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富士山麓にある朝霧高原。水も空気もきれいなこの場所で、のびのび放牧で育つブタたちがいます。育てているのは、その肉にほれ込んだ元レストランのシェフ。ブタたちが暮らす場所見せてもらいました。
追いかけっこに泥あび 放牧でのびのび
独自ブランドである朝霧高原放牧豚は、生後2カ月からは豚舎ではなく広々とした外で飼育されています。
300平方メートルの放牧スペースに10~15頭。
自由に走り回って追いかけっこをしたり、大好きな泥浴びをしたり、のびのびと過ごします。臭いもあまり気になりません。
ブタたちを育てている関谷哲さんによると、そうすることで赤身と脂肪のバランスが良くなり、ストレスも少なく、肉の味が良くなるそうです。
また通常の飼育方法では、病気の予防のために定期的に抗生物質を投与しますが、ここのブタ達は使いません。
きれいな空気と水、栄養豊富なエサ、そしてのびのび過ごすことで自己免疫力が高まるそうです。
エサへのこだわり
餌は近隣の食品加工会社から出る食品の残り(食パン、サツマイモ、ナッツ類など)を与えます。元は人間の食べ物なので安全です。
さらに健康を保つために様々な発酵菌を配合しています。
ブタの食べ物が肉の味にも影響するので、このエサ作りが豚肉のおいしさにつなります。
ブタを育てるのは元レストランシェフ
ブタたちを育てている関谷哲さんは東京八王子で生まれ育ち、小さい時から食べることが好きでした。
都内の食品会社で働き、その後はシェフとしてオーガニックレストランの立ち上げにも携わりました。
養豚家・関谷哲さん:
生産者と接する機会が増え、既存の流通システムに頼らずに、生産者がもっと利益を受けられるよう寄り添いたいと思うようになりました
関谷さんは富士宮市に移住。レストランの料理長として働くようになりました。そのレストランで朝霧高原放牧豚と出会います。
養豚家・関谷哲さん:
おいしさに驚きました、その育て方も含め朝霧高原放牧豚のとりこになりました
しかし飼育者が高齢のため引退することに。「このすばらしい豚の生産が終了してしまうのは悔しい」。そんな思いが募り養豚場を引き継ぎました。
朝霧高原放牧豚が食べられるお店
富士宮市の「ふもとっぱらキャンプ場 金山テラス」では、キャンプ場利用者に朝霧高原放牧豚と鹿肉を使ったハンバーガー「豚鹿豚鹿(ぶかぶか)バーガー」を提供しています。ジューシーなのにさっぱり、臭みも気になりません。
他にも朝霧高原放牧豚で作った豚骨ベースの朝霧高原ラーメン(1100円・金土日限定)があります。
まだまだ購入できる場所は少ないですが、自然の中でのびのび育ったブタたちのお肉、ぜひ味わってみて欲しいと思います。
■朝霧高原放牧豚通販サイト
■Seed Cafe:冷凍品を販売(静岡県富士宮市淀師1121-7)
【レストラン】
■ふもとっぱらキャンプ場 金山テラス:(静岡県富士宮市麓156)
■mogu:ランチで朝霧高原放牧豚のステーキを提供(静岡県富士宮市上井出3472-22)
■ワインとお肉料理 レストランMINORIKAWA:朝霧高原放牧豚の炭火焼きを提供(静岡県下田市1-1-12)
■Yama no Kitchen:(静岡市清水区宮下町10-47)
■TAVERNA IL BORGO:(静岡県富士市富士町13-10鐘鳴館1階)
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