目次
静岡市清水区で、子供たちのおもちゃを無料で修理してくれる「おもちゃドクター」が活動しています。現役時代に身につけた技術と知識を使って、大切なおもちゃをよみがえらせます。その活動に密着しました。
【画像】記事中に掲載していない画像も! この記事のギャラリーページへうわさの「おもちゃドクター」に接触!
向かったのは清水区三保松原町。ここで活動している「おもちゃドクター」の榎本高明さん(69歳)に会いに行きました。
待ち合わせ場所に現れた榎本さんは、オールデニムのいでたち。白衣は着ていませんが、「一応ドクターなんです」と笑顔で返す、気さくな人物です。

榎本さんが所属するのは「三保おもちゃ病院」です。三保羽衣児童館で毎月第1日曜日の午前10時から午後3時に、壊れたおもちゃを受け付けています。
共にドクターを務める松永博文さん、そしておもちゃナースとして手伝う榎本さんの妻・八須子さんとともに活動しています。

その場で直せるものはその場で対応し、難しいものは「入院手続き」をしてもらったうえで、榎本さんの作業場で修理するという流れです。
材料費がかかる場合がありますが、受診料は基本無料。ボランティアで子供たちのおもちゃを救い続けています。

電気の技術職出身だから手先が器用
榎本さんの作業場には、缶スプレーや工具がずらりと並びます。電流などを測定するテスターなど、電気系の機器もそろっています。
三保おもちゃ病院 おもちゃドクター・榎本高明さん:
電気系の工作をやっていたので、元々手持ちであったものを使ってます

榎本さんは元々電気関係の技術職をしており、手先が器用。その特技を生かせると始めたのが「おもちゃドクター」でした。
妻の八須子さんによると、洗濯機や掃除機などの家電製品はほとんど直してもらえるとのこと。
まずは「患者」を診察
実際にどのように修理をするのか見せてもらいました。今回は「患者」を持ち込んで診察をお願いしました。

最初の患者はクマのぬいぐるみ。帽子が外れかかっているという症状です。こうした症状も丁寧に縫って治療してくれます。
続く2人目の患者は、炊飯器のおもちゃ。ボタンを押すとふたがパカッと開くはずが、開かなくなってしまいました。

三保おもちゃ病院・榎本高明さん:
症状からすると直せそうですね
「直せる」と診断した榎本さん。さっそく治療が始まりました。
壊れた部品を手作りして直しちゃう
まず炊飯器のパーツを慎重に外し、内部を見ると、数cmのワイヤーがポロッと出てきました。

三保おもちゃ病院・榎本高明さん:
あ、ワイヤーが外れてますね。これがどこに収まっていたかが謎ですね
おもちゃドクターとは言え、届いたばかりの患者とは初めて向き合うので、構造を理解するところから始まります。しばし観察をするドクター、ワイヤーの出どころと故障の原因を突き止めました。
三保おもちゃ病院・榎本高明さん:
バネの先端のワイヤーが折れてます。バネを替えないとまずいですね

ふたのちょうつがい部分にある、バネの先端が折れていたことが原因と判明。
今回は自前のピアノ線を使って、バネを手作りすることになりました。元々の部品を参考に、新しいものを手際よく成形。クルクルとワイヤーを曲げてバネを作っていきます。

完成した手作りのバネを取り付けてボタンを押してみると、ふたがパカッと開き、見事に完治しました。
修理費用についても、代用品を自ら作るこのレベルであれば費用は発生しないとのこと。無料で対応してもらえます。

7年間で約350個のおもちゃを救済
榎本さんの活動歴は7年ほど。その間に直してきたおもちゃは約350個にのぼります。活動を続ける原動力について、こう語ります。
三保おもちゃ病院・榎本高明さん:
大変喜んで「スゴイ」と言われたりしますね。それがかなり励みになっていますね

子供たちの笑顔を見たくてやっているというその言葉に、活動への深い愛情が感じられます。
静岡市清水区三保で、毎月第1日曜日だけ開院する「三保おもちゃ病院」。捨てようと思っていた壊れたおもちゃが、おもちゃドクターの手にかかれば生き返るかもしれませんよ。
■イベント名 三保おもちゃ病院
■会場 静岡市清水区三保松原町39-5(三保羽衣児童館内)
■開催日 毎月第1日曜日
■開催時間 10:00~15:00
■料金 基本無料※材料費がかかる場合あり
【もっと見る! 清水区三保の記事】
