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家事で忙しいとき子供が質問をしてきたら、対応できていますか? 急速に進化するAI時代だからこそ、家庭教育の中で子供の好奇心を大切にし「底力」を育てることが重要だと、歌手で教育学博士のアグネス・チャンさんは語ります。

テレビ静岡で5月24日に放送されたテレビ寺子屋では、歌手・教育学博士のアグネス・チャンさんが、AI時代における家庭教育のあり方と、子供の底力を上げるために必要なことを語りました。
AI時代に「子供の底力」を上げる
歌手 教育学博士・アグネス・チャンさん:
私たち人間がこれまで学んだことを人工知能が学び、そしてそれが生活のあらゆる場面で使われていく、このAI時代。技術の発達が、積み重ねではなく掛け算のように進み、人類の文化のうえでも大きな転換点ではないでしょうか。

そんな今だからこそ「教育」がとても大事になってくると思います。
もちろん学校もそうですが、子育ても肝心で、家庭教育の中で「子供の底力を上げる」ために何が必要なのか考えてみました。
「子供の質問」褒めていますか?
【好奇心を育てる】ご飯を作っている時に子供が質問してくると、こう答えていませんか? 「ママ今ご飯作ってるでしょ、ちょっと待ってて」と。
すると子供は「あ、ママの邪魔になってる。いま質問しちゃダメなんだ」と感じて、なにか質問がある時でも飲み込んだ方がいいと覚えてしまいます。これが好奇心へのダメージです。

私は子供が何か聞きに来たらすぐに手を止めて、「よく聞いてくれた!」とまず褒めます。褒めてから、「ママも答えがわからないのよ。じゃあ一緒に探しに行こう」と声をかけます。
子供は、「ママはすごく喜んでくれた。またいろんな質問を持ってこよう」となる、これが好奇心を育てるんです。

好奇心のある子は疑問も多い。そして、答えを探していくうちに自分で学ぶことがわかり、自分で学べなかったら人に聞く技術を身につけていきます。そうすると、たくさんの情報を吸収し、引き出しが増えるんです。
子供が相手でも必死の真剣勝負
【失敗をたくさん経験させる】私たち人間は失敗します。失敗から新しいものが生まれ、さらに成長していきます。だから、子供たちにも失敗する経験をたくさん与えてあげてください。
ボードゲームでも、じゃんけんでも、私はわざと負けたりしません。必死でやります。息子たちは最初は悔しくて泣いて、そして一生懸命やって私に勝つんです。

悔しがらない人生では、成功の味がわかりません。子供たちには転んで痛みを感じて、失敗して悔しくて泣いてわめいて、そして喜んでほしい。気持ちが動くことで人間が育っていくのです。だから、たくさんたくさん失敗を重ねて子供を育ててほしいと思います。
AIに流されない「賢い選択力」
【賢い選択をできるように】人生は選択の連続です。今日の選択が明日に影響する。明日の選択が明後日に影響する。賢い選択をする人は、どんどん人生が良くなっていきます。
まずは子供に選択させて、それを尊重しましょう。もし選択を間違っても、失敗を体験させる。何が大事なのか、何が大事じゃないのか見分けられて、だんだん賢い選択ができるようになっていきます。

AIだって間違えることがあります。でも見分けができる子だったら鵜呑みにしないで自分で掘り下げて調べられますし、賢い選択ができるようになるんです。
子育てで私が目標にしているのは、「心の強い子」になることです。それは人を思いやる心、人を愛する心でもあります。これは赤ちゃんからお年寄りまで、みんなが持っている力ですが、筋肉と一緒で使わないとどんどん弱くなっていきます。
人間性、人間らしさがAI時代で勝ち抜く大切な部分です。どうやって幸せになっていくのか、人生を楽しむのか、強い心を育み前向きに考えていけたらと思います。

アグネス・チャン: 香港生まれ。1972年「ひなげしの花」で日本デビュー。上智大学、トロント大学を経て米国スタンフォード大学へ。現在、歌手活動のほか、ユニセフアジア親善大使、日本対がん協会「ほほえみ大使」などとして活躍。
※この記事は5月24日にテレビ静岡で放送された「テレビ寺子屋」をもとにしています。
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