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静清バイパスから見える山中の“青い屋根”を調査 33世帯の大木さんが守る寺でした【清水区】

静岡市葵区から清水区に車を走らせていると山の中腹にポツンと見える青い屋根。気になって調べてみると、徒歩で山を登るしか行き着けない歴史ある寺でした。

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管理しているのは街中にある別の寺

バイパスを静岡側から清水側へ車を走らせる

今回のミッションは静岡市清水区の山の中腹。静清バイパスから見える青い屋根の建造物を調査します。

小倉彩瑛アナウンサー:
見えてきました、山の中腹ぐらいに青い屋根が見えます。存在感があって気になりますね

地図で調べてみると「霊山寺(れいざんじ)」という名前が出てきました。

山の中腹に屋根がぽつんと見える

早速、地元のするが企画観光局へ問い合わせてみました。すると霊山寺は静岡市葵区にある音羽町駅の近くの清水寺で管理をしている、ということでした。

清水寺は以前、清水山公園の由来を調べた際に榎本宏純住職のお世話になりました。

しかし、この日は年に一度の清水寺の例大祭。ということで、榎本住職に頼もしい助っ人を紹介してもらいました。

テレビ静岡・小倉彩瑛アナウンサー

檀家はみんな「大木さん」

現地に向かうと待っていてくれたのは、檀家の3人です。

代表の大木章裕さん、世話人の大木正美さん、大木徳寿さん。3人とも大木さんですが、親戚でしょうか。

霊山寺檀家 大木章裕さん:
檀家全員が大木なんです

檀家のみなさん 全員が「大木さん」

墓石を見てみると、どれも大木姓です。33戸の檀家が全員大木さんということで、霊山寺は大木一族が守ってきた寺だそうです。

寺までは徒歩で山道を登るしかなく、あの青い屋根は寺の本堂。手前に見えるのが山門だという事も分かりました。

本堂までは「六丁目」

霊山寺までは駐車場から15〜20分ほど。

道の横に川が流れているので涼しい風が吹きます。

すると「一丁目」と書かれた石を見つけました。本堂までは六丁目まであるそうです。

当役(代表)は週1回のペースで様子を見に本堂まであがります。

暴風雨の後も必ず登って見に行かなければならないそうです。

本堂までは六丁目

しばらくすると、今度は「仁王の力石」と呼ばれる石が道の真ん中にありました。

踏むと力が出て足も丈夫になるという言い伝えがあります。

小倉アナも足を置いてみた

仁王像を人力で搬出

地元の方ならではの見どころも聞きながら、約20分で山門に到着。

国の重要文化財「仁王門」は、その立派さにため息が出ます。

1516年、室町時代に建てられた門で、仁王像2体は現在修復に出されていて不在です。

完成予定は2024年10月頃ですが、車道がない寺まで大きな像をどうやて戻すのでしょうか。

2023年に搬出した時は人力だったそうです。静岡市の山岳連盟のメンバー15人がかりで、2時間以上かけて下ろしたそうです。

完成の暁にはまた人力で山門まで上げなければなりません。

本堂の中が圧巻

さあ最後に目指すは青い屋根の本堂。山の中腹でひときわ目立っていた立派な建物、737年創建の古刹、霊山寺です。

霊山寺 本堂

本堂の前からは、最初に青い屋根を見つけたバイパスがしっかり見えました。東名高速道路や新幹線からも見えるそうです。

今回は特別に本堂の中へ入らせてもらいました。

「二十八部衆」と呼ばれる仏像が静かに私たちを見つめています。

真ん中の扉の中にはご本尊「千手観世音菩薩立像」が安置されています。

奈良時代の高僧「行基(ぎょうき)」の作と伝わり、普段はお目にかかれない秘仏。

檀家のみなさんは目にしたことがあるということですが、手前に立つ千手観音のようだったそうです。

中央の扉の奥にご本尊が

檀家・大木正美さん:
ここまで険しい山を登ってこなくてはならない場所なので、檀家が高齢になり、これからどう寺を守っていくか知恵を出し合って考えていくしかないと思っています

檀家・大木章裕さん:
自分の子供たちにまで伝えていきたいですが、若い人たちはお寺に見向きもしてくれない状況があるので、認知してもらうのが自分たちの仕事ではないかと思っています

青い屋根の霊山寺は、檀家の大木家が大切に守ってきた寺でした。参道はハイキングにもおすすめです。

■スポット名 鷲峰山 霊山寺
■住所 静岡市清水区大内597

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