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映画のロケ地などに採用された洋館が静岡市駿河区にあります。ところが市民にはほとんど知られていません。調査してみると中に入れる上に、家具にも触れられるということで、映画ファンならずとも行きたくなるスポットでした。
調査するのは静岡市駿河区池田、日本平動物園の目と鼻の先にある静岡市の有形文化財「旧エンバーソン住宅」です。
映画「ミステリと言う勿れ」や乃木坂46のミュージックビデオのロケ地に立て続けに採用されたことで、2022年と比べて4倍の数の人が押し寄せているそうなんです。
市民が全然知らない洋館
まずは、街中で認知度調査をしてみますが、市民からは「知らない」「わからない」「全く見たことない」という声が。意外にも知っている人は少ない様子です。
静岡市民も知らない「旧エンバーソン住宅」とは一体どんな建物なのでしょうか。
現地を訪れ、管理人の静岡ヘリテージング・長島雅徳さんに話を聞いてみました。
管理人・長島雅徳さん:
旧エンバーソン住宅は、もともとカナダの牧師さんの個人住宅です
長島さんによると、建物はカナダ人宣教師、ロバート・エンバーソン氏の自宅でした。1904年に静岡の大工の手によってつくられた洋館です。
1987年に現在の場所に移築復元され、静岡市指定有形文化財となっています。
触ってもいいお宝
今から100年以上前に建てられた歴史ある洋館というだけあって、中に入ってみると様々なお宝が!
にむらあつとリポーター:
いきなり雰囲気のある椅子がありました
管理人・長島さん:
この家具は建設当時からあった一番古い家具です
そんな文化財レベルの家具に、うかつに座ってしまいましたが大丈夫。実は座っていいんです。
「邸内では、テーブルや腰掛けなどをお使いいただき、ごゆっくりおくつろぎください」と、案内文には書かれていました。
にむらリポーター:
触ったりしたらダメですよというのはありますが、これは触ってOK
旧エンバーソン住宅にあるものは、基本的には触ることができます。歴史的建造物としては珍しいですね。
洋館なのに和のデザイン
次は2階へ向かいます。階段にも見どころがありました。
手すりに日本独特の宝珠(ほうじゅ)のデザインが取り入れられているんです。
寺の橋の欄干などでよく見かける仏教の象徴、宝珠。
日本独特のものですがエンバーソン氏がこのデザインを気に入り、自宅に取り入れたそうです。
寝室はとても広々とした部屋でした。
管理人・長島さん:
エンバーソンさんが寝ていたこのベッド、家具屋さんが見ると、細工が埋め込んであるそうですよ
ベッドの背板に埋め込まれたひし形の木材は、宝石並みに貴重な木材だと聞いたそうです。
映画ファン必見の部屋
続いて1階のある部屋に向かいます。そこには映画ファン必見のお宝がありました。
管理人・長島さん:
菅田将暉さんのサインがここにあります。こっちが松嶋菜々子さん、町田啓太さん。映画の出演者のみなさんです
この部屋は菅田さん主演の映画「ミステリと言う勿れ」の撮影が実際に行われた場所です。
ひと続きになったL字型の3部屋使って撮影が行われました。
撮影は2023年の2月でしたが、なんと100人を超えるスタッフが現場に駆けつけたんだとか。
その貴重な瞬間に管理人の長島さんも立ち会ったのでしょうか?!
管理人・長島さん:
中に入れないくらいのスタッフの数で、事務所に閉じ込められていたんです
残念ながら長島さんは撮影現場を見ることはできなかったんだそう。
そんな時は、菅田将暉さんになりきって映画のワンシーンを再現してみては?
触れる座れる旧エンバーソン住宅だから、そんな遊びもできてしまいます。
長島さんは思う「静岡市の人に知ってほしい!」
映画の公開を受けて、ファンが訪れる旧エンバーソン住宅ですが、管理人の長島さんには悩みがあります。
管理人・長島さん:
まだまだ静岡市の方はこの旧エンバーソン住宅を知らないという方が多いです。この機会に来てほしいなと思います
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旧エンバーソン住宅を知らないなんてもったいない。歴史ある洋館が身近に感じられるので、一見の価値ありです。
■施設名 旧エンバーソン住宅
■住所 静岡市駿河区池田2864-52
■開館日時 土・日・祝 9:00~16:30
■入館料 無料
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