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勝負のパリまであと1年 車いすラグビー・若山英史 選手 人生の伴侶を得て挑む4度目のパラ五輪 静岡

2024年8月28日の開幕まで1年と迫るパラリンピックパリ大会。車いすラグビーで4大会連続出場を目指しているのが静岡県沼津市出身の若山英史 選手(38)だ。東京大会・リオ大会といずれも銅メダルを獲得しているが、さらなる高みを目指して日々練習に打ち込んでいる。

◆見どころは激しいぶつかり合い

パラ種目で唯一コンタクトが許されている車いすラグビー

2023年7月に行われた車いすラグビーアジアオセアニア選手権。リオ大会で金メダルを獲得したオーストラリアを圧倒し、パリへの出場権を手にした日本代表。歓喜する日の丸戦士の中に1年後の悲願達成に燃える姿があった。

若山英史 選手:
もう本当に単純に最高です。ただ、ここで満足することなく、さらにレベルを上げていくことが自分たちを最高の状態に連れて行ってくれると思うので、さらに上を目指してやっていきたいと思います

接触プレーが認められ、激しいぶつかり合いが魅力でもある車いすラグビー。選手にはそれぞれ障がいの程度によって点数が与えられ、決まった点数以下でチームを編成しなければならない。

◆38歳ながら年々進化するベテラン

パラリンピック3大会連続出場の若山英史 選手

過去3大会パラリンピックに出場し、うち2大会でメダルを獲得と長らく日本代表に貢献している若山選手は障害の度合いが重く持ち点の少ない“ローポインター”。攻撃的なハイポインターに対して主に守備的な役割を担っている。

相手を止めたり味方が攻撃する際の進路を作ったりと、縁の下の力持ちとしてチームを支えてきた若山選手は38歳の今でも力は衰えず、世界トップクラスのスピードを強みとしている。

若山英史 選手:
確かに体はガタがきている。いろんなところが痛かったり、今もヒジに不安があったりするけど、年の初めにタイムを計測すれば短距離走でも年々記録は上がってきている

◆伴侶を得て一人の夢から二人の夢に

練習には愛妻弁当を持参

若山選手はパラリンピック・東京大会後に大きな変化があった。それが妻・成美さんの存在だ。
5年の交際を経て、2021年10月に結婚。県内の自宅で2人支え合いながら生活している。

妻・成美さん:
一応、口では「ケガしないでね」とか「気を付けてね」とは言いつつも、アスリートは輝ける時間はそんなに長くない仕事なのかなと思っているのでやれるときは精一杯やってくれればいいんじゃないかなと思っています

リラックスできる自宅

若山英史 選手:
昔はよく遠征にいって体調を崩したりとかもあったんですけど、最近は体調を崩すことなく試合の期間、合宿の期間を終えられているので、そのあたりもすごくよい支えになっているんじゃないかなと思います

ベテランの戦いは続く

若山選手にとって今の幸せは20年前には想像できなかった。当時19歳。プールに飛び込んだ際の事故で頸椎を損傷し体の大半が動かなくなった。

それでも、リハビリを通じて車いすラグビーと出会い、生きがいを見つけ、日本代表を引っ張る存在となった。

若山英史 選手:
(Q今の体になったことに対する後悔は)めちゃくちゃ難しくて…たとえケガしていなくて、そのままの道を歩んでいたら、この競技には絶対出会ってないし、奥さんとも出会ってなかったかもしれないと考えると…それでも体の機能の半分を失っているので後悔してないかと言われればそうじゃないですけど「今がめちゃくちゃ楽しいよ」とは自信を持って言えます

すべてを受け入れ毎日が輝いているのは車いすラグビーがあったから…若山選手の車いすラグビーに対する感謝の思いが垣間見えた。

自身4度目のパラリンピックまであと1年。これまで届かなかった悲願の頂点を目指し、挑戦の日々は続く。

若山英史 選手:
パラリンピックの金メダルをしっかりと獲りに行って、この人生最高だよって言いたいですよ

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