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子育て防災アドバイザーがやる“ふだんの防災” 「巨大地震注意」まずコレ!【まとめ】

「巨大地震注意」が発表されました。普段の生活をしながら改めて防災対策の確認を、と言われても何をしていいのか。そこで、これまでに掲載した子育て防災アドバイザーの髙良綾乃さんの記事の中から、役立ちそうな情報をピックアップしました。

スマートフォンの充電

まずは最も身近なスマーフォンについて。「常に充電」、そして「予備バッテリー・ケーブルの準備」をしましょう。

2023年5月11日掲載「他県の地震にドキっ!としたら 防災士が厳選 あなたも今すぐできる3つの備え」より)

子育て防災アドバイザー・髙良綾乃さん:
情報を得るための最も身近なアイテムは、自宅であればテレビやラジオかもしませんが、外出先ではスマートホンや携帯電話になるでしょう。

そんな時に、スマホの充電がなくなりそうだったら、どれほど心細いか想像してみてください。

「スマホの充電は、1日が終わって帰宅した後に」という人もいるかもしれませんが、なるべく常に充電されている状態をキープできるように習慣づけておくといいでしょう。

そのためにも、車内で走行中にいつでも充電できるケーブルをそろえたり、念のための予備バッテリーが常備できていれば、なお心強いです。

車は第2の避難所

車をお持ちの方は、車の中の防災対策をしましょう。なぜなら車は「第2の避難所」と言われるほど災害時に頼りになるからです。

2023年5月11日掲載「他県の地震にドキっ!としたら 防災士が厳選 あなたも今すぐできる3つの備え」より)

子育て防災アドバイザー・髙良綾乃さん:
最寄りの避難所までの移動は原則「徒歩」です。ならば、車のガソリンは関係ないと思いがちですが、実はそうではありません。車は第2の避難所と言われるほど、災害時には有用です。

・雨風をしのげる
・施錠できプライバシーを確保できる
・シートが柔らかい
・備蓄できる

さらにガソリンが補充されていれば、避難場所として充実します。

・移動できる
・スマホを充電できる
・ラジオを聞ける

特に避難所が遠い場合や、乳幼児がいて避難所で過ごすことに迷いがある方は、「とりあえずの避難先」として最適です。車を小さなプライベート避難所と想定して、防寒具や着替えなど、最低限の車載備蓄をしておきましょう。

ただし、長時間シートに座りっぱなしだとエコノミー症候群になる恐れがあるので、定期的に体を動かす、しっかり水分を補給するなどを心掛けましょう。

海のレジャーの心構え

夏休み中ということで、レジャーの予定を立てていた人もいるのではないでしょうか。計画を延期すべきか迷っているかもしれません。ただ、そもそも南海トラフの巨大地震はいつ来てもおかしくない状況です。海で地震に遭遇したときの心構えを振り返ります。

(2023年12月6日掲載「数十cmの津波は危険? 今だからキッチリ知りたい『津波注意報』」より)

子育て防災アドバイザー・髙良綾乃さん:
その1)レジャーのときも、天候や地震の情報をキャッチできるように備えましょう。
海にでかける際には、スマートフォンやラジオなどで津波情報をキャッチできるようにしておきましょう。また、津波を知らせるサイレンや津波フラッグにも注意しましょう。

ただし、地震を感じた場合は、誰かの指示を待たずに自分の判断ですみやかに避難しましょう。

その2)ライフジャケットを着用しましょう
波に巻き込まれてもライフジャケットがあれば、浮かんで救助を待つことができるかもしれません。マリンレジャーの最低限の装備として、常にライフジャケットは着用しましょう。

でも、そうならないようにすみやかに避難することがもちろん肝心です。

その3)引き潮を待たずに避難を開始しましょう。
よく「津波の前には引き潮になる」といった話を耳にしますが、必ずしもそうではありません。2003年十勝沖地震のときも、2004年スマトラ沖地震のときも、潮が引くことなく突然大きな津波が押し寄せています。

「潮が引かないから津波は来ない」と間違った判断をしないようにしてください。

その4)津波が来た後も海岸付近には戻らないようにしましょう。
津波は何度もくりかえし押し寄せます。また第一波が最も大きいとは限りません。津波注意報や津波警報が解除になるまでは、決して海岸付近に戻らないようにしましょう。

その5)「空振り」という概念を捨てましょう。
「避難しても何事もなかったら空振り(損をする)」という発想はやめましょう。何事もなければ、それはそれでよかったことですし、そう思えるのも命があるからです。子供は大人の行動に影響を受けます。あなたが避難の大切さを、行動をもって教えてあげてください。

子供を守る防災対策

夏休み、子供は家にいるかもしれませんが、片時も離れないでいるのは困難です。習い事に行く、遊び場に行く、そんな時に役立ちそうなのは新入学児童を災害から守るための通学路チェックの方法です。「学校」を「夏休みの子供たちの立ち寄り先」に置き換えて読んでみてください。

(2024年3月25日掲載「【新入学】保護者必見! 離れていても災害から子供を守る“3つのチェックポイント”」より)

子育て防災アドバイザー・髙良綾乃さん:
その1【歩いてチェック】通学路に危険はないか?
最低限、把握しておくべきことは、自宅~学校までの「ルート」と「子供の足での所要時間」です。

親が一緒の時には自家用車で登校する、というご家庭でも、一度は確認の意味で子供と同じ手段で移動してみてください。

徒歩なのか、路線バスなのか、電車なのかによっても対策は異なりますが、多くの場合は「徒歩」ですね。

できれば入学前、もしくは入学後の早い段階で、子供と一緒に通学路を歩いて、危険箇所の確認、子供の足での所要時間の把握、安全な場所、迂回ルートなどの確認をしましょう。

まずは、どんな危険があるのかを見つけながら、そこから離れることを教えましょう。

<ここが危険!>
●倒れそう =高い塀や、自動販売機、倒れそうな木
●落ちてきそう =瓦や室外機、看板
●感電 =切れた電線

こういった場所は危険なので、離れるように伝えましょう。

危険箇所の確認と同時に、安全箇所の確認もしましょう。

<ここが安全!>
●コンビニなど店舗やマンションの駐車場、公園・公民館など広い場所
●信頼できる大人がいる場所(かけこみ110番の店舗など)

公園や駐車場などで一時的に危険を回避し、周囲の人たちと一緒に余震が落ち着くのを待つのもひとつの方法です。

ただし、海に近い津波の浸水想定エリアの場合は、迷わず高い建物か、高台へ避難することを伝えておきましょう。

次に、子供の足での所要時間を把握しましょう。

そうすれば、GPSを持っていなくても、自宅を出た時刻や、学校の終了時刻から計算して、子供が今いる場所のおおよその見当をつけることができます。

掃除をしながら家の中をチェック

多くの時間を過ごす家の中の対策は、掃除をしながら“ついでに”やりましょう。「大掃除は『防災対策』のチャンス!」から一部を紹介します。

(2023年12月26日掲載「大掃除は『防災対策』のチャンス! 一度にできる簡単テクと非常食レシピ」より)

ガラスもシートもたっぷりと濡らすとうまくいく

子育て防災アドバイザー・髙良綾乃さん:
1.窓ふき×飛散防止
窓をきれいに拭いたら、せっかくなので飛散防止フィルムを貼りましょう。

既にフィルムを貼ってある場合でも、フィルムの使用期限は5~10年です。貼ってから年数がたっている場合は貼り替えが必要です。

2.食器棚掃除×すべり止めシート
食器をすべて棚から出して、拭き掃除をしたら、食器を戻す前にすべり止めシートを敷きましょう。

100円ショップのかごに小皿をまとめて、かごを耐震ジェルシートで棚に固定するという技もあります。

さらにはこの機会に、使用頻度の低い食器は思い切って手放すというのもアリです。モノの数が減れば、それだけ割れるリスクも減るのです。

小さな器はかごにまとめて 耐震ジェルシートで飛び出し防止

3.廊下と玄関掃除×避難経路の確保
地震で廊下や玄関にモノが散乱すると、避難経路をふさいだり、転んだりする恐れがあります。

そうはいってもスリッパや傘など、日常的に使うものをすべてしまい込んでしまうと不便ですね。そんなお悩みを解決してくれるのが「浮かせる収納」です。

我が家では傘は最小限の本数にして、子供のおもちゃと一緒に壁にかけています。マグネットでドアに張り付けるタイプの傘立てもオススメです。

スリッパは壁掛けのスリッパラックへ。浮かせておけば、掃除機など日頃の床掃除も楽になります。

来客用スリッパも床置き収納ではなく、かごにまとめて浮かせる収納が便利。避難経路ではない場所がいいでしょう。

傘は最小限の本数に

やらないで!「風呂に水をためる」

(2023年5月11日掲載「他県の地震にドキっ!としたら 防災士が厳選 あなたも今すぐできる3つの備え」より)

やらないでほしいのは、とりあえずお風呂に水をためることです。断水時に生活用水に困らないように、風呂に水をためるのは災害対策としては間違ってはいませんが、環境によってはダメな場合も。

<風呂に水をためない方がいい家庭>
・小さな子供がいる家庭
・庭など水を捨てられる場所がない家庭

小さな子供が溺れる事故は、海や川だけでなく家庭内でもおきています。子供はわずか数cmの水でも、おぼれることがあります。また地震で排管に損傷の恐れがある場合、水を流すことができません。つまり、せっかく生活用水を確保しても、トイレも台所も水を流すことができず、浴槽の大量の水を持て余すことになります。

そんな中で余震が起こると、水があふれ損傷した排管から流れ出て、マンションなどの場合、階下に漏れ出して、時には賠償問題になることもあります。

生活用水を確保しておきたい場合は、ポリタンクやバケツにしましょう。

ポリタンクは、断水した際に、給水車から水を受け取るときにも必須です。被災地ではすぐに不足する必須アイテムなので、日頃から常備しておきましょう。

髙良綾乃:子育て防災アドバイザー/ふじのくに防災士。小学生の子を持つ現役ママの視点で、防災を身近に親しみやすく伝えています。

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