
伊東市の田久保眞紀 前市長に関わる学歴詐称問題をめぐり、静岡県警は2月14日、同氏の自宅へ家宅捜索に入った。田久保前市長はすでに警察から要請された卒業証書の提出を拒否する回答書を提出しているが、代理人も改めて「こちらから証拠を渡しても何も良いことはない」と述べている。
伊東市の田久保前市長をめぐっては、2025年5月の市長選に際して報道機関に虚偽の経歴を伝え掲載させた公職選挙法違反、当選後に市の広報誌に虚偽の経歴を記載した虚偽公文書作成、虚偽の学歴が記載された市の広報誌を発行した偽造公文書行使等、卒業証書を偽造した有印私文書偽造、偽造された卒業証書を関係者に開示した偽造私文書等行使、正当な理由なく百条委員会への出頭を拒んだ地方自治法違反、正当な理由なく百条委員会で証言を拒否したほか虚偽の証言をした地方自治法違反、百条委員会から求められていた記録を正当な理由なく提出しなかった地方自治法違反の6つの容疑・8つの事件について警察が刑事告発を受理して捜査を進めている。
田久保前市長は警察からの出頭要請を受け、1月29日に任意で事情聴取を受けたが、提出を検討するよう求められた疑惑の”卒業証書”については要請を拒否。
こうした中、警察は2月14日、伊東市にある田久保前市長の自宅を家宅捜索した。
捜索は約7時間に及び、警察は押収した資料を手に現地を後にしている。
今回の家宅捜索を受け、田久保前市長の代理人を務める阿部・吉田・三瓶法律会計事務所の福島正洋 弁護士が取材に応じ、「(卒業証書の)提出拒否をすれば、こういうことが起きるかなと予想していた」と述べた。
家宅捜索の実施について、福島弁護士は同日朝、警察から電話があったことで知ったという。
これまでとは捜査のフェーズが変わったことについては「身柄拘束はないと考えたい。逃亡のおそれと証拠隠滅というのがキーになると思うが、有名人なので逃亡できないし、今回の強制捜査で証拠を全部持っていかれれば、これ以上、隠す証拠もないので、理論上は身柄拘束の要件はないと思っている」と強調。
ただ、疑念を深めた疑惑の卒業証書については改めて刑事訴訟法 第105条に規定された押収拒絶権を理由に提出しない考えを示し、「いまの時点で捜査側にいろいろ話をして供述調書を作られても、こちらから証拠を渡しても何もいいことはないので、もしこちらから何かを出すとすれば公判段階、裁判になった時に選択的に出していくということになる」との見解を明らかにした。
その上で「まさに人質司法。こちらが言うことを聞かなかったら捕まえますよというのはおかしい話なので、そこは異議を述べていきたい」と警察を牽制している。
一方で、卒業証書は現在も弁護士事務所の金庫で保管していることから、今後、事務所にも家宅捜索が入る可能性については「絶対ないとは言い切れない」としつつ、「その場合、そうした捜査は不当だと思っているので、当然(押収)拒絶権を行使するということになる。(警察が)来れば拒否する」と話した。
福島弁護士は卒業証書の提出を拒否する回答書の中で、「重要な証拠となる可能性が高い卒業証書及び卒業アルバムについて、万が一にも紛失、盗難、改ざん等があってはならないという観点から、当職の責任において、厳重に保管することとした」と記し、「捜査段階では提出しないが、もし公判請求された場合、弁護側立証のために必要な範囲で裁判所に提出する可能性は依然として残る」と主張している。
