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静岡市清水区に位置する浜石岳に登ってきました。低山ながら、山頂からは驚くほどの絶景を見渡せます。浜石岳無料駐車場から登れば45分ほどで到着できるのも魅力です。
浜石岳ってどんな山?
浜石岳は静岡市清水区由比の北端にある標高707mの山です。子供時代を静岡市で過ごした方であれば、小学校の遠足などで登ったことがあるかもしれません。
1991年に刊行された「静岡の百山」(静岡百山研究会編集/明文出版社)にも掲載されていて、知名度はかなり高め。低山登山をはじめたころから登ってみたいと思っていた山の一つです。
さて浜石岳への道のりですが、王道は由比駅や由比港から歩くルートです。その場合の山頂までの所要時間は約3時間、往復で6時間ほどかかります。低山登山初心者&日ごろ怠惰な生活を送っている筆者にはとても無理!
ということで今回は、浜石野外センター手前にある浜石岳無料駐車場からスタートする、お手軽ルートを選びました。
●今回の低山登山DATA
登った山:浜石岳
標高:707m
タイム:約1時間56分
距離:約3.6km
標高差約240m 傾斜ゆるめ
浜石岳の山麓・由比阿僧に野外宿泊体験施設「浜石野外センター」があります。浜石野外センターの少し手前にある浜石岳無料駐車場から今回はスタートです。
ちなみに、浜石岳無料駐車場までの道は道幅が狭く、すれ違いが難しい箇所も。大型車でのアクセスはおすすめできません。なお、浜石岳無料駐車場を下ったところに公衆トイレがあります。また、山頂付近にも仮設トイレがあります。どちらも無料で使用できるので、いざというときは安心です。
浜石岳の標高は707mですが、登山アプリによると浜石岳無料駐車場から山頂までの標高差は240mほど。
スタートしてしばらくは、ゆるやかな上りが続きます。初っぱなに階段や勾配きつめの坂道があると、とたんに息が上がってしまう筆者にはありがたいかぎり。
初冬の山の空気をからだいっぱいに吸い込みながら進みます。
名残の紅葉に見守られ
5分ほど歩いたところで開けた場所に出ました。
「三本松広場」です。休憩にぴったりのスペースです。
駿河湾と富士山を眺めながら水分補給をすませたら、アスレチック遊具がある方向へ。
アスレチック遊具の下を通って浜石野外センターのスポーツ広場を抜けると、「キャンプサイト」と書かれた看板が立つ道があります。ここから再び登山道になります。
落ち葉を踏みしめ進みます。
落ち葉が積もった箇所はわりとすべりやすいので、注意が必要です。
三本松広場から約25分、浜石岳山頂と、薩埵峠への分岐に出ました。ここから山頂までは約15分。もうひと踏ん張りです。
人気に納得! 360度の大パノラマビュー
駐車場から約45分、ふと視線を上げると青空が見えました。もしやあそこが頂上では?
はやる心に反比例して足の運びがスローなのがもどかしいのですが、ちょっとずつ進むと、あれはもしや!?
山の上に富士山。なかなか見られない構図に、ちょっと興奮してしまいました。
頂上につくと、富士山がどーんと出迎えてくれました。
これこれ、この景色が見たかったんです。
眼下には清水の街並みに三保半島、駿河湾越しに伊豆半島がくっきり見えています。
北を向けば雪をいただいた南アルプスの姿も。すぐ近くにいた登山客のグループが「北からの冷たい風を、あの南アルプスがさえぎってくれているんですよ」と話をしていました。
時刻はちょうど昼時。ベンチやテーブルもあるので、みなさん思い思いに360度の大パノラマと山ごはんを楽しんでいます。筆者も持参したおにぎりをいただきます。食後には熱いコーヒーを1杯。なんともぜいたくなひとときです。
ちなみに山頂のすぐ近くにも駐車場があります。手っ取り早くパノラマビューを楽しみたいという方は、車でアクセスするのもおすすめです。
レベルに合わせて選べるルート
帰りは林道を通って下山しました。舗装された道をほぼ下るだけなのでラクチン。
30分ほどで無料駐車場に戻ってきました。
浜石岳は、浜石野外センター手前の浜石岳無料駐車場からスタートすれば、1時間もかからず山頂に到着できます。そして山頂では、1時間弱の山登りの対価としては大きすぎるほどの、すばらしい景色に出会えます。
由比駅や由比港から歩いたり、薩埵峠を経由したりと、ルートを変えれば登山初心者から中級者まで楽しめるのも、浜石岳の人気の理由なのでしょう。登山後には名物のサクラエビを食べたり、由比宿を観光したりするのもおすすめです。
「来年こそ低山登山をはじめてみたい」と思っている方、浜石岳でデビューを飾ってみてはいかがでしょうか。低山登山にはまってしまうことうけあいです!
!CAUTION!
◎各所に案内看板がありますが、道迷いの可能性がまったくないわけではありません。特に分岐では、地図や登山アプリなどでルートを確認するのを忘れないようにしてください。
◎低山とはいえ、山は山です。適切な服装と装備で楽しんでください。
◎時期や天候によってコースの状況が変わっている可能性があります。インターネットなどでできるだけ最新の状況を確認するようにしてください。
◎静岡県全域でクマの目撃情報が相次いでいます。低山でも油断せず、クマ鈴、クマ撃退スプレーを携帯しましょう。
取材/小川結子
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