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J2リーグは2月24日に開幕戦を迎える。
2023シーズンは12位で、2年目のシーズンにJ1昇格を目指す藤枝MYFCのキャプテン・杉田真彦 選手にチームの状態などを聞いた。
杉田選手は2023シーズン、ケガでリーグ戦の大半を離脱していて、2024シーズンに懸ける思いが人一倍強い。
頼れる主将が大ケガで戦線離脱
-開幕まであと4日。チームの雰囲気は?
杉田真彦 選手:
すごくいい雰囲気で練習も試合もできている。それぞれの選手が自信をもって開幕を迎えられると思う
J2昇格を決めた時、杉田選手は「藤枝というクラブは選手だけでなくサポーターや本当に多くの熱いサッカーファンのおかげで、J2昇格を勝ち取れたと思います。J2に行っても変わらぬ熱い声援をよろしくお願いします」とサポーターに感謝した。
藤枝MYFCを初のJ2昇格に導いたキャプテン・静岡市出身の杉田真彦選手(28)。
ポジションはミッドフィルダー。
チーム屈指のスタミナで1試合通じて走り切り、味方のチャンスを演出する。
得点力も兼ね備えミドルレンジからでも強烈なシュート決める、藤枝の超攻撃的サッカーに欠かせない選手だ。
しかし2023シーズンは5月の試合で靱帯断裂の大ケガをしてシーズン半ばで離脱した。
初挑戦だったJ2の試合の半分以上をピッチの外から見つめながらも懸命のリハビリを続けた。
リハビリ中に取材すると杉田選手は「やることをやらないと。1日も無駄にできないという感覚。自分で前に進んでいる感覚を持てているのが一番 成長につながると思っている。良いですね、順調だと思います」と答えていた。
3年連続で主将 監督「お前らしくやれ」
そして2024年1月に復帰し、練習試合でも軽快な動きを見せていた。3年連続のキャプテンに就任し、新たな決意でリーグ開幕を迎える。
杉田選手は「2023年、サッカーをしていない自分に主将を任せていただいて、自分に期待したい部分もある。J1昇格を目標に掲げているので、そこを達成するためだけに頑張りたい」と、人一倍強い 今シーズンにかける思いを語る。
-2023年はどんなシーズン?
杉田真彦 選手:
13試合しか出られず悔しいシーズンだったが、サッカーをできない期間に自分を磨くことができたと思っている。今は順調に治って試合にも出してもらえているのでうれしい
-ケガで外から見ていて、ピッチに戻ってきて感じることもあるのでは?
杉田真彦 選手:
2023年、1年間J2で闘い抜いた選手たちの自信にあふれるプレーやチームメートは1年を通して相当成長しているので頼もしいと思う。自分は1年やってないので、このレベルの差を早く埋めなければと感じた。1年前は何もないところでJ2初挑戦、夏に研究されて勝てない時期もあったが、2024年は1年間闘った経験があるので、最初からその対策をして挑めるので、そこは自信をもっていきたい
-ケガをしたのは清水とダービーの直前で悔しかったのでは?
杉田真彦 選手:
本当に悔しかった、出たかった思いが強かったので。サポーターもチームメートも、どんな時でもそばにいてくれる存在なので、本当に励まされ「また頑張ろう」という気持ちになった
-キャプテンとして須藤監督からはどんな注文を?
杉田真彦 選手:
試合前に補食を食べていた時に監督から「2024年もキャンプテンな。変わらずお前はお前らしくやれ」と言われた
努力の人が後輩に贈った言葉
杉田選手のこれまでのサッカー人生はケガだけでなく決して順風とはいえない。
まず、最初の試練が小学生の時。エスパルスのセレクションで早々に落ちてしまう。5次試験まであったのに2次試験で脱落。
しかし、大学では全国屈指の強豪・順天堂大学に進学し、全国から選手が集まるレベルの高い環境の中、レギュラーを勝ち取る。
ただ、大学在学中にプロ選手にはなれずアマチュアリーグに進む。
ここでも諦めなかった杉田選手は2年間プレーし、2020年に当時J3の藤枝MYFCに加入してプロ選手の夢を叶えた。
杉田選手はJ2昇格を決めた2022年には母校の県立静岡西高校訪れた。後輩たちを前に語ったのは「努力の大切さ」だった。
杉田選手は「今回、僕はJ2昇格という目標を果たすことができましたが、たとえその目標が叶わなかったとしても後悔はなかった。それだけの努力はしてきた。どんな夢を選んでも、その夢に向かって努力し続けること」と後輩たちにアドバイスした。
そして「たとえその夢が叶わなくとも、自分のやってきたことは必ずいつか何かの役に立ちます。そして自分の価値に、財産になると思っています」と続けた。
夢を目指すその過程に価値があるということだ。
杉田真彦 選手:
結果はわからないものなので、それまでどれだけ自分を信じてやれたかが大切にしているとことなので、それを伝えたかった
より攻撃的に、もっと攻撃的に
藤枝MYFCは2月24日にホームで長崎との開幕戦を迎える。
中島大嘉 選手や浅倉廉 選手など10人が新たに加わり、2023シーズンの12位からJ1を目指す。また、スタジアムの座席工事も完了し、1万人の収容が可能になった。
杉田真彦 選手:
やはり違いますね。あそこに観衆が入ったらもっと良い雰囲気になると思うので早くやりたい。2024シーズンは相当期待されていると感じるが、あまり気にしすぎず、まずは自分たちのプレーをして結果がついてくればいいと思っている。須藤監督からは「より攻撃的に、もっと攻撃的に」と言われている
-新戦力を迎えチームの雰囲気は?
杉田真彦 選手:
新戦力は個性があって楽しいメンバーがそろっているので。中島選手は足も速いし、前にいてくれると頼もしい。パスを出せば決めてくれるのではと期待がもてる選手。浅倉選手もめちゃくちゃうまい。最年長の梶川選手も経験を伝えてくれる大黒柱です
超攻撃的サッカーに磨きをかけ、藤枝MYFCは2年目でのJ1昇格をめざす。
24日の開幕戦でスタジアムに1万人を集客するため、選手たちも懸命だ。
20日には浅倉廉選手、芹生海翔選手、中島大嘉選手の他、藤枝MYFCのフロントスタッフやサポーター、それに市役所職員が藤枝市内の商店街などを回り、ポスターやビラを800枚ほど配布した。
選手とサポーター、それに地元の街が一体となった藤枝MYFCの今シーズンの活躍に注目だ。
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