わたしたちのルノワール
おでかけ

ルノワールの名作39点が静岡に集結 「レースの帽子の少女」やモネ、セザンヌの作品も 静岡市美術館で11月15日まで

フランス印象派を代表する画家、ピエール=オーギュスト・ルノワールの作品39点を集めた展覧会「わたしたちのルノワール 日本が愛した、幸せの画家」が、静岡市葵区の静岡市美術館で開催されています。

日本各地の美術館や企業、個人が所蔵する作品を通じて、ルノワールの魅力や日本との関わりを紹介。モネやセザンヌなど、同時代の画家たちの作品も楽しめます。会期は11月15日までです。

日本で愛されてきた「幸せの画家」ルノワール

静岡市美術館は2010年に開館した都市型美術館。JR静岡駅北口から徒歩数分の「葵タワー」3階にあり、常設展示は行わず、美術を主軸にデザインや工芸等、幅広いジャンルの企画展を開催しているのが特徴です。

今回の展覧会の主役は、明るく豊かな色彩と柔らかな筆遣いで、女性や子どもをはじめとする人物像を描いた19世紀を代表するフランス印象派の巨匠・ルノワール。

わたしたちのルノワール

1841年にフランス中西部のリモージュで生まれたルノワールは、13歳で磁器の絵付け職人として働き始めた後、画家を志しました。その作品は幸福感に満ちた作風で知られ、日本でも広く親しまれています。

本展では、日本国内に所蔵されているルノワールの作品39点を中心に、彼に影響を受けた日本近代洋画家の作品や、クロード・モネ、ポール・セザンヌなどの作品を含む計約80点を展示しています。

ポーラ美術館所蔵の《レースの帽子の少女》も

注目作品の一つが、展覧会のチラシにも採用されている《レースの帽子の少女》(1891年、ポーラ美術館所蔵)。

1880年代の模索期を経て、ルノワールが「真珠色の時代」と呼ばれる時期に入ったころの作品で、華やかなレースの帽子をかぶった少女が憩う姿を描いています。

ピエール=オーギュスト・ルノワール 《レースの帽子の少女》 1891年 油彩・カンヴァス ポーラ美術館所蔵)
ピエール=オーギュスト・ルノワール 《レースの帽子の少女》 1891年 油彩・カンヴァス ポーラ美術館所蔵)

この頃のルノワールは、人物の的確な描写と装飾性を兼ね備えた肖像画で上流階級の支持を得て、肖像画家として成功を収めました。

ほかにも、東京富士美術館所蔵の《赤い服の女》(1892年頃)や、茨城県近代美術館が所蔵する《マドモワゼル・フランソワ》(1917年)など、各地の美術館が所蔵する作品が並びます。

【右】ピエール=オーギュスト・ルノワール ≪マドモワゼル・フランソワ≫ 1917年 油彩・カンヴァス 茨城県近代美術館
【右】ピエール=オーギュスト・ルノワール ≪マドモワゼル・フランソワ≫ 1917年 油彩・カンヴァス 茨城県近代美術館

大原美術館所蔵の《泉による女》(1914年)は、日本にルノワールの作品がもたらされた初期の作品の一つ。また、熊本県立美術館所蔵の《胸に花を飾る少女》(1900年頃)は、同美術館が開館して間もない1979年度に購入された作品で、美術館を代表するコレクションとして長らく地域の人たちに親しまれてきました。

ピエール=オーギュスト・ルノワール 《胸に花を飾る少女》 1900年頃 油彩・カンヴァス 熊本県立美術館
ピエール=オーギュスト・ルノワール 《胸に花を飾る少女》 1900年頃 油彩・カンヴァス 熊本県立美術館

梅原龍三郎ら日本人画家との関わりにも注目

ルノワールと日本の美術との関係を知る上で欠かせないのが、梅原龍三郎や山下新太郎といった日本近代洋画家の存在です。

1908年にフランスへ留学した梅原は、リュクサンブール美術館でルノワールの作品に触れ、強い衝撃を受けました。その後、ルノワールと交流を深め、山下もルノワールから大きな影響を受けたといわれています。

山下新太郎 《少女》 1929年 油彩・カンヴァス ひろしま美術館
山下新太郎 《少女》 1929年 油彩・カンヴァス ひろしま美術館

展覧会では、梅原や山下らの作品も紹介。ルノワールの芸術に触れた日本人画家たちが何を感じ、どのように自身の創作へ取り入れたのかをたどります。

児島虎次郎 《芝の上》 1914年 油彩・カンヴァス 公益財団法人大原芸術財団 大原美術館
児島虎次郎 《芝の上》 1914年 油彩・カンヴァス 公益財団法人大原芸術財団 大原美術館

静岡市美術館の堀口朝望学芸員は、ルノワールが描く人物像の特徴について、温かな体温と生命感が感じられるような色彩を挙げ、「ルノワールの色彩を学びながら自分の作品を発展させていった日本人画家たちとの関係にも注目してほしい」と話します。

モネやセザンヌなど印象派の名作も

一方、展覧会の見どころはルノワールだけではありません。

クロード・モネの《海辺の船》(1881年、東京富士美術館所蔵)、アルフレッド・シスレーの《サン・マメスのロワン河畔の風景》(1881年、鹿児島市立美術館所蔵)、ポール・セザンヌの《水の反映》(1888~1890年頃、愛媛県美術館所蔵)など、印象派やポスト印象派の画家による風景画13点も展示されています。

ルノワールとともに新しい絵画表現を追い求めた画家たちの作品を通じて、19世紀後半から20世紀初頭にかけてのフランス近代美術の魅力にも触れられます。

「わたしたちのルノワール 日本が愛した、幸せの画家」は11月15日まで。開館時間は午前10時から午後7時(入場は午後6時半まで)で、毎週月曜日は休館です。

観覧料は一般1,600円、大学生・高校生・70歳以上1,200円。中学生以下は無料です。

【11月に開催される県内のイベント情報はこちら】

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