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静岡・三島市におしゃれで楽しい、全く新しい工務店ができました。名前は「根継商店(ねつぎしょうてん)」。DIYだけでなく、本の販売やアートスペースもあります。
助かるDIY作業場 木工品販売コーナーも楽しい
根継商店は三島市の中心部、三島大通り商店街にあります。
以前は交流スペース「Via701」だった場所で、平成建設(沼津市)が引き継ぎ、新たに根継商店として1月14日にグランドオープンしました。
根継商店のコンセプトは「ものづくりを通じてヒト、コト、モノがつながる」です。
「netsugi(根継ぎ)」とは、新旧の木材を強くつなぐための伝統技法で、根継商店のロゴマークにもなっています。
ものづくりを通じてヒト、コト、モノがつながり、ものづくりの喜びと楽しさを体感しほしいという願いが込められています。
1階にはDIY作業場や書籍販売コーナー、2階にはアートギャラリーがあります。
まずはDIY作業場をのぞいてみます。
自宅に広い作業場がない人や音が気になる人におすすめで、レンタル料金(2時間1000円・1日2000円)で使用できます。
道具も借りられるほか、常駐しているプロの大工から直接アドバイスを受けることもできるのが大きな特徴です。
「端材ビュッフェ」は現在無料。受付すれば誰でも利用できて、好きな端材を持ち帰ることができます。今後は有料化するそうなので、来店時に確認してください。
次に、建築やアートに関する書籍の販売コーナーを見てみましょう。おしゃれな本棚の下にあるカウチでは、棟梁と地元客が話をしていました。
DIY・インテリアのウェブショップ「toolbox」の展示ブースもあります。
また「工芸品ギャラリー」や「手作り木工キット販売コーナー」もあって、DIYをする人もしない人も、幅広い層の利用者がそれぞれのスタイルで楽しめるようになっています。
プロの大工が常駐
根継商店は、大工が常駐する交流スペースです。プロの大工でもあり、3児の母でもある藤田奈生さんは、初めて話を聞いたときには、一体どういう空間になるのか想像もつかなかったと言います。
大工・藤田奈生さん:
週に2日ほど根継商店を担当しています。本職の大工の現場仕事と根継商店の接客の掛け持ちなので、正直大変な面もありますが、3カ月たって仕事にもだんだん慣れてきました
大工・藤田さん:
(Q.接客に抵抗はなかったか)人と接するのが好きなので、あまり抵抗はないです。現場の大工仕事は、お客様と直接話す機会が少ないので、ここで声を直接聞けることは、実は大工側にとってもメリットがあると思っています
観光客も立ち寄る
根継商店には、口コミで来てくれる地元の人のほか、ギャラリーやワークショップなどのイベントには市外から来る人もいるそうです。
大工・藤田さん:
マンション住まいで、DIYをしてみようにも作業スペースがなくてお困りの方がいらっしゃいます。お気に入りの絵のために額縁を作る方や、工芸品を飾る棚を作られた方もいらっしゃいました
また場所柄、三嶋大社や源平川散策の後に観光客が寄ってくれることもあるようです。
大工・藤田さん:
きょうも観光客の方が箸作りに挑戦されました。通りかかって「雑貨屋さんかな?本屋さんかな?」といった感じで、ふらっと立ち寄ったそうです
“かかりつけ”の大工になりたい
藤田さんが客に伝えたいのは単なる「DIYのテクニック」だけではありません。木のある暮らしの良さを知ってほしいと話します。
大工・藤田さん:
手作りならジャストサイズで作れるし、古くなったら自分で直せる。世界中でオンリーワンですから愛着がわきます。使い捨てなんてできません。木の独特の肌触りといい香りといい、部屋にあるだけで気持ちが豊かになり生活が潤うと思うんです。次の世代にも引き継げるし、最後は土に返ります。そういう豊かな暮らしのお手伝いができるのが、この仕事の魅力です
ちょっとしたことでも構わないので気軽に立ち寄って、相談でもおしゃべりでも、大工を上手に活用してもらいたいと語る藤田さん。
例えて言うなら「かかりつけの大工」といったところでしょうか。
特に自身と同じ子育て中の女性に、DIYをもっと身近に感じてもらいたいそうです。
「ものづくりを通じてヒト、コト、モノがつながる」空間。あなたなら、どんなつながり方をしてみたいですか?
■店名 根継商店
■住所 静岡県三島市本町7-30Via701(1F)
■電話 055-955-5770
■営業時間 10:00~17:00
■定休日 火
取材/高良綾乃