刑事裁判をやり直す再審制度の見直しに関して、5月13日、自民党が法務省の修正案を了承しました。袴田巌さんの裁判をきっかけに始まった再審制度の見直し。今回の議論で大きな進展をみた一方で課題も残されました。
13日に開かれた自民党の法務部会・司法制度調査会の合同会議。
裁判をやり直す再審制度の見直しをめぐり、自民党と法務省の間で紛糾してきた議論が決着しました。
これまで紛糾してきた大きな理由は検察の抗告の扱いについて。
いままでは裁判のやり直しが決まっても地裁の決定に対して抗告、高裁の決定に対して抗告と、検察が抗告できたため、実際に裁判が始まるまでに長い時間がかかってきました。
実際に袴田巌さんは2014年に静岡地裁が再審開始を決定してから抗告が繰り返され、裁判が始まったのは9年後の2023年、無罪確定はその翌年でした。
この袴田さんのケースをきっかけに制度の見直しが進められましたが…
法務省が3月に出した案は現状維持。
反発を受け、4月に出した修正案も抗告制度を維持するものでした。
これに自民側が反発します。
自民党・井出庸生 衆院議員:
自民党は法務省のためにあるんじゃないんだぞ!国民のためにあるんだぞ!忘れるなよ!
稲田朋美 議員:
不誠実なんだよ!
自民側の激しい反発を受け、5月7日に法務省は原則禁止を法律の付則に明記すると提案。
ただ、これにも反発が出て、13日、原則禁止を本則に盛り込むことでようやく了承を得ました。
自民党 司法制度調査会・鈴木馨祐 会長:
かなり国民が求めている内容になったのではないかと思っている
ただ、了承後、法務省と対峙してきた自民党議員がにじませたのは“悔しさ”です。
自民党・井出庸生 衆院議員:
大変悔しい。悔し涙の一任だった
鈴木貴子 衆院議員:
(袴田)ひで子さんの年齢に達するまで、私には53年あります。53年かかってでも、必ず納得のいく、国民の皆さんが納得いただける再審法改正のために、引き続き努力をして参ります
議員の多くが求めていたのは抗告の全面禁止でしたが原則禁止となったため、検察が抗告できる余地が残りました。
また、抗告の是非に議論に集中したため、袴田ひで子さんが求めていた証拠の全面開示など、他の重要な課題は置き去りにされたままです。
袴田ひで子さん:
抗告にかかりすぎて、他のことはなおざりにされていると思う。抗告はなしにしてもらって、他のことは他のことで議論してがんばってもらうしかない
政府は法案を15日にも閣議決定して今国会に提出し、成立をめざす考えで、今後の国会での議論にも注目が集まります。
