1泊だけの避難であれば温度もキープできそうですが、数泊する場合はかえって荷物になるかもしれません。ケースバイケースで賢く活用したい1品です。
自分だけの「お気に入り」をプラス
ストレスの多い避難所では、気持ちをリラックスさせてくれる自分だけの「お気に入り」もぜひ用意してほしい。
筆者は日常使いのカバンの中に、お口がスッキリするタブレットやキャンディーのほかに、いつもアロマスプレーを持ち歩いています。
できるだけコンパクトになるように、小分けにするなどの工夫を。スプレーは割れにくいプラスチック製です。
いかがでしたか? 災害用に用意しているアイテムたち、ひょっとして買ってからそのまま放置、なんてことにはなっていませんか。どんなアイテムでも、一度は実際に使ってみるのが肝心です。
これからの行楽シーズンに、アウトドアやお出かけ先で防災リュックの中のアイテムを試しに使ってみるのも、いい体験になりますよ。
取材/子育て防災アドバイザー・髙良綾乃
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