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「懲罰は勲章」と話すも…“タケノコ”発言の江本議員が申請する“審決”とは? 地方自治法で規定 静岡

“タケノコ”発言によって悪い意味で全国にその名を知らしめてしまった静岡県沼津市議会の江本浩二 議員。二度の懲罰を科された後「懲罰は勲章」と持論を述べていたが、処分の撤回を求めて審決を申請する考えを明らかにした。

タケノコ発言で陳謝処分 拒否して再懲罰 出席停止に

沼津市役所の議会棟(右)

沼津市議会で起きた“タケノコ”騒動をご存じだろうか?

本会議の場で議員が「市の土地に生えたタケノコを無断で掘った上、販売して利益を得た」と口にした問題だ。

それも、発言したのは右も左もわからない新人議員ではない。議場でのマナーやルールを熟知しているはずのベテラン議員によるものだった。

声の主である江本浩二 議員には「本会議において不適切な行為を容認するかのごとく発言」したことにより「議会の品位を汚した」として、賛成多数で議場での陳謝を求める懲罰が科された。

だが、当初から「言葉足らずだった」などと釈明していた江本議員は「懲罰には当たらない」と主張し、陳謝を拒否。

これにより今度は陳謝より重い「出席停止」処分が科され、議場を後にした。一度も懲罰を科されることなく議員生活を終える人が大多数の中で、江本議員にとってはこれが5回目の懲罰。1日で二度も懲罰を科されるのも異例中の異例のことだ。

「懲罰は勲章」と雄弁に語るも審決申請へ

詳細な申請理由を明らかにできないとする江本議員(10月19日)

「懲罰は勲章だと思っている。議論の中で、多数派が『こんな発言を許しておいたらヤバイ』と思って懲罰を科すわけなので」と雄弁に語っていた江本議員だったが、10月19日に会見を開き、いずれの懲罰も「正当な根拠はない」として川勝平太 知事に対して処分の取り消しを求める“審決”を申請する意向を示す。

会見の中では「私の名誉を深く傷つけるとともに、住民から負託を受けた議員としての責務を果たすことが出来なくなった」と訴えた。

ところで、この“審決”という言葉。聞き馴染みがない人も多いのではないだろうか?

審決とは?従来は除名のみを対象も…最高裁が判例変更

最高裁判所

まず大前提として、地方議会における懲罰は議会内部の規律を維持するための“自律作用”として法律で認められているものであって、基本的には懲罰を受けた議員は救済を求めることが出来ないという解釈が一般的だ。

一方で、地方自治法 第255条の4には「(前略)普通地方公共団体の事務についてこの法律の規定により普通地方公共団体の機関がした処分により違法に権利を侵害されたとする者は(中略)市町村の機関がした処分については都道府県知事に審決の申請をすることができる」と規定されている。

地方自治法 第135条では懲罰の種類について、軽い方から「戒告」「陳謝」「出席停止」「除名」と定めていて、“審決”の申請の対象となり得るのは従来、除名を受けた場合に限り認められるとされてきた。それは“出席停止は司法審査の対象外”という考えを示した1960年の最高裁判決に基づく。

ところが3年前、最高裁は「普通地方公共団体の議会の議員に対する出席停止の懲罰の適否は、司法審査の対象となるべきというべきである」と、60年ぶりに判例を変えた。これにより、今では“審決”の申請の対象には除名だけでなく、出席停止も含まれるという見解を総務省も示している。

今回のケースでいくと第一に川勝知事が“審決”の申請を受理するか否かを判断する。仮に受理した場合、川勝知事は自治紛争処理委員を任命し、申請の妥当性を判断する。

ただ、江本議員は望むような結果が出なかった場合には「訴訟も念頭に置いている」と話している。

“タケノコ”騒動は、まだしばらく続きそうだ。

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