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“寺離れ”歯止めを 境内に貸別荘 旧東海道宿場町の活性化も目指して

近年いわゆる墓じまいや墓の引っ越しが増える中、寺離れの動きに歯止めをかけると共に、地域の活性化につなげていこうと藤枝市の由緒あるお寺が境内に貸別荘を造りました。

松に花、咲く藤枝の一王子、宮居ゆたかに、幾千代を経ん。

平安時代、源義家が詠んだ和歌が地名の起源とも言われる藤枝。

市のほぼ中央に位置する蓮華寺池公園は、東海道随一の藤の名所として知られ、毎年4月から5月にかけて行われる藤まつりは約12万人が訪れるほか、市章は藤の花弁がモチーフとなっています。

市民:
藤の花が咲いたということで、休みの日に“飛んで”来た

来園者(焼津市から):
きれい。やはり自然な花の色は本当にきれい

来園者(島田市から):
ここはいろいろな季節の花がたくさんあるので、いつもかなりにぎわいがある

市民:
ここはやっぱり健康と文化の源

ただ、かつては東海道沿いに40軒前後の旅籠が立ち並んだ宿場町も今は昔…。

来園者(島田市から):
駅前の方はホテルがすごくできているが、観光地に密接したところだと、あまり思い浮かばない

来園者(焼津市から):
駅周辺や焼津に泊まってこちらへ来る人はいると思う

市民:
行き過ぎる、通り過ぎるというか、ちょっと寄ってという感じの人が多いのではないか

現在は観光客をターゲットとしたホテルやゲストハウスがない、いわば“宿のない元宿場町”となっています。

そこで、藤枝の地をより満喫してもらおうと貸別荘をつくる取り組みが進められていて、その舞台となるのは何と由緒ある寺です。

蓮華寺池公園から歩いて約10分。

今から770年ほど前に建立された大慶寺。

大慶寺・大場唯央 住職:
東海道が一番繁栄していた江戸時代は、ここ(大慶寺)が藤枝宿のランドマークだった。「あの松が見えたら藤枝宿」そんな存在だった

境内にそびえ立つ“久遠の松”は、日蓮宗の開祖・日蓮によって植えられたと言われ、日本の名松100選にも選ばれている県の天然記念物です。

研修や体験学習の一環として寺に宿泊すること自体は珍しくありませんが、今回始めるのは個人客を対象とした一棟貸し。

大場唯央 住職によれば、県内では過去に例のない取り組みとなります。

大慶寺・大場唯央 住職:
このエリアに宿をつくれば、藤枝には朝ラーメンという文化があるし、特に藤枝宿、旧東海道のあたりには夜も昔ながらの飲食店があり、いろいろな観光の側面からも効果があるのではないかという思いがあった

一方、背景には大慶寺が抱える特有の事情もあります。

現在、檀家の約15%が県外在住。

全国的に増えている、いわゆる“墓じまい”や“墓の引っ越し”の波がやってこないとも言い切れません。

そこで、観光客にとっては藤枝を堪能するための拠点に、檀家にとっては家族と共に故人の在りし日をゆっくり偲ぶ場所にとクラウドファンディングを実施すると、約350万円もの支援が寄せられました。

大慶寺・大場唯央 住職:
寺の存続と地域の存続はニアリーイコールだと思っている。寺こそ地域に関わる必要がある。僕のところには地域の情報があるので、有能なコンシェルジュになれる自信もある。「ここに行けばこういう人がいる」そういうことを望むなら「あそこへ行ったらいい」と、そういうコンシェルジュになれるのではないかと思っている

大慶寺・大場唯央 住職:
2階に上がると松が正面に見え、和室に入ると正面に松が見える。蔵を現代風に表現した形で、なおかつ久遠の松を一番楽しめる建物になっているので、それで観松蔵、松を観る蔵という建物の名前にした

また、宿泊客には写経や瞑想、夜の供養など、仏教に関わる様々な体験を用意しています。

大慶寺・大場唯央 住職:
この寺で大事にしているのは、 “心かえる寺”。心がふるさとに戻ってきたような“帰る”という意味と、マインドチェンジ、心が“変わる”という2つの意味があるので、自分の原点に立ち返る体験に加え、「またあすから頑張ろう」とマインドチェンジできる寺になっていきたい

この日は宿泊客の本格的な受け入れ開始を前に、プレイベントを開催しました。

参加者:
すごくきれいで本当に泊まりたくなったし、東京などの友達にも来てもらいたい、呼んでみたいと思った

参加者:
自分は檀家で、ここに兄と父のお墓がある。すごくいい。この地域が活性化すればいい

大慶寺・大場唯央 住職:
宿があることによって、蓮華寺池エリアも藤枝宿エリアも、結節できるような宿という役割を担えると思う。両方のエリアがもっとおもしろいエリアになることを期待している

長きにわたり街の歴史を見つめて来た由緒あるお寺が、いま地域の活性化に向けて新たな一歩を踏み出しました。

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