外国人観光客を呼び込むインバウンドと併せて、国が観光需要の拡大に向けた柱のひとつとしているのが、高齢者や障がいのある人など誰もが安心して旅行を楽しむことができるユニバーサルツーリズムです。こうした中、静岡県内でもユニバーサルツーリズムの実現に向けた取り組みが始まっています。
HELPUSH・寺田ユースケ CEO:
きょうのお出かけのスケジュール、旅のしおりをお伝えします
障がいがある人などの外出支援事業を手がける寺田ユースケさん。
自身も生まれつき首から下に麻痺がある“車いすYouTuber”です。
HELPUSH・寺田ユースケ CEO:
今回はバリアフリー観光プランを作るということで、介助タクシーなどは使わず、公共交通機関を使って三島の有名な観光スポットにしっかり車いすで行けるのかという点を検証したいと思っている
寺田さんはいま、三島市で障がいがある人も楽しめる観光プランの開発に取り組んでいて、今回のモデルツアーには東京都内在住の鈴木祐衣菜さんが参加しました。
鈴木祐衣菜さん:
一番行きたかったところは三島スカイウォーク
ただ…
HELPUSH・寺田ユースケ CEO:
事前に調査したところ、車いすは1台しか乗れなくて、1時間に1本しかバスが出ていないので僕は1時間後に行く…ではなく、それではさすがにということで、僕は別のスタッフの車で三島スカイウォークで合流する
車いす同士で路線バスに乗るのは難しいのが現状です。
祐衣菜さんが念願だった三島スカイウォークに到着すると、さっそく吊り橋へ。
祐衣菜さん一行:
すごい。祐衣菜ちゃん富士山見た?雪が降ったから裾野の方までずっと雪がある。すごい
車いすを押すなど、普段は祐衣菜さんの補助をしている母の裕美枝さん。
ただ、同行する家族にも旅行を楽しんでもらおうと、サポーターが手を貸します。
祐衣菜さんの母・裕美枝さん:
途中少し怖かったが、とても景色がよくて夢が叶った。楽です。(車いすの)操作もしてくれるし、サポートもしてもらえるし、本人以上に喜んでいる。私は
一方で、今後に向けた課題も見つかりました。
祐衣菜さんが顔出しパネルで記念撮影しようとしますが、足元の重りが邪魔をして近づくことができません。
HELPUSH・寺田ユースケ CEO:
これは祐衣菜ちゃんが発見した街の改善点だから、この祐衣菜ちゃんのお出かけが街をもっと車いすの人・高齢者を歓迎する場所になるきっかけになったら僕たちもうれしい
続いて訪れたのは三嶋大社。
境内にはバリアフリーのルートが用意されていますが…
HELPUSH・寺田ユースケ CEO:
ちょっと行ってみます…行けないんです
スロープと地面の間に段差があり、車いすでは上ることができません。
さらに、賽銭箱は階段の上に設置されていることからお参りは下からとなりました。
HELPUSH・寺田ユースケ CEO:
一緒に観光プランを「ここはできなかったけれど、ここをこうしたらできるのでは」という、そういったことを街のみなさんと一緒に考えてやっていけると楽しいのではないかと思う
地元の観光協会も寺田さんの取り組みを後押ししていて、今回の検証結果をそれぞれの施設と共有するなど、地域全体でユニバーサルツーリズムを確立したい考えです。
三島市観光協会・金井貴文さん:
一緒に回ってみて、こういったところは少しの気遣いでもう少し変わるのではないかという印象があった。ちょっとしたバリアのようなもの、障害になっているものを取り除くのが非常に大切なことだと思うので、より満足してもらうためにも、ひとつひとつ課題を解消していきたい
県もユニバーサルツーリズムを広げていこうと、2025年6月には専用の相談窓口を設置。
今後の需要拡大に一定の手ごたえを感じています。
県観光政策課・石神佑亮さん:
ユニバーサルツーリズムの潜在的な市場規模は約9000億円あると言われていて、今後、高齢化社会が進む中で観光産業としても非常に重要な位置を占めてくる部分になる
誰もが安心して楽しめるユニバーサルツーリズム。
受け入れ態勢を整えていくことが、結果として誰にとってもやさしい街づくりにつながるはずです。
