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抜群の透明度と雑味のなさから、数々のかき氷店に愛される氷「浜松純氷(じゅんぴょう)」。夏場には完成まで1週間以上かかることもある、手間隙をかけて作られる氷でした。
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浜松市浜名区にあるスイーツ店「シュガーポット」。かき氷の氷は口どけがよく、冷たくキーンとならない、優しい口当たりが特徴です。
使っているのは数々のかき氷店に愛されている氷「浜松純氷」です。
「他の氷とは全然違う」とお店の人も話す浜松純氷、おいしさの秘密を調査します。
向かったのは東名高速道路・浜松ICを降りてすぐ、浜松委托倉庫です。明治22年創業で倉庫業がメインの会社です。
15年ほど前に浜松市内の会社から製氷事業を引き継ぎ、氷作りをスタート。
以前は浜松地域で氷を作っている会社はたくさんありましたが、現在、浜松では浜松委托倉庫だけです。
いったいどのように作っているのでしょうか。工場内を見学させてもらいました。
伏流水を混ぜて不純物を減らす
角氷室と呼ばれる部屋にやって来ました。角氷とは、製氷会社が作る大きな氷の塊のことです。
床の下に眠っているという角氷。ふたを外してもらうと、凍らせている最中の角氷がありました。
浜松委托倉庫・新田栄子さん:
この部屋には10本入りが14列あり、全部で140本作れます
空気を送り込むと、水に含まれる不純物をさらに減らすことができ、透明度の高い氷を作ることができます。
浜松純氷に使うのは、地下から汲み上げた天竜川の伏流水。硬度が低く不純物が少ないので、氷作りに適しているそうです。
別の列には食用ではない氷がありましたが、白い部分(不純物)が混じっており、違いがよくわかります。
短時間で凍らせると不純物を含んだまま固まってしまい、白くにごった氷になります。
時間をかけて固めると、氷は外側からゆっくり凍り始め、中心に残った水には徐々に不純物が集まってきます。
中心に残った水が凍る前に新しい水と入れ替えることで、不純物を減らしより透明度の高い氷にします。
不純物を減らすことによって透明度が高く、硬く溶けにくい氷を作ることができます。
一般的には48時間以上かけて作る純氷ですが、浜松委托倉庫では96〜120時間かけて氷を固めるそうです。
浜松委托倉庫・新田栄子さん:
全国でもこれだけ時間をかけるのはうちくらいだと思います
夏場は完成までに1週間以上かかることもあるそうです。
完成品は用途別に加工
完成した浜松純氷は、工場内でいろいろな商品に加工されます。
専用の機械で削り取り、完成したのは「丸氷・大(直径65mm)」。お酒を飲むときにぴったりの丸氷(まるごおり)は、12個で1200円です。
溶けづらい浜松純氷を使えば、ゆっくりじっくり飲み物を楽しむことができます。
商品は他にも。「ソーラーアイス・プレート 1.8kg(320円)」は夏のレジャーに最適。クーラーボックスに入れておけば、通常の氷よりも長持ちします。
飲み物に入れたり食べ物を冷やしたり、何にでも使える万能な「ソーラーアイス・砕氷 1.2kg(280円)」もあります。
後ろが見えるほどの透明度
そして「かき氷用 3個入り(1500円)」。
雑味がなくまろやかで、かき氷のおいしさを最大限引き立たせます。特別にできたての氷でかき氷を削ってもらいました。
氷の匂いがせず、シロップだけが香り、かき氷のおいしさを引き立てます。
口溶けの柔らかさも一味違うかき氷でした。
抜群の透明度と雑味のなさが特徴の浜松純氷。まさに純氷という言葉がぴったりな、唯一無二の氷でした。
■店名 浜松委托倉庫 流通元町コールドセンター
■住所 浜松市中央区流通元町20-1
■営業時間 月~金8:00~17:00 土8:00~15:00
■定休 日・祝
■問合せ 053-421-6672
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