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7月18日、静岡県藤枝市で「ポケモンカード」が盗まれる事件が起きた。「ポケモンカード」が盗まれる事件は、いま全国的に相次いでいる。なぜ狙われるのか。
◆閉店後の店内で大胆な犯行
店の入り口のガラスを割って侵入してきた犯人。
目当ての場所に着くとケースを壊し、展示されているポケモンカードを次々とカバンに入れる様子が確認できる。
これは7月18日にホビー商品を販売する駿河屋藤枝店で撮影された映像だ。
侵入してから店の外に出るまでわずか4分の犯行だった。
村田彬 記者:
被害のあった店舗では入り口のガラスが大きく割られているのが確認できます。深夜、店内に侵入した犯人はこちらの通路を走りながら「ポケモンカード」が展示されているガラスケースへと向かい、商品を盗んだとみられています。
店によると、盗まれたのはポケモンカード100枚以上。店頭での販売価格の総額は100万円超とみられている。
駿河屋藤枝店・店長:
「ポケモンカード」が陳列されていて、ケースの上部には新しいカードが、下部には値段が若干高めのプレミア商品が並んでいました。
「ポケモンカード」を狙った窃盗事件は全国で相次いでいる。都内では2022年8月、販売総額1300万円相当のポケモンカード650枚と現金 約480万円を盗まれる事件が発生し、犯行方法を指示したとされる男が逮捕されている。
◆コレクター要素強く値段が高騰
背景にあるのがカードの“高騰”だ。希望小売価格はカード5枚で180円だが、高値で取引されているカードもある。
駿河屋藤枝店・店長:
高いものだと1万円から10万円、もっと高いものもあります。カード自体、魅力的なイラストが多く、カードで遊ぶだけではなくコレクター要素がかなり強いため値段が高騰しているんだと思います。
◆人気の秘訣はカードゲーム自体のおもしろさ
なぜこれほど人気なのか?日曜日の開店前のポケモンカード専門店を訪ねた。
村田彬 記者:
こちらの店舗では午前10時の開店を前に大勢の方が並んでいます。お目当ては新しく発売されたポケモンカードです。
来店客:
午前9時半に並びました。
浜松市北区にあるポケモンカード専門店では開店と同時に次々とカードが売れていった。
大勢の人を惹きつけるポケモンカードだが、その楽しさはカードを集めるだけではない。カードのデザインはもちろん、カードゲーム自体のおもしろさも大きな魅力だという。
大会参加者:
自分の好きなポケモン使えることが魅力かなって思います。
大会参加者:
大人から子供まで、いろんなカテゴリーが一緒に楽しめる場があるのがほんといいなって思います。
ふぃ~るど・湯山真介 店長:
対戦自体が楽しいですし、何より僕が思ってるのが家族でできたり、お父さんとお母さんとバトルっていうのも簡単にできますし、そこが楽しさっていうかおもしろいぞって思えるところがあると思うんですよね。
そして、特に珍しいカードは高い値段で取引されている。
ふぃ~るど・湯山真介 店長:
高騰しているものに関しては例えば いま手に入らないカードとか、あと公式大会とか大きな大会で上位の人しかもらえないカードは高くなる傾向があるんですけど、その要因としては例えばキャラクターの絵がかわいいとかかっこいいとか、そういうので値段に付加価値がつくっていうのは結構ありますね。
◆“カード”であることが被害拡大に?
専門家は高い値段で、持ち運びしやすい点などが被害を拡大させていると指摘する。
静岡県立大学・津富宏 教授:
「まずすごく高い値段で売れる。だから値打ちが高いってことですよね。あと、すごく盗りやすいものだと思います。それはまず小さいものだし、軽いものだし、簡単に持ち出せる。小さいものは隠しやすいから簡単に隠せる。現金を盗るより得だって状況になってますよね。
また、盗んだカードを換金しやすい点も被害が相次ぐ理由に挙げる。
静岡県立大学・津富宏 教授:
売るところがあるってところですよね。簡単に売りさばけないものだったら別ですけども、いわゆるフリマとかネット上で盗んだものを簡単にさばける。お金に変えたくなる気持ちを実現に移させてしまう。
店では、高額なカードは見本を展示したり、営業終了後に持ち帰ったりと防犯対策に力を入れている。
人気の高まりにつれて高騰する「ポケモンカード」。ブームはしばらく続きそうで、店も徹底した防犯対策が求められている。