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“大人の習い事” 心構えは? 「競争しない」「質問する」そして「練習を楽しむ」【テレビ寺子屋】

音楽教育家の樹原涼子さんが、自身が開く大人のピアノのレッスンで感じた“大人の習い事”がもたらす喜びについて語ります。変化を恐れず新しいことに挑戦していますか? “大人の習い事”を楽しむには心構えがあるそうです。

右)北村花絵アナウンサー 左)音楽教育家・樹原涼子さん

テレビ静岡で9月14日に放送されたテレビ寺子屋では、音楽教育家の樹原涼子さんが「人生を楽しむ 大人の習い事」をテーマに講演しました。

歳を重ねても人生を楽しむための3つのポイント

音楽教育家・樹原涼子さん:
数年前から大人向けにグループレッスンでピアノを教え始めました。生徒たちは「絶対に休まない!」というくらい熱心に楽しみながら取り組んでいます。すると同時に、どんどん健康的に、生き生きと変化していきました。こんなふうに、習い事をすることで人生をより楽しめたらすてきですよね。

イメージ画像:ピアノをひくシニア

歳を重ねても人生を楽しむために、大切なことが3つあると私は思っています。

変化を喜ぶ

まずは「変化を喜ぶ」。変化を恐れないこと自体が若さの象徴でもあるので、経験のないことにこそ、喜びを見出していただけたらと思います。

新しいことを始める

次に「新しいことを始める」。新しいことを始めると、それに関連したことにも興味や知識が持てて、1つのことから2つ、3つと、さらに新しい世界が広がっていくきっかけになります。

初心者として取り組む

最後に「初心者として取り組む」。年齢を重ねると、何かの初心者になるのは億劫だと思うかもしれませんが、知らないことを知るというのは、どんな年齢であっても謙虚になれることなんです。

これはすごく大事な考え方で、失敗を気にせず楽しめたり人から教わったり、ほかの人の良いところが見えてきて、素直に感謝することができます。初心者だからこそ堂々と学ぶ姿勢で、新しいことに挑戦していただけたらと思います。

大人の習い事がもたらす魅力と効果

この3つを実践するのにぴったりなのが「習い事」です。大人になってからの「習い事」は、年齢や職業などにしばられない仲間ができるきっかけになりますし、続けるか、やめるかを、自分が決めていいという気軽さの中で始められるのも魅力です。

イメージ画像:楽譜

なかでもピアノは、手を動かすので脳に良いとよく言われます。一定のリズムに合わせて次の音をつないでいくわけですから、指の位置はどうか、音は合っているかなど、常に観察し、考える習慣が身に付きます。

習い事をより楽しむための心構え

習い事を始めたら、より楽しめるように、こんな気持ちで臨んでみてください。

まず「誰かと競争はしない」。勝ち負けを意識してしまうと大変ですよね。誰かとの競争ではなくて、「昨日の自分と比べて少しでも進歩したら嬉しいな」と思うことが大切です。

次に「どんどん質問して疑問を解消していく」。質問は悪いことではなくて、すごくいいことなんです。ぜひ、自分の練習時間をより良いものにしていく、というポジティブな考え方で、たくさん質問をして、学んでいってください。

イメージ画像:たくさんの疑問 シニアの初心者

そして「練習の時間こそ楽しむ」。できないことを楽しむのが初心者の特権ですから、プレッシャーの中で練習しないでくださいね。例えばピアノでしたら、お友達に聴いてもらったり、リクエストしてもらった曲を練習してみるとか、楽しんで練習できるような工夫をするのも良いと思います。

初心者だからこそ味わえる、宝物のような時間があると私は思います。ピアノに限らず、やってみたかったけれど、やれていなかったことを見つめ直し、新しい事に挑戦してみてはいかがでしょうか。今までとは違うワクワクした、すてきな自分に出会えるかもしれません。

樹原涼子:熊本市生まれ。武蔵野音楽大学卒業。1991年より順次出版されたメソッド「ピアノランド」がベスト&ロングセラーに。作曲、執筆のかたわらセミナー、コンサートや音大での特別講義などを通じ、ピアノ教育界に新しい提案と実践を続けている。

※この記事は9月14日にテレビ静岡で放送された「テレビ寺子屋」をもとにしています。

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