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静岡市葵区の道路にある謎のレール。気になるので調べてほしいという視聴者からの依頼で現場に行ってみると、その先には閉ざされたシャッター付きの施設が。だれがなんの目的で設置したのか、調べてみました。
【画像】記事中に掲載していない画像も! この記事のギャラリーページへ視聴者からの依頼「謎のレール」
今回は、「近所にレールが敷かれた謎の道路があるので調べてほしい」という視聴者からの依頼が番組宛てに届きました。

こういうワクワクする依頼を待っていた、にむらあつとリポーター。早速その場所に向かいました。
現場はJR静岡駅から車で北へ約15分。安倍川に近い国道1号線・静清バイパス付近です。
平和2丁目の交差点の南に到着すると、道路を横切るようにレールが敷かれた不思議な光景が目の前に広がっていました。

レールは車道を横断し、シャッターの降りた建物へとつながっています。
このレールは一体何なのでしょうか?
にむらあつとリポーター:
シャッターの奥に台車が入っていて、物を運ぶ用のレールではないでしょうか。歴史的な建造物が残っているんじゃないですかね?

推測しながら、まずは現場近くにあった仏具店で聞き込み調査を開始しました。謎のレールについて尋ねてみました。
法月・蓮池洋一さん:
レールはありますね、なんでしょうね。ちょっと分からないです

シャッターの中に何が入っているのか、見たこともないそうです。地元でも謎のまま存在していた施設だったのです。
水の流れをせき止める「陸閘」
次に、道路のことならと国土交通省に連絡してみました。
電話で教えてくれたのは国交省 静岡河川事務所の増田進一さんです。
国交省 静岡河川事務所・増田進一 副所長:
「陸閘(りっこう)」というものだと思います。下流に浸水被害が及ばないような役割を果たすものです

増田さんによると、陸閘は洪水など浸水被害が及ばないように、堤防を横切る通路に設置された開閉式の門扉です。
安倍川が氾濫した時に水の流れをせき止める扉が、あのシャッターの中に入っているというのです。
シャッターの中が気になる!
交渉の末、「少しだけ開けて見るくらいなら」とシャッターの中を見せてもらえることになりました。
シャッターの中には巨大な門が
約15分後、増田さんが現場に到着しました。

増田さんの手によってシャッターの鍵が開けられます。
そこには分厚い鋼鉄のスライドゲートが格納されていました。
にむらリポーター:
だいぶ奥行きがありますね

試しに中に向かって「おーい」と叫んでみたにむらリポーター。声が響いています。
ゲートの大きさは長さ10.3m、高さ2mです。かなりの厚みがあり、その存在感に圧倒されます。

こちらは「美川町陸閘(みかわちょうりっこう)」と呼ばれ、堤防の途中にある通路に設置されています。
安倍川からまず本堤があり、少し離れてバックアップのための二線堤があります。美川町陸閘があるのはこの二線堤が道路を横切っている場所です。
普段は通行のために道路は開いていますが、緊急時には電動でゲートを閉めます。堤防の役割を果たしてくれる重要な施設なのです。

陸閘をちょっとだけ動かしてもらった
「ちょっとだけなら」と見せてもらいましたが、やはり動くところが見たい!
今回特別に、美川町陸閘が動くところを見せてもらえることになりました。
操作盤は隣にある鍵のかかった場所にあります。3年に1回の点検時には、ゲートを完全に閉めて動作確認を行っているそうです。

実際に動かす時には交通規制が必要ですが、今回は交通規制にかからない程度で若干動かしてもらえることに。
増田さんがボタンを押すと、ゆっくりとゲートが動き始めました。大きな金属のゲートがじわじわ出てくる姿は圧巻で、普段見ることのできない貴重なシーンです。

交通の邪魔にならない段階で、今回はストップ。
代わりに点検時にゲートが完全に閉まった状態の写真を見せてもらいました。

人の身長より高いゲートが完全に道を塞いでいました。
静岡河川事務所・増田 副所長:
これを閉めることによって、被害を最小限に食い止める。そのために活躍する施設です

1988年から街を守り続ける
市街地を浸水被害から守るべく設置された美川町陸閘。1988年に設置されてから現在まで、実際にこのゲートが活用されたことは、一度もないそうです。
使われないことが何よりの幸せ。

非常時にその力を発揮する「陸閘」は、普段は目立たず、付近の人もその正体を知らなかったほどですが、いざという時に街を守る頼もしい存在でした。
■施設名 美川町陸閘(みかわちょうりっこう)
■住所 静岡市葵区美川町・新伝馬
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