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静岡・藤枝市の住宅街にある一軒家に、世界的な品質を誇るジャム工房があります。普通の民家にしか見えない玄関先で、実は国際コンテスト上位常連の“世界レベルのジャム”が販売されているのです。
【画像】記事中に掲載していない画像も! この記事のギャラリーページへ住宅街の看板に誘われて
藤枝のほぼ中央に位置する蓮華寺池公園。このエリアから北へ5分ほど歩いた住宅街で、ふと目に入った看板には「四季のジャム工房 やまゆスイーツ」と書かれていました。
矢印の方向に歩いていくと、そこあったのはごく普通の戸建て住宅。

室外機の上に置かれた「やまゆスイーツ」の看板がなかったら、絶対わからなかった隠れ家的ジャム工房です。
外観は周囲の民家と変わりません。恐る恐る訪ねてみると、玄関に瓶詰めされたジャムがずらりと並んでいました。

六畳一間の製造所から世界へ
「やまゆスイーツ」は、まさに知る人ぞ知る工房です。ジャムを作っている小野延子さんが笑顔で迎えてくれました。
やまゆスイーツ・小野延子さん:
住まいの一角にある六畳一間をジャムの製造所にして、玄関で売っているスタイルです

しかし、その小さな空間から生まれるジャムの実力は折り紙付き。玄関脇の壁には新聞の切り抜きや賞状が並び、目を引くのが「英国マーマレードコンテスト金賞受賞」の文字。
毎年イギリスで開催される世界的なマーマレードの祭典「マーマレードアワード」で、なんと7年連続金賞を受賞したことがあります。

やまゆスイーツ・小野さん:
毎年イギリスで開催される世界大会で賞をいただいたことがあります。7年連続いただいて、その後は上がったり下がったりしている状況です
やまゆスイーツは“六畳一間から世界へ”羽ばたいた工房でした。
世界をうならせた一番人気「金柑マーマレード」
工房では年間なんと50種類ほどのジャムを製造・販売しています。取材時には季節の関係もあり、25種類ほどが玄関先に並んでいました。
数ある商品の中で一番人気を誇るのが、「金柑のマーマレード(1080円)」。まさに世界大会で金賞を獲得した看板商品です。

実際にパンにのせて食べてみると、豊かな香りが広がり、甘さと苦みのバランスが絶妙。キンカンの皮をかんだときのほのかな苦みと、その奥にある甘さが重なり合う味わいは格別です。
オーナーがこだわるのは食感。「皮をなるべく薄く切る」ことで、皮の持つおいしさを余すことなく口の中に届けます。
やまゆスイーツ・小野さん:
皮の部分がおいしさをたくさん持っているので、なるべく皮を皆さんに召し上がっていただきたいです

使用するキンカンは静岡大学農学部が育てたものです。皮の柔らかさが際立ち、繊細な仕上がりを実現できるのも良質な素材のおかげだといいます。
やまゆスイーツ・小野さん:
果物そのものがおいしいのが、一番おいしいものを作る秘訣です

製造はすべて手作業で、機械化することで失われてしまう繊細な部分を、感覚と手仕事によって守り続けています。
ジャム作りのルーツ 母の味「いちごジャム」
小野さんがジャム作りを始めるきっかけとなったのは、「いちごジャム(864円)」です。

やまゆスイーツ・小野さん:
毎年母がイチゴのジャムを私たち子供に作ってくれました。手作りで本当においしくて、そのジャムが大好きだったので、ジャムを作るようになりました
母から受け継いだ手作りの味が、世界レベルのジャムへと昇華したのです。

イチゴジャムは甘さと酸味のバランスがちょうどよく、種のプツプツとした食感もしっかり残っています。
使用するのは7g未満の小粒のイチゴ。赤い部分が多いほど、色鮮やかなジャムに仕上がるというこだわりから、あえて小粒を仕入れています。

しかもイチゴは藤枝産。地元の素材を丁寧に煮込み、実をふっくらと炊き上げるのがポイントです。
藤枝市内9店舗でも購入できる
やまゆスイーツのジャムは、この玄関先のほか、藤枝市内9店舗で販売されています。また、ふるさと納税でも手に入れることができるとのこと。贈り物としても喜ばれそうな一品です。

住宅街の片隅から確かな実力で世界に認められた「やまゆスイーツ」。蓮華寺池公園を散策するついでに、ぜひ玄関をのぞいてみてはいかがでしょうか。母から受け継いだジャム作りへの思いが、小さな瓶の中にぎゅっと詰まっています。
■店名 四季のジャム工房 やまゆスイーツ
■住所 静岡県藤枝市五十海1-2-3
■営業時間 月10:00~17:00
木金10:00~19:00
■定休 火水土日
■問合せ 054-645-3935
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