見つけた

静岡に「日本橋」や「渋谷」の道路標識があるナゾ解きました【牧之原】

茶どころとして知られる静岡・牧之原市に、なぜか「日本橋」や「渋谷」など、東京の地名が書かれた道路案内標識があります。調べてみると、日本の安全に貢献している重要な場所だったことがわかりました。

側道からあの“青い標識”が見えた!

向かったのは、東名高速道路・吉田ICから車で約5分。牧之原市の坂部地区です。

静岡に日本橋や渋谷があるなんて聞いたことはありませんが、東名の側道を東に向かっていくと、右手に見えました!

大きめの道でよく見かける、あの青い大きな案内標識です。

テレビ静岡・小倉彩瑛アナウンサー:
右側が池袋、渋谷。そして左側が日本橋。でもここ牧之原市ですよ

確かに、日本橋や渋谷と書かれた案内標識がありました。

しかしここは静岡県のド真ん中。一体なぜこんなものが?

近くには「KOITO」と書かれた大きな看板があります。

案内標識はこの工場の中にあるようなので、行ってみることにしました。

工場を訪問する小倉アナウンサー

案内標識があるのは工場の中だった

KOITOは自動車部品をつくる小糸製作所のこと。その榛原工場でした。

テレビ静岡・小倉アナ:
日本橋とか渋谷と書かれている案内標識を見て来たんですが、こちらの工場の標識ですか

小糸製作所 榛原工場管理部・兼岩千佐子さん:
弊社の工場のものです

お2人から標識の正体を教えてもらうと、それは私たちの安全を守るために欠かせないものだったのですが、まずはこの工場で何を作っているか紹介してもらいます。

榛原工場で作っているのは、自動車の顔、ヘッドランプやテールランプです。

小糸製作所は、自動車用照明器で世界トップシェアを誇る企業。世界中の様々な自動車メーカーにヘッドランプやテールランプを供給しています。

まるで自動車学校

では、あの案内標識は一体何に使われているのか。標識を見に行きました。

外からだとあまり見えませんが、工場の敷地内には自動車学校のような道路があります。

ヘッドランプの性能を検査するために、実際の道路と同じように作ってあるそうです。

見上げると、先ほど外から見えた日本橋や池袋の標識が。

もう正体はおわかりでしょう! ヘッドランプの光がどのくらい先まで届くのか、検査するための標識でした。

夜になって・・・検査を見学

夜間でもきちんと標識が見えるか、車のヘッドランプの性能を検査するために設置された2つの案内標識。

実際にどのように検査が行われているか、夜を待ってから見学させてもらいました。

まずはロービームを照射。

前から来る車両や歩行者のまぶしさを抑えるために、上側の光をカットしたのがロービームです。

小糸製作所 性能開発部・高橋さん:
上側の光をすべてカットすると標識自体が見えなくなってしまうので、明る過ぎず暗過ぎない光を上側にも出しています

ロービームを照射

歩行者にはまぶしさを与えないようにしつつ、道路標識の存在もちゃんとわかります。

続いてハイビームを照射。

ハイビームを照射

テレビ静岡・小倉アナ:
おお、明るい。ハイビームだったら遠くも見えるし、人もしっかりと見えるし、標識も明るいですね

さらにADB(ハイビーム可変ヘッドランプ)で照射。

ADBとは対向車など前方車両が眩しくないよう、ヘッドランプの光を自動でコントロールするシステムです。こんな最先端の技術もここで研究しているんです。

ADBで照射

小糸製作所 性能開発部・高橋さん:
ADBは前方の車両周辺を狭い範囲で眩しくないようにして、それ以外の部分はすべてハイビームにする技術です

ADBのシステムとして、日本で一番初めに採用されたのは小糸製作所のヘッドランプでした。

ナゾの案内標識は日本の技術を支え、さらにドライバーの安全を守るために欠かせないものだったんです。

静岡の地名で良かったのでは?

でも、気になるのはこの地名。静岡の地名でもいい気がしますが、なぜ東京の地名だったのでしょうか。

小糸製作所 性能開発部・高橋さん:
国内外の自動車メーカーの方が来られます。ですから、地域性がある標識よりは一般的な代表的なものを使う必要がありました。それであの標識を設置したんです

なるほど、国内外の誰もが知っている地名ということで、東京の地名の案内標識が設置されたというわけだったんですね。

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