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いま「子供が中心の社会」へと急激に変化しています。学校も子供の意見を聞く取り組みを始めました。尾木ママの愛称で親しまれる尾木直樹さんは、親が古い価値観のままでは子供にストレスだと指摘します。
テレビ静岡で12月1日に放送されたテレビ寺子屋では、教育評論家の尾木直樹さんが、いま国が進めている「子供中心の社会」とは、どういうことか教えてくれました。
「子供センタード」の社会に変化
教育評論家・尾木直樹さん:
今、社会の在り方が「子供を中心にした社会=子供センタード」に急激に変わっています。
子供の施策を社会全体で総合的かつ強力に推進していくための法律「こども基本法」が2023年4月に施行されました。政府は「こどもまんなか社会」を目指すことを決定したのです。
それまでは「子供を先頭に」という「子供ファースト」という言い方をしていましたが、子供センタードはそれとは違い「子供を『真ん中』にしてみんなが手をつなぎ、助け合いつながり合い、平和で安全、安心な社会を作っていきましょう」というイメージです。
声を聞くことが何よりも大事
それを受け2023年12月に「こども大綱」が決まりました。
子供たちがいじめを受けないなど6つの柱があり、国レベルで進めていきましょうということで、政府や自治体がまず始めたのが「子供の声を聞く」ということ。これが一番大事な土台です。
公立の小中高校などではいま、「子供の政策や決まり事には子供の声を聞く」となりましたから、「制服や校則はこれでいいのか」など、子供たちが参加して先生や保護者会と一緒になってみんなで協議して、どんどん変えている真っ最中です。
子供のことは子供に聞く
政府は「こども基本法」に従って具体的に動き始めるときに、子供たちから1万件の声を聞くことにしました。
責任者は「子供の声を聞き取りたいのだけど、どうすればいい?」と、その聞き取り方から子供たちに聞いたのです。
「ネットでやればあっという間だよ」と、子供たち。
さらに、「例えばシングルファーザーとかシングルマザー。それから若い子供たちが家族の面倒を見ざるを得ないヤングケアラーとか、虐待を受けているかもしれない家庭の子供とか。こういう子供たちからの声はネットではなくてダイレクトに聞いて」と言ったのです。いいこと言いますよね。
政府の担当者は、本当にダイレクトに聞き始めました。
このように、子供たちがいま主役になって動き始めています。ちょっと花を添えるみたいな形で「子供も参加していいよ」ではなく、中心的な役割を担う、本当に「センタード」になった参加です。
親の価値観 古くありませんか?
それを、家庭でもやっていく必要があると思います。いま、学校が変わりつつありますから、親が古い価値観のままでは違和感があり、いろいろストレスも大きくなります。
家庭でも特に中高校生くらいになったら「君はどう思う?」「あなたの考えは?」とその声を尊重してみると、子供はどんどんしっかりと成長していきます。
このようにすっかり時代は変わってきています。
現役のお父さん、お母さん方たちがどう生き抜いていくのか、高齢者はどういう役割を果たすのかも大事です。子供を中心にしたこれからの社会の在り方を、みんなで一緒に考えていきましょう。
尾木直樹:1947年滋賀県生まれ。早稲田大学卒業後、教師として22年間子供主役の教育を実践。その後大学教員に転身し22年教壇に。現在は法政大学名誉教授、臨床教育研究所「虹」所長。
※この記事は12月1日にテレビ静岡で放送された「テレビ寺子屋」をもとにしています。
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