自然薯をすりおろす
食べる

【駿河区・丁子屋】老舗で“とろろ道”に入門しよう! とろろ汁の「すりおろし体験」が2025年12月スタート

静岡市駿河区にあるとろろ汁の老舗「丁子屋」。名物のとろろ汁を味わえるだけでなく、自分でとろろ汁を作る体験プログラム「とろろ道入門所」に参加することもできるんです。

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旧東海道(丸子宿周辺)

いつも見慣れた街並みも裏道を巡れば、そこはまるで別世界。静岡県民も必見の裏スポットをお散歩します。今回は静岡市駿河区。かつては東海道20番目の宿場町として、旅人で賑わった丸子(まりこ)周辺を散策しています。

浮世絵にも描かれる“とろろ汁”で有名な老舗

風情ある街並みを味わいながら、旧東海道沿いを歩いていると趣のある庭がある古民家を見つけました。

お店なのか何かの施設なのか、まだわかりません。

趣のある庭のある古民家

少し進んだ先に入口が見えました。

ここは歌川広重の浮世絵「東海道五十三次」にも描かれている、とろろ汁で有名なお店。旧東海道沿いに店を構える「丁子屋(ちょうじや)」、とろろ汁の老舗でした。

丁子屋の外観
丁子屋(静岡市駿河区丸子)

店内に入ると、まるで昔にタイムスリップしたかのような光景が広がっていました。

柱や“はり”が立派で、その色からも長い歴史を感じます。

店内の様子

「丁子屋平吉」の名を受け継いだ丁子屋14代目に、創業について聞いてみました。

丁子屋14代目・丁子屋平吉さん:
創業は1596年です。2026年で430年を迎えます

丁子屋14代目・丁子屋平吉さん

丁子屋がこの地で商いを始めたのは戦国の末期。最初は旅人が一息つく茶屋として営業していたそうです。

この建物は先々代が江戸時代の建物を移築し、ありし日を再現。丸子を象徴する風景にもなっています。

東海道五十三次 鞠子宿 
東海道五十三次に描かれた丸子宿でとろろ汁を食べている様子

丁子屋の名物が味わえる豪華セット

さっそく、名物がセットになった「丁子屋(3960円)」を注文しました。

とろろ汁・麦めし・揚げとろ・刺身・むかごの和え物・みそ汁・アイスなど、10種類の味が楽しめる人気のセットです。

丁子屋(3960円)

ご飯は、おひつで提供されるので、たっぷり食べられます。

白米ではなく麦めしなのも丁子屋のこだわりです。

おひつで提供される麦めし
おひつで提供される麦めし

ご飯が“泳ぐぐらい”、とろろ汁をたっぷりとかけて食べるのが丁子屋流です。

「よくかき混ぜるのがおいしく食べる秘訣」と話す丁子屋さん。ご飯を口の中にかきこむと、とろろ汁とご飯がほわっと広がります。

麦めしは、白米7割で麦が3割。かき込んで食べると、のど越しの良さを感じられるそうです。

とろろ汁をかけたご飯
とろろ汁をたっぷりかけて食べるのが丁子屋流

とろろ汁を食べると、すぐに元気が出てくるような感覚になります。

丁子屋14代目・丁子屋平吉さん:
昔から、ゴボウ5時間・ニンジン2時間・卵たちまち・山芋やたらと言われています。食べてから元気に変わるまでの時間です

昔の人が感覚的に表現した言葉です。昔の人はとろろ汁をかき込んで、また旅を続けていたのでしょう。

とろろ汁

次はぜいたくにマグロを乗せて食べたり、「むかごの梅肉和え」を乗せて食べたり、どちらもとろろご飯によく合います。

むかごは、芋の葉の付け根にできる球状の芽で、ホクホクとした独特の食感が特徴です。歯ごたえがたまりません。

とろろご飯にマグロの刺身を乗せて

他にも、とろろと豆腐を揚げた「おかべ揚げ」や、とろろの揚げ物「揚げとろ」など、とろろ尽くしのセットです。

どの料理も絶品で、“やたら”元気が出てきました。

おかべ揚げ

体験プログラム「とろろ道入門所」

とろろ尽くしのメニューを堪能したところで、丁子屋さんから“とろろ汁を自分で作る”という体験もできると聞きました。

丁子屋14代目・丁子屋平吉さん:
自分でとろろ汁を作ってもらう。名付けて「とろろ道入門所」です

丁子屋平吉さん

せっかくなので、入門させてもらうことにしました。ただし、とろろ汁を作るだけではありません。

とろろ道 その1「歴史を学ぶ」

とろろ道その1、まずは丁子屋の歴史を学びます。

2026年で創業430周年を迎える丁子屋。店内には、丁子屋の歴史を楽しむことができるコーナーがあります。

店内の様子
丁子屋の歴史を楽しむことができるコーナー

歴史を感じる木像なのに、なんだかPOPな飾り付けがされたものありました。いったい誰の像でしょうか?

丁子屋14代目・丁子屋平吉さん:
十返舎一九さんの像です。「東海道中膝栗毛」という小説を書いた人なんです

POPな飾り付けが施された十返舎一九の像

2025年は十返舎一九の生誕260年で、駿府、いまの静岡市出身のため盛大にお祝いしているそうです。

その「東海道中膝栗毛」の中には、丁子屋が登場する場面もありました。

丁子屋14代目・丁子屋平吉さん:
弥二さん喜多さんがとろろ汁を食べに来るんです。設定上、僕の先祖になるんですけど夫婦げんかをしているんです。あまりに加熱しすぎて、作ったとろろ汁をぶちまけちゃうんです。そこに弥二さん喜多さんが「腹減った」と来るのですが、「これはダメだ、次行こう」というシーンが書かれてるんです

弥二さん喜多さんは通りすぎてしまった、というエピソードだったのです。

東海道中膝栗毛(1803年刊行)

その30年後に描かれた浮世絵「東海道五十三次」は、「東海道中膝栗毛」がモチーフだと言われています。

しかし歌川広重が描いた絵では、弥二さん喜多さんを思わせる旅人2人は、しっかりとろろ汁を食べているのです。

広重は弥二喜多がとろろを食べるシーンを描きたかったのかもしれませんね。

保永堂版 東海道中五拾三次(1833年刊行 東京都立中央図書館蔵)
弥二さん喜多さんを思わせる2人がとろろ汁を食べている(東京都立中央図書館蔵)

とろろ道 その2「自分でとろろ汁を作る」

とろろ道その2、お次はいよいよ「とろろすり体験」です。

使用するのは、おろし金にすり鉢とすり棒、そして静岡県産の自然薯です。

とろろすり体験

教えてくれるのは、丁子屋スタッフの村松智子さんです。

丁子屋スタッフ・村松智子さん:
丸ではなくて上下に動かしてすってください

丁子屋スタッフ・村松智子さん

さっそく自然薯を手に取りすり始めると、よい香りがして、粘りけがたっぷり出てきます。

丁子屋スタッフ・村松智子さん:
皮と身の間に栄養があるので、満遍なくすってください

ある程度すったら、自然薯を持ち替えて角度を変えて、満遍なくすっていきます。

自然薯は上下に動かすのがコツ

皮のすぐ内側の部分に栄養が詰まっているため、皮ごとするのもポイントです。

最後、残った部分はそのままパクッと食べてOK。自然薯本来の食感や香りを楽しめます。

次は、すり鉢ですっていきます。根気よくすり続けると、さらに粘り気が出て重くなってくるのが分かります。「みなさん肩にくるみたいです」と村松さんがいうほどの重労働でした。

すり鉢でさらに粘り気が出てくる

十分粘りが出てきたら、卵と隠し味のマグロの煮汁を加えます。

そして最後に白みそを、カツオだしのみそ汁にして加えます。

味見用のみそとカツオの煮汁が用意されていました。マグロの煮汁は、このままご飯にかけたくなる味わいです。

自家製白みそ・アグロの煮汁

丁子屋スタッフ・村松智子さん:
みそも自家製です。月に3回、ホールスタッフで作っています

卵、マグロの煮汁、みそ汁を加えてさらにすり鉢ですったら、丁子屋秘伝とろろ汁の完成です。

最後は認定証も

早速、自分で作ったとろろ汁をご飯にかけてたべてみます。

自分で作るとおいしさも倍増。そして最後には認定証が手渡されます。

無事「とろろ道伝道師」に認定されました。

とろろ道伝道師の認定証

とろろ道入門所では、自分で作ったとろろ汁に加えて、とろろの揚げ物やムカゴの和え物、デザートまで付いています。

とろろ道入門所の料金は、大人6600円・学生5500円。時間は平日午前11時~、土日祝は午後4時~。丁子屋のHPから予約ができます。

とろろ道入門所体験プログラムのセットメニュー

自分でとろろ汁を作る体験は、単に食べるだけでは味わえない特別な思い出になります。

創業430周年を迎える老舗の味を、より深く堪能できる機会となることでしょう。

■店名 丁子屋
■住所 静岡市駿河区丸子7-10-10
■営業時間 平日11:00〜14:00
      土日祝11:00〜15:00 16:30〜19:40(LO19:00)
■定休 木・不定期で水
■問合せ 054-258-1066

【詳しく見る】丁子屋のホームページ

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