目次
静岡・焼津市にある削り節メーカー「小林食品」が手がける60gで1万円の高級ふりかけ。口どけにこだわった髪の毛より薄いという“極薄の削り節”が使われています。手作業でつくられる希少なふりかけを調査しました。
【画像】記事中に掲載していない画像も! この記事のギャラリーページへ焼津の削り節メーカーへ
1万円の高級ふりかけの秘密を探りにやってきたのは、静岡・焼津市にある小林食品。

工場に近づくと、漂ってくるのはカツオ節の豊かな香りです。
小林食品は焼津特産の「削り節」を製造・販売し、国内外の数百社と取引する削り節の専門メーカーです。
まず工場内の削りのラインへ案内された大森万梨乃アナウンサー。

削り機がずらりと並び、塊の状態のたくさんのカツオ節が流れていきます。削られたあとは水分の調整が行われ、私たちがよく見るカツオ節製品として仕上がっていきます。

こうした設備がある部屋は全部で3つあり、軽いカツオ節にもかかわらず1日でなんと3000kg、つまり3tも製造されています。そんなカツオ節を試食させてもらいました。
テレビ静岡・大森万梨乃アナウンサー:
おいしい! 濃さを感じます

右)テレビ静岡・大森万梨乃アナウンサー
小林食品・滝井敦工場長:
焼津のカツオ節は職人さんが丁寧に作っているので、非常に味が濃くて、香りも良いという特徴があります
1日300gしか作れない極薄の削り節
しかし1万円のふりかけには、さらにこだわった削り節が使われています。案内されたのは、別の削り機が置かれたエリア。
小林食品・滝井工場長:
削る厚みが先ほどとはかなり違います

削り機から出てくる削り節はふわふわと舞い上がるほどで、その薄さはなんと0.01mm。
髪の毛が0.08mmといわれているため、髪の毛の約8分の1という薄さで、向こう側が透けて見える程です。

テレビ静岡・大森アナウンサー:
口に入れた瞬間、消えました
この薄さを生み出しているのは、削り器に取り付けられたカンナの刃。刃先が盤面よりどれだけ出ているかで削り節の厚さが決まります。0.01㎜の薄さは、職人が毎日手でカンナの刃の調整を行なって作り出しています。

極薄ゆえに、1日でわずか300gしか作れないという希少な削り節。この削り節こそが、1万円のふりかけに使われているのです。
秘伝のタレと職人の手作業
極薄の削り節は、ここから味付けの工程へと進みます。
小林食品・滝井工場長:
しょうゆや、ハチミツなどが入っている秘伝のタレをまぶします
さらに、粉末にしたショウガや砂糖が入った特製のパウダーも混ぜ込んでいきます。混ぜる際に使うのは箸。

泡立て器などを使うと削り節が粉々になってしまうため、人間の力加減と絶妙な混ぜ具合が欠かせないのです。
小林食品・滝井工場長:
機械ではできないので大変な作業になってきます
味が全体になじんだところで、専用オーブンで乾燥させれば、60g1万円の高級ふりかけが完成です。

1万円ふりかけを試食
いよいよ試食の時間です。藍色の缶に入った高級ふりかけは「思わず舌鼓 口どけ(2缶入り1万800円)」として販売されています。
2缶セットで1万800円、主に贈答用として購入する客が多いそうです。

ふりかけをご飯にかけると、すくったスプーンを持つ手から軽さが伝わってきます。
しかし値段には重みがあって、スプーン1杯だけでも500円ほどの価値があるといいます。

試食してみた大森アナはその味を、ふりかけではあまり使うことのない「とろける」がぴったりだと表現します。
テレビ静岡・大森アナウンサー:
ふりかけが“とろけ”ます。味わったことのない食感で、深みやうま味が広がります

おいしさの秘密は、使われている原料にもあります。1万円のふりかけに使われているのは「本枯節(ほんかれぶし)」と呼ばれる節。
かつては日本で当たり前のように使われていたものですが、今この本枯節を作れる職人は日本全国で10人以下ともいわれる、非常に希少なものです。

小林食品・滝井工場長:
非常に熟成をしたカツオ節なので、削ってみると香りも良く、味もいい商品です。そういったものを「口どけ」で使っているところもポイントですね
カツオ節のおつまみも
1万円のふりかけだけでなく、小林食品ではほかにもユニークな商品を開発しています。
カツオ節を分厚く削り、味を付けたおつまみ「思わず舌鼓 紳士の誘惑 (1箱50g入り1080円)」は、和風カレー・バジル・しそ風味の3種類を展開。
コンセプトはワインにも合う和風のおやつです。

しそ風味を口にすると、サッパリとした風味とカツオ節のしっかりした食感が広がります。こちらも風味が損なわれないよう、ふりかけと同じく手作業で味付けが行われています。
小林食品・井上聖也 業務課長:
普段の生活の中でなかなかカツオ節は目立たず、「よしカツオ節食べるぞ」とはならないと思います。食べるとおいしいことをぜひ知ってほしいと思って、開発してお届けしています

高級ふりかけには、0.01㎜という職人技と、希少な本枯節、そして手作業による丁寧な味付けという幾重もの“こだわり”が詰まっていました。カツオ節の底力を改めて実感できる一品です。
■店名 小林食品
■問合せ 054-625-2201
【もっと見る! カツオ節グルメの記事】
