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外の評価を気にして自分を見失う子供へ 専門家のおすすめは「日記」【テレビ寺子屋】

本当にやりたいことを見失わず、自分の心と向き合うことはできていますか。テストや昇進など、外側の評価基準を気にし過ぎると自分を見失います。花まる学習会代表の高濱正伸さんは、「日記」を書いて心を見つめてほしいと語りました。

テレビ静岡で11月24日に放送されたテレビ寺子屋では、思考力を重視する学習塾「花まる学習会」を設立した高濱正伸さんが、外の評価に縛られず、自身の本当にやりたい事と向き合うことの大切さについて語りました。

外の評価基準が生み出す縛り

花まる学習会代表・高濱正伸さん:
今の日本には、「自分が何をやりたいか」ということを見失いながら生きている大人があふれているように感じています。

「ここじゃないどこか」に行きたい大人たち。「いいと言われて就職したけれど、なんか違う」という人に、「じゃあ何をしたいか?」と問うと、「特に何がしたいってわけじゃ…」と返ってくる。これがとっても多いらしいのです。

なぜそうなってしまうのか。社会の中には、幼稚園や小学校から大学、さらには就職するまでいろんな仕組みや評価基準があります。

少なくとも中学校に行ったら「中間テストや期末テストの点数をちゃんと取らないと、いい高校にいけないぞ」という縛りでロックオンされます。抜けている人を見たことないぐらいです。

もちろん恋に部活に楽しみもするのですが、この縛りはもう決定的で、その後、高校、大学、そして社会人になっても「この会社で出世するためには、こういう部署に行く人じゃないとね」とか「こういう評価基準があるよ」となるわけです。

「心を見つめられる人に」

制度とか社会は厳然といつの時代もあるもので、これが悪いわけじゃない。では何が問題かと言うと、「次はどれを取れば褒められるのかな」などと外側の評価基準のもとにばかり生きていて、「自分の心をいつも見て決める」ということを見失ってしまうことです。

「心を見つめられる人になりましょう」ということを、特に次世代の子供たちに伝えていきたいのです。

0歳から3歳ごろまでは周りの世界は関心事であふれていて、誰も自分を見失っていません。

ところが学齢が近づくにつれて、評価基準がテストになってきます。「学校でちゃんと褒められることがいいことだ」となり、親も親同士、子供同士をいろんな人と比較したりします。

夢中になれることを大切に

無条件で愛されて全部遊びだった時代から急に評価基準が入ってくるのです。例えば「消しゴムのカス」やクワガタやカブトムシといった「虫」などに子供が夢中になっていても、「ほかにやるべきことあるでしょう」「汚いからやめて」などと止めてしまうことが多いです。

もちろん基本的なしつけは大事ですが、親が面倒くさいから、嫌だからといって頭ごなしに止めないでほしい。親が「なんで?」と思うけれど、子供が夢中だというものを大事にしてほしいのです。

それぞれの時代を夢中にしてしまう、本当に自分の心を奪っているものを大事に生きていくということが、すごく大切だということです。好きなことを一生懸命やってたら一番いい。もちろんそれは趣味でもいいんです。

素直な気持ちは日記に残す

自分の心を見つめるためには、日記を書くのがお勧めです。SNSに載せるものは外向きなので、なかなか本当のことは書けません。

自分だけが見る日記には、自分の嫉妬心とかネガティブな気持ち、弱い気持ちなども全部書き込んでください。「これが僕は好き」「これでいいんだ」と、自分の価値観を大事に、心を見失わずに生きていってほしいと思います。

高濱正伸:1959年熊本県生まれ。東京大学大学院修了。93年思考力などを重視した「花まる学習会」を設立。その後本格的な学習方法を伝授する「スクールFC」を設立。子供の「生き抜く力」を育てることを重視した教育が好評。

※この記事は11月24日にテレビ静岡で放送された「テレビ寺子屋」をもとにしています。

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