大切なイヌやネコが突然心肺停止になったら、どうしますか?飼い主たちがペットの心肺蘇生法を学び始めています。どんなものなのでしょうか。人とは少し違うその方法や、注意点をお伝えします。
10月、静岡県浜松市で開かれた講習会。
教えているのは青森県の消防で、救急救命士をしていた山本大樹さんです。
山本さんは獣医師に相談しながら団体を立ち上げ、飼い主にペットの心肺蘇生法を広めています。
日本ペットBLS防災学会・山本大樹さん:
青森の八戸で東日本大震災で被災をしてしまいました。防災と向き合う中で、ペットの防災に手が付けられていないと感じた
飼い主たちには、まず、こんなシミュレーションをしてもらいます
日本ペットBLS防災学会・山本大樹さん:
ダイニングでバタッ(ペットが)倒れてました。心肺停止です
飼いネコや飼いイヌが倒れていたら。
「動物病院に電話」、そして「タクシーの手配」をしてもらいます。
参加者:
すいません、タクシー使って動物病院まで行きたいんですけど
実はこれ、電話がスムーズにできるかがポイントではありません。
日本ペットBLS防災学会・山本大樹さん:
かかった時間どのぐらいだったと思います?答え「2分」。心肺停止からの最初の2分、これはゴールデンタイムと言われている
このゴールデンタイムに心肺蘇生をして、動物病院での治療につなぐことが重要だと言われています。
参加者の1人、村田渡夢さんは、飼っていたイヌに異変が起きた経験があります。
村田さんは県外から袋井市に引っ越してきたばかりです。
夫と2匹のネコ、1匹のイヌと暮らしています。
大きな地震に備えて、日頃からペットの防災バッグも準備しています。
備えは万全、に見えますが…
村田渡夢さん:
実家で飼っていた1頭目の子は食べ物を詰まらせて窒息しかけて。夜だったのでかかりつけ医もやってなくて。何かあった時のために慌てないで処置できるよう、勉強しておいたほうがいいと思って受けました
受講しているのは、同じように緊急事態が起きた経験がある人、ペットに関する仕事をしている人など。
人とは少し違うペットの命を守る方法とは?
大切なイヌやネコが、突然の心肺停止となってしまったら?
先月、浜松市で開かれたペットの命を守るための講習会。
その方法を学ぶため、動物の体の弾力を再現したぬいぐるみを使います。
日本ペットBLS防災学会・山本大樹さん:
まずワンちゃん猫ちゃんが倒れてたらですね、背中側に自分が行くんですね。「誰か来て、誰か来て」。 声による刺激を与えるのと、自分以外の救助者を集めたいという意味があります
つづいて、揺さぶって反応をみます。
動いていないか、胸が呼吸で上下していないか確認します。
ここで重要なのは素早い判断、15秒以内に行います。
日本ペットBLS防災学会・山本大樹さん:
「反応なし、呼吸なし」。この2つの条件がそろって、心臓マッサージ開始
山本さんが広めている方法は、アメリカで生まれたペットの救命法・Recoverに基づいています。
日本ペットBLS防災学会・山本大樹さん:
天井側の手を自然に曲げてあげます。胸に肘がくっつくところ、ここから少し背中側ここが心臓の真上になるので
親指を心臓の上にあて、残りの4本の指はお腹の下へ。
手のひらで包むように、1秒間に2回のペースで、30回圧迫します。
日本ペットBLS防災学会・山本大樹さん:
揉む幅はこの体の厚みの3分の1~2分の1
人の場合、肋骨が折れても続けて…と言われますが、小さな動物たちには致命傷になるので、力加減が重要です。
日本ペットBLS防災学会・山本大樹さん:
下から手を入れて気道を確保したら、もう一個の手で口 上あごと下あごを閉じてあげます。この状態で自分の口を鼻に持っていって、ふーっと人工呼吸をします
練習では「吹き戻し」を使います。
速度は1秒間に1回。2回繰り返したら心臓マッサージに戻ります。
これを、ペットの反応が戻るか動物病院に到着するまで続けます。
参加者:
心臓のある場所、そこから知れてよかったです
参加者:
人間はけっこう力任せでいける。イヌは力加減をしなければいといけないことがよくわかった。家に帰ってからも練習したいと思いました
講習後、村田さんは家でも練習を続けています。
村田渡夢さん:
いざ自分の子がそうなった時に慌てずに対応できるかは、やっぱり積み重ねて勉強とか練習をしていくしかないと思います
日本ペットBLS防災学会・山本大樹さん:
人間ではAEDとか心肺蘇生法が当たり前に防災対策に組み込まれていますが、イヌ・ネコには救急車がありません。我が子を守る術を習っていただきたい
