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日本で一番“空に近い” パラグライダーに最高の立地「島田市・七曲」へ【体験リポ】

海や山で遊んだら次は「空」へ。静岡・島田市川根町に“日本で一番空に近い”というパラグライダースクールがあります。未経験者でも安心のタンデム飛行を体験し、“空に近い”と言われる理由を探りました。

雲海も! 飛行ルートは大井川の絶景 

JR東海道線の島田駅から、川根本町方面へ北に車で約40分。

鹿の角と「俺の空」と書かれた木彫りの看板が目印の「Sky TEC Flying Academy(スカイテック フライング アカデミー)」に到着しました。

目印の看板

スカイテックはパラグライダーのライセンス取得のための訓練を受けられる他、レジャーとして誰でもパラグライダーを体験できる施設です。

主な飛行ルートは、離陸場の七曲(ななまがり)スカイパークから、大井川がつくり出した不思議な地形「鵜山の七曲(うやまのななまがり)」の上空です。

*離陸場は島田市身成にもあり、全部で2カ所です。

ぐねぐねした川がつくる絶景「鵜山の七曲」

天気が良く空が澄み切っていると、富士山や駿河湾を見ることができます。特に秋〜冬のフライトは空気が澄んでいておすすめです。

冬は寒いですが、朝7時ごろのフライトだと気象条件によっては雲海が出ることもあり、幻想的な景色を堪能できます。

画像提供:Sky TEC Flying Academy
冬限定の雲海フライト(画像提供:Sky TEC Flying Academy)

校長はパラグライダー世界大会のファイナリスト

スカイテックの校長であり、インストラクターをしている宮田歩さん。出身は愛媛県。

初めて空を飛んだのは大学時代で、所属していたサークルのハンググライダー部で空デビュー。

次第にパラグライダーも挑戦しはじめ、大学卒業後はパラグライダーとは関係のない営業の仕事に就きましたが、「パラグライダーで世界に挑戦したい」と熱い思いを持ち続けていました。

宮田歩さん

パラグライダーを作るメーカーに勤務していた時期もあり、空を飛ぶための知識や経験をどんどん身につけていった宮田さん。実際に宮田さん自身が競技で使用するパラグライダーも勤務先の会社で一緒に作っていたそうです。

また、多くの大会に出場し、2013年には世界大会でファイナリストに昇り詰めました。

現在も飛行技術向上のため、世界中の大会に積極的に参加しています。

画像提供:Sky TEC Flying Academy
ブラジルでのフライト(画像提供:Sky TEC Flying Academy)

いざ「タンデム体験コース」へ

パラグライダーは初心者の筆者は今回、宮田校長にタンデム体験コースに連れて行ってもらうことになりました。

スカイテックには、それぞれの経験値や目的に合わせたコースがあります。

1つ目は、初心者も気軽に楽しめる「タンデム体験コース」(1万3000円)。タンデムとは、ベテランのインストラクターが操作をしながら2人で飛行を行うもので、初心者でも安心して空の旅ができます。

離陸場 七曲スカイパーク(ふもとから車で15分)

初心者の筆者はこのタンデム体験コースにチャレンジ。まずは電話で予約です。天気を調べてもらい、飛べそうな日を教えてもらいます。1週間前ぐらいから問い合わせると、フライト日和の日を提案できるそうです。

当日は、汚れても大丈夫な長袖と長ズボンで。上空は夏でも寒いです。軍手か薄手のグローブも着用します。日差しが強いので日焼け対策をしておくといいです。

落ちてしまうので、ポケットにものは入れないように。特に汗はかきませんが、欲しい人は着替えも持参しましょう。

個人の撮影機材は落ちないように工夫をしてあれば持ち込み可能ですが、基本的にはスカイテックが360°カメラで撮影してくれます。

前に進まない!がんばったテイクオフ

ランディング場で受付

当日はまずランディング場の事務室で受付を済ませます。荷物は自分の車に置いておく人がほとんどです。  
   
スカイテックのスタッフが運転する送迎車に乗って山の上にあるテイクオフ場へ。車で15~20分くらいでした。

離陸場(七曲スカイパーク)までは送迎車で

テイクオフ場に着くとまず飛ぶ前から見晴らしがよく、風が心地良く感じられます。

装備の付け方をレクチャーしてもらいながら、自分の体に合うように長さなど調節していきます。靴がぬげて落下してしまうと大変なので、靴紐もしっかり結びましょう。

パラグライダーを装着

そしていざテイクオフ! ですが、ここが山場でした。
斜面を走る、ただそれだけなのに正面からの上昇気流でなかなか前に進めません。

一歩一歩踏み出すのが大変で、後ろからインストラクターに押されながら10mほどを進み、最後はインストラクターが地面を蹴って離陸。初めてチャレンジする方は、ここががんばりどころです。

地面から足が離れた瞬間、そのまま上昇気流に乗って高度がじわじわと上がっていきます。ここで「空を飛んでいる」という実感がわき、感動がひしひしと込み上げてきました。

タンデム飛行体験

操縦はインストラクターがやってくれるので、飛行中は特にやることはありません。思う存分にパノラマの絶景を楽しむことができます。

下降気流に入るとフワッと落ちる感覚が一瞬来ますが、意外と怖くは感じませんでした。

最後はインストラクターの「着陸体勢をとります」という指示で、前屈みになって重心を前にします。旋回しながらどんどん近づくランディング場。地面に足が着いたあとは、すぐ体を起こして勢いがなくなるまで走りました。

ランディング場の片付けや準備スペース

本格的に始めるなら「チャレンジ体験コース」

2つ目は「チャレンジ体験コース」(2万円)。

単独でのショートフライトを目指すコースです。パラグライダーの装着方法、離陸までの基礎技術などを学ぶ約4時間のコースです。パラグライダーの入門コースです。

最後に、本格的にパラグライダーの知識や技術を身につける「ライセンスコース」。

一人前のパイロットを目指し、ライセンス取得や大会出場、飛行技術向上のために訓練を重ねます。機材の購入が必須となり、費用は各ライセンス取得ごとに3万円です。

一人前のパイロットになるため訓練中!

またライセンスを取得し一人前のパラグライダーになると、スカイテックのスクールツアーに参加して、海外にも飛びにいくことができるそうです。

スカイテック・宮田校長:
大会だけではなく、いろいろなところを旅して飛びにいくのがパラグライダーの魅力だと思います

日本で一番“空に近い”最高の立地

愛媛県出身の宮田さんが、島田市でパラグライダースクールを開校したのは、七曲(ななまがり)という立地が空を飛ぶ最高の場所、つまり“空に近い場所”だったからだそうです。

その理由を3つご紹介します。

【通年でフライトができる】
冬になるとパラグライダーはオフシーズンに入り、代わりにスキー場が始まるのが一般的ですが、ここ七曲は冬でも雪が降らないため、1年中いつでもフライトができます。

【くねくね地形が生む上昇風】
飛行ルートである、「鵜山の七曲」は大井川が生み出したくねくねと蛇行した地形が特徴です。宮田さんによると、この地形が安定した上昇気流を多く生み出し、空を飛ぶための最高のコンディションを作ってくれます。

上昇気流が生まれる「鵜山の七曲」

【高低差700mの離陸場】
一般的に、離陸場から地面までの高低差は300〜400mですが、七曲は約2倍の700mです。

それなのに離陸場(七曲スカイパーク)までのアクセスは良好。ふもとから車で15〜20分で到着です。ライセンス取得を目指し何度もフライトする人にとっては、効率よく練習することができます。

自然は海と山だけじゃない

スカイテックは、アウトドアツーリズムを通して川根地区の地域活性に貢献しています。その一つが小学校でのパラグライダー授業。

地元の小学生が授業で実際に空を飛んでいます。まさに“ここにしかない”地域の魅力です。

子供から大人、初心者から上級者まで、パラグライダーは誰もが楽しめる空のレジャーです。次の旅行の目的は海でも山でもなく、”空”はいかかでしょうか?

■施設名 Sky TEC Flying Academy
■住所 静岡県島田市川根町笹間渡602-148(Sky TEC Flying Academy 島田校)
■問い合わせ:090-7801-6518
■送迎 要予約

取材/大久保榛菜

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ライターの大久保です。写真・映像を撮ることが趣味です。映画が好きで、夜中に見始めて気づいたら朝になってること多々あり。都内の美術学校で映像の勉強をしていました。 私が思う静岡県の好きなところを記事だけでなく、映像でも発信していきます!
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