2011年の福島での原発事故を受け、浜岡原発の運転差し止めを求めた裁判。15年の年月を経て「原告の訴えを却下」との判決が出されました。この判決の意味とは?
鈴木衣緒里 記者:
いま原告団が裁判所から出てきました。不当判決、不当判決とあります
「不当判決」との旗を掲げ悔しさをにじませる原告団。
浜岡原発の運転の差し止めを求めた原告の訴えは却下されました。
原告の訴えは2011年にさかのぼります。
福島第一原発の事故を受け、浜岡原発の運転の差し止めを求める訴えを起こします。
行われた口頭弁論は67回、危険性を訴える原告に対して、中部電力は安全対策に抜かりはないと争ってきましたが…
中部電力・林欣吾 元社長(2026年1月):
本当に申し訳ありませんでした
状況が大きく変わったのは2026年1月の中部電力の不正の発覚。
再稼働に向けた審査で地震動のデータを改ざんしていたことが分かりました。
弁護団事務局長・青山雅幸 弁護士(2026年1月):
今回は本当にメガ不正。ただの不正ではない。(中電は)主張をやり直させてくださいという話になるに決まってるが、そんなことは絶対許されない
不正が発覚し、裁判での安全を訴える中部電力の主張の前提がすべて崩れました。
こうした状況から静岡地裁は“異例”の和解案を提案。
中部電力に原告の訴えを一部認めることを求めましたが、中部電力はこれを拒否します。
そして、静岡地裁は15年に及んだ審理を終結。
10月27日の判決で静岡地裁の平山馨 裁判長は、中部電力の不正問題に触れ、浜岡原発の再稼働が「全く見通しの立たない状況に陥った」と指摘しました。
そのうえで「紛争として成熟しておらず」「判断することができる状態にない」として原告の訴えを却下しました。
つまり「安全か危険か」を判断をする前に、判断に必要な条件が整っておらず、判断できないという判決です。
弁護団事務局長・青山雅幸 弁護士:
私は本日の判決を非常に怒りをもって受け止めている。中電は長年にわたって、訴訟や原子力規制委員会をだまし続けてきたとまで言いながら、なぜそれが敗訴なのか?これは司法の役割を放棄したとしか言いようがない。逃げたわけです
今回の判決を受けて、原告は控訴する方針を示しています。
一方で、中部電力側は判決を受けて…
中部電力コンプライアンス本部・伊藤慎 部長:
今回の判決においてまずは判決内容についてしっかりと精査していきたいと考えています。浜岡原子力発電所の重要性および必要性は変わるものではない
中部電力は組織風土の改革や、ガバナンスの強化を進めていくとしています。
